子供たちのためにも正しい知識をもって商品を選びたい

業時より真に真面目なものづくりを貫く株式会社ルバンシュ。その姿勢から、私たち消費者が正しい知識をもって商品を選ぶことの大切さを教わりました。


スタッフ 吉澤

なめても大丈夫なリップクリームや、紫外線吸収剤を使わない日焼け止めでおなじみの株式会社ルバンシュ。「口に入っても安心な化粧品」をコンセプトに、安全な商品作りを創業当時から続けています。
2014年には「日本でいちばん大切にしたい会社」の審査員特別賞受賞、2019年には「ニッポン子育てしやすい会社」に掲載されるなど、商品のみならず、商品コンセプトに違わぬ社風も、いま日本中から注目を浴びています。
今年は食品成分100%の口紅が満を持して発売となったこともあり、ルバンシュの千田和弘社長にお越しいただき、私たちも改めて社内勉強会をいたしました。

体内に入ると害になる成分も・・・。そんな化粧品業界に一石を投じたい。


株式会社ルバンシュ 千田和弘社長

勉強会の冒頭で全員に配られた化粧水“A”と“B”。
「一方は原価1円、一方は原価1,000円、さてどちらが1,000円でしょうか?」。
実際に手に塗ると、感触の違いはほとんど無し。
2名が正解、15名が不正解で、ガッカリな結果でしたが、ルバンシュの研究員の方も半数は間違えると聞き、一安心。
実は、一方は本物の天然原料、スーパーヒアルロン酸。なんと1キロ100万円。わずか1%の配合率でも原価1,000円。もう一方は石油系のプロピレングリコール、1キロ100円くらいで、10%配合しても原価は1円。どちらも保湿剤ですが、時間が経つと明らかにスーパーヒアルロン酸の方が潤いが続くそう。ところが、塗ったときの感触が良ければ、1円のものも1,000円と思う人が大半。現在の法律では、製造時、巨大なタンクに1滴でも入れれば「スーパーヒアルロン酸配合」と謳うことができるので、そこでどういう化粧品作りをするか、メーカーの良心が問われます。

ルバンシュを創業する前は食品研究会社に勤めていらした千田さんは、化粧品の成分を分析する機会があり、既存の化粧品には体内に入ると害になる成分が含まれることに衝撃を受け、その化粧品業界に一石を投じたいと「ルバンシュ(仏語で復讐の意味)」を創業されたそうです。
創業時の熱い想いが形となった商品は『ベジタブルリップ』。口に入るリップだからこそ食品成分100%で、と考えたものの、化粧品に使われた実績のない成分は、ひとつひとつ厚労省から認可を取らなければなりません。ひとつの認可に数百万円かかることも!そうして10年かかってできたのが『ベジタブルリップ』でした。その翌年、法律が変わって、化粧品は全成分表示しなければならないかわりに、厚労省における成分の認可は必要なくなり、メーカーの自己責任で配合することができるようになりました。以来、かたつむり由来やお茶由来など目新しい成分の化粧品が出回るようになりましたが、その成分の安全性はメーカーの判断に委ねられています。アレルギーや白斑などのトラブルが報道されたこともありましたね・・・。また、全成分表示といっても、仕入れた原材料に含まれる防腐剤等のキャリーオーバー成分は表示の義務がありません。しかし、ルバンシュでは、真の安全・安心を追求し、原材料のキャリーオーバー成分まで吟味した、嘘のない化粧品作りを続けているそうです。

真面目に肌のことを考えているメーカーか?その判断の指標の一つはUVケア商品。

化粧品メーカーが真面目に肌のことを考えているかどうかは、UVケア商品の有無が判断の一つの指標となるそうです。肌老化を防ぐ最も大切な手段はUVケア。でも化粧品の中で唯一、効果効能が数値化(SPF値)され、数値測定するのにも費用がかかるため、製造するハードルが高いのだそう。折しもこの5月、米国FDAにより「紫外線吸収剤が血中に浸透する」という論文が発表された今、早くから「紫外線吸収剤を使わないUVケア商品」だけを作り続けてきたルバンシュの姿勢には、敬服の他ありません。

中学二年生になる我が娘、先日、友達とお揃いのラベンダー色のUVスプレーを買って使い始めたばかり。それまで日焼け止めを塗るよう何度言っても面倒がって塗らなかったので、「塗ってくれるなら・・・」と買ってあげたのですが、千田さんのお話をその日のうちに娘にも話して聞かせたところ、「そうなの?怖っ!じゃあ次から大丈夫な方を使う」。次からとはいえ、ファッション第一のお年頃でも、成分を選んで使うことの大切さが、心に響いてくれたことが嬉しかったです。
私たちが正しい知識をもって商品を選ぶ姿勢を持てば、周囲や次世代にもその考え方が広がり、真に真面目なものづくりをしているメーカーの商品が普及することにつながります。通販会社のスタッフとして、ひとりの親として、改めて責任重大だと感じることができた勉強会でした。

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