現代人の脳は暴走気味、アクセル踏みっぱなしの状態。
自分の脳・心を健全に保つために。
ストレス社会、デジタル社会の現代。
脳は常に刺激にさらされ、無意識にイライラ・不安などを抱えていることが多くなっています。
うつ病・自律神経失調症・睡眠障害など、現代病といわれる病は、ストレスが原因とされることも多いものです。
テレビや雑誌で「脳科学」が特集されるなど、改めて注目されている「脳」。
今話題の「デフォルト・モード・ネットワーク」などのキーワードを含めながら、脳の豆知識を紐解いてみましょう。
現代を生きる私たちの脳は、常に刺激を受け続けています。
手にはスマホ、自宅や仕事場でパソコン、空き時間にゲームやテレビ、あらゆる場所で目に飛び込んでくる広告…。
こういった刺激に慣れてしまうと、もっともっと、と脳が刺激を求めてしまい、依存症のように、寝る間際までスマホやゲームに熱中してしまうことも…。
現代人の脳は暴走気味、アクセル踏みっぱなしの状態といわれるのももっともです。
ところで、人間の一日の消費カロリーは約2000キロカロリーですが、そのうち約400キロカロリーを脳が消費しているといわれます。
その400キロカロリーのうち、読書や仕事や料理など意識的に脳を使っている時に消費されるのはたった5%程度で、脳細胞の維持・修復に20%、残りの75%は、いわゆる「ぼんやりしている」状態の時に消費していることがわかりました。
一見「脳が休んでいる」と思える時に、なぜこんなにもカロリーを消費しているのでしょう?
そこに注目したのが、ワシントン大学のマーカス・レイクル教授。
最新の機器で、血流の変化から脳の活動領域を推定したところ、意識して脳を使っている時に血流が増える(活発化する)領域がわかりました。ところが、レイクル教授は、逆に意識して脳を使っている時に血流が低下する領域に注目。
すると、意識して脳を使っている時、「後部帯状回」と「前頭葉内側」という2つの領域の活動が低下し、ぼんやりしている時は同じ2領域の活動が活発化することがわかったのです。
このパターンをレイクル教授は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と名付けました。
では、ぼんやりしている時の脳では、いったい何が起こっているのでしょう。
DMNの働きは、流れ込んでくる膨大な情報・経験・感覚など、ひとまず頭の中にため込んだ情報を組みなおし、「自己認識(自分が何者か認識する)」「見当識(どこにいて何をしているか認識する)」「記憶」を作る…結果、その人の「心」ができあがる、そんな作業をしているようなのです。
従来「ぼんやりしている」というと良い意味には感じられませんでしたが、現在の脳科学では「ぼんやりすることこそが大切」とわかってきているのです。
「脳がアクセル踏みっぱなしの状態」といわれる現代、自分の脳・心を健全に保つためにも、意識して「ぼんやりする時間を作る」ことも大切なのかもしれません。
余談ですが、私は会社の昼休みに必ず昼寝をします。
眠れても眠れなくても、目をつぶったまま25分間、すると午後の仕事の効率が全然違います。
一日中パソコンとにらめっこしている私にとって、ぼんやりできる貴重な時間となっています。
「ぼんやりタイム」と「質の高い睡眠」を手に入れるために。
さて、「DMNの働くぼんやりタイム」と並び、脳にとって重要なのは「睡眠」です。
睡眠も、DMNとは違うシステムで情報・経験・感覚などを整理し、組みなおし、「記憶」させてくれる働きがあります。
近年、睡眠に悩みを抱える人は半数近くに上り、質の高い睡眠がとれないことが問題となっています。
「ぼんやりタイム」と「質の高い睡眠」を手に入れるために、
●ゆっくりと風呂に浸かる
●お気に入りの音楽を聴く
●瞑想の時間をとる
●良い寝具を使う
●寝室の環境に気を配る
●食品やサプリを活用する
といった対策を積極的に取るのも良いですね。
『元氣米』生産者の長田竜太さんが「玄米を精米した白米を食べるようになってキレる子が増えてきた」と仰るように、玄米胚芽に多く含まれる「ギャバ」は、脳のブレーキとよばれ、自然なリラックスを得られるとして注目されてきました。
自然のサプリメントとして習慣的にギャバを摂るのもおすすめです。
そして一日の終わりに、寝床のなかでゆったりと、頭の中に散らかった事柄を整理整頓するように、ぼんやりと瞑想しながら心地よい眠りに入る…。
脳にとって理想的な一日の終わりといえそうです。
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