「住」を知らなければはじまらない。

「住」を知らなければはじまらない。

食アドバイザー 田口三江子が語る気づき発見コラム 常食への旅

No.10:「住」を知らなければはじまらない。

2008年1月7日。オープンから丸3年で閉店しました。多額の借金をかかえ、生きることの意味や目的を失ってしまいました。

 「さぞかし大変でしょう。荷物の引っ越し代は出世払いでいいから、とにかく大切なものをこちらに運んだら」。
そんな折、電話で状況を話すと、間髪入れずに私にこう言ってくれた方がいました。まだ10回もお会いしていない私に、どうしてそんな事を言ってくださるのだろう?と耳を疑いました。
その方とは、今私が代表理事を務めさせていただいている、NPO呼吸大学の創始者である宮本一住(いっすん)さんでした。
これから起こるであろう急激な状況変化を前にして茫然自失の私に、救いの手を差し伸べてくれたのです。店の後始末をしてトラックに荷物と自分を積み込み、一路、三重県伊賀の地へと向かいました。

これから何をすれば?どうやって借金を返済したらいいのか?しなければならないことは山積みなのに何もできず、体も心も限界に達して崩壊寸前の私を、宮本夫妻は温かく迎え入れてくれました。

結局、「私と夫と犬」の2人と1匹は、「縦の風の吹く呼吸する家」に住まわせて頂き、気がついたら2ヶ月が経っていました。

この短い期間で、私は生きるために必要なさまざまな気づきや、命に直結するような、あっと驚く発見をさせていただくことができ、とにかく、「生きよう!」という希望を持つことができました。

それまでの私は、自分は「食」の専門家だと思っていました。でも、とんでもない!私はなにも知らなかった!恥ずかしい。一から出直そう!と、生き直すつもりで生きることを決意しました。

私の大きな気づきは、「食」を論じるには、「住」を知らなければはじまらない。ということでした。
その「住」とは、
①地球の脈動と直結する空間
②人生の1/3を占める睡眠をとる所
③「食」を盛り付ける一番外側の器
ということを知りました。

特にこの3番目には、目からうろこが10000枚落ちたのです。

常食への旅カテゴリの最新記事