「いい風をいただいて、いい風にのって、いい風を届ける」人。
そんな相田さんのお人柄と竹の性質がぴたりと重なって、心地よい“竹布”が風のように伝わっていくといいなと思います。
12年前の脳梗塞で、お体の自由を奪われたご主人に寄り添いながら、日本の和の心を、伊勢を訪れた人々に女性の言葉でお伝えになっている、伊勢修養団・元伊勢道場長の”伊勢の父”中山靖雄さんの奥さま、中山 緑さん。
私も伊勢を訪ねる度にお目にかかり、深く優しい緑さんの愛に触れ、女性として尊敬し、憧れ、理想とする方でもあります。
今年出版されたご主人の著作「すべては今のためにあったこと」は発売前から予約で増刷が決まり、日本人の心の教科書にしようという声も。
そのご本の中にも登場される緑さんは、実は『竹布』の大のご愛用者&伝道者でもあります。
今月は、そんな中山 緑さんとの対談の一部をご紹介したいと思います。
「知ることの深さは愛することへの道」深く知ると人のとらえ方が違ってきます。
堀場:伊勢に訪ねて来られた方にお話しくださることの中で、「知ることの深さは愛することへの道」というお話が心に残っているのですが…。
緑さん:自分の持っている「ものさし」を崩して、深く知っていくと、人のとらえ方が違ってくるんです。
昔、戦災孤児をお世話していたお寺のお嬢さんがお話しくださったんですけどね。
当時はどうしても食が足りなくて、子供が食べ物を盗んでくるらしいんですよね。すると、おまわりさんが捕まえてお寺に連れてくるんです。そんな時、そのお嬢さんが切に感じていたことが「誰がその子を裁けるのですか?」ということでした。
そのお話を20歳の時に講演で聞かせてもらった時に、法律的には一律、悪かもしれないけれど、その人を知った時に、初めてその人のことが分かるのだと気づかせてもらいました。
画一的なことではなく、深くその方を知った時にね。知ることが愛することにつながっていくんですよね。
「喜ぶために」生まれてきたの。だからいつも”嬉しそうに”過ごすのです。
堀場:ご結婚された後もさまざまなご苦労もおありだったかと思うのですが、いつも笑顔の緑さん。
何か秘訣があるのでしょうか。
緑さん:一番大事なことは、どうして生まれてきたかということね。
この世に「喜ぶために」生まれてきたというのが基本なんですね。
いろいろなことに出逢うけれど、基本は喜ぼうと。 嬉しそうに…。
喜べない時もそれはありますよね。 でもたとえ嬉しいと思えなくても、「嬉しそうに」過ごすというのは大事なことだと思っているの。
そのように思いを切り替えたら、どんなふうにも物ごとはとらえられると思っているんです。だからいつも楽しそうにというのが基本。
いろいろなことがあって、その時は悲しかったり苦しかったりだけれど、みんな通り道。嬉しそうに過ごして、通り過ぎた後にこれでよかったと思える自分でいたいなと思ってきました。
竹は日本人の性格そのもの。心地よい人、ものを伝えたい
堀場:幅広く伊勢で活動されている緑さん。その傍ら『竹布』を伊勢のみなさんにご紹介してくださっています。
あらためて、『竹布』との出会いをうかがいますね。
緑さん:堀場さんがぜひお引き合わせしたいと伊勢までお連れくださった相田さんと初めてお会いして、伊勢神宮をご案内した時、相田さんはまさに「風の宮」、風を運んでくるような方という印象でした。
「いい風をいただいて、いい風にのって、いい風を届ける」人。
私は”竹”にもともと関心を持っていました。
節を拝むからそこから芽がでる。常に緑であること。みんながつながっていること。滞りや余分な気持ちを持たない、自分に嘘偽りをもたない潔さ。それが竹の性質。日本人の性格、精神性を象徴的に表わしている。
竹って本当に素晴らしいなぁと思っていました。
もともと私が知っていた竹の性質と相田さんのお人柄がぴたりと重なって、心地よい人、心地よいものと共にいたい、伝えたいと感じているのです。
中山緑さんのご主人、修養団・元伊勢道場長中山靖雄さんの著書。
●中山緑さんPROFILE
- 皇學館大學評議員
- 修養団伊勢いなほの会会長
~いなほの会とは~
修養団の愛と汗の実践。それを支援しながら、社会奉仕、神宮さまの勉強会、そして地元を知ること。125社を巡ったり、神嘗祭に対する神宮さんへのご奉仕をはじめ毎月、様々なご奉仕をしています。