日本人にとっての青と白。5 0年以上続く東海道新幹線からの繋がりで…

日本人にとっての青と白。5 0年以上続く東海道新幹線からの繋がりで…

色の専門家・草木裕子の色どりメッセージ (7)

先日、雄大な富士山の姿を見ることができました。

世界中の人々に愛される富士山は、日本が誇る初めて開通した東海道新幹線のカラーデザインにも関与していると言われています。

青空と雪化粧の白が、そのイメージカラーです。
この新幹線カラーは、日本人だからこそ持つ他国の人とは違う色の意味として認識されているようです。

言葉を色で表すワークを行った際に、「はやい」には「青」と答える人が少なくありません。

その理由を尋ねると、「新幹線の色だから」「はやいと言えば一番に思い浮かぶのは新幹線です」との回答です。

誰にとってもイメージする集合的無意識の部分や色彩言語の「はやい」はレッドやイエローが選ばれるのですが、日本人には「はやい」=新幹線=青と白、というように繋がっているのです。日本のシンボルから人々に植え付けられた色の意味ですね。

赤の「はやい」は、スポーツカーなどのスピードに繋がるイメージで、エンジン(発火)から連想される意味です。そして、力強く敏速に動くことを感じる色なのです。
ポルシェやフェラーリのレッドが人気の高さを誇っている理由がそこに有ります。

また、イエローの「はやい」は光のスピードから来ています。何かにピンと来る、というひらめきや思考のはやさを表します。
だから、電球がぴかっと光るイラストで表すことが多いですね。

日本人にとっての「はやい」色、青と白の配色は、50年以上続く東海道新幹線からの繋がりで、日本の色彩言語として活用できますね。

また、富士山を見ると幸せな気持ちになることからも、白と青=幸福感という意味として世界中に広がると、私たちも幸せです。

色の意味は、古来から続くものと、このように日常から定着していくものの両方が有ると思います。

新幹線のカラーがパワフルな赤では無いところが、日本人の美意識に繋がっているように感じます。

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