「今一度、日本を洗たく致したく候」

「今一度、日本を洗たく致したく候」

ほっとメッセージ

えっ!自分のルーツがほとんど分からなくなっていく?

こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?

11月といえば文化の日、文化祭を思い出します。

ちなみに私は、年齢と共にテレビを見なくなってきましたが、NHKの「龍馬伝」や「坂の上の雲」などの幕末の歴史ドラマだけは、毎回欠かさずに見ています。
日本人としての血が騒ぐというのでしょうか?

日本の一大事に、それこそ命を懸けて国を憂い、元気と勇気と知恵を振り絞って立ち上がった有名無名の様々な人達のおかげで、今日の私達の幸せや豊かさ、そして繁栄があるかと思うと、やはり謙虚さを忘れてはいけないと思います。

心のどこかで、いつも感謝の気持ちを持っておかないといけない、と時々自分をいましめる瞬間があります。

テレビですからフィクションの部分もあり、実際の坂本龍馬が福山雅治さんのようなカッコイイ男であったかは定かではありませんが、現代版の仮想の龍馬を見事に演じきっている、そのエネルギーからやはり元気や勇気をもらっています。

いい芝居やドラマ、映画、スポーツ、コンサートを生で観たり、聴いたりすることは、心や魂の最高の栄養であり、サプリメントになります。

いい文化に触れるということはとても大切ですね。

ちなみに、少し前に雑誌のインタビューで対談させて頂いた方で、「1000年の家系図」を作って、過去から現在の自分の家の歴史(DNA)を知り、そこからの深い気づき、感謝、そして大きな敬意を払うことによって、今の自分と未来の子孫の生き方や在り方をより良くしていく、そういったことにチャレンジしておられる行政書士法人あすなろの丸山学先生という、若いのにとてもユニークな活動をしておられる先生に出会いました。

丸山先生曰く、あと数十年で、その歴史の足跡になるお寺に残る過去帳などが、それを受け継ぐ人が途絶えていくことを理由に無くなっていき、そして自分のルーツがほとんど分からないなっていくということでした。

えっ、本当に~!?

これはとても悲しいことですし、今のうちに出来るだけのことを公的にも私的にもやっておかないといけないような気がしてなりません。

聞くところによると、自分の真のルーツともいえる故郷に戻れず、歴史的にも様々な迫害を受けて血を継げてきたユダヤの人達は、自分達の家系図(血脈図)を最も大切にしており、ビジネスなどの様々なパートナーシップや関係性を結ぶ上でも、その家系図をたどり、先祖が一緒であったり、血筋が同系であったりすることが、何よりの信頼の証となり、地縁を越えた、有形無形の血縁のネットワークが、彼らの世界を股にかけたグローバルな活動や活躍につながっているということでした。

深く、長く、恵まれた歴史の中で、より良く醸成され続けてきた日本の文化、そしてDNA。

そう考えると、日本人は、この四方を海で防御されたとても恵まれた環境の中で、四季折々の大自然の移り変わりと山川草木に満ちあふれた豊かな土壌で、一万年も前からずっとここに定住し(もちろん大陸や海を渡っての渡来人との混血は多々ありますが)、縄文、弥生文化を経て、紀元後2000年以上の歴史をこの地で育み続けてきたかと思うと、世界的にも、歴史的にも、こういった民族は稀有な存在なんだとつくづく思います。

例えば食文化にしても、縄文辺りから、もう既に栗などの木の実をエネルギー源として、また川魚などをタンパク源として栄養補給しており、それが弥生時代に移り変わると、米を主食、魚や海藻などを副食として、日本人の血肉をつくり上げ、その伝統や文化が、姿形は多少変わっても、現代の日本人の食文化へと受け継がれている・・・。

四季に育まれたその時々の旬の素材(野菜、果物、穀物、魚など)をその栄養素(ビタミンやミネラル、そして最も大切な生きた酵素)やエネルギーを殺さずに、そのまま身心の細部にまで臓器の負担を極力減らしながら行き渡らせようとする、煮る、炊く、蒸すなどの調理法や、天日に干したり、麹(こうじ)菌などの微生物の力を借りて、全く別の栄養素へと昇華させた様々な発酵食(みそ、納豆、しょう油など)の知恵は、中国からの素晴らしい文化をも自国流にアレンジしながら、その深く、長く、恵まれた歴史の中で、より良く醸成され続けていきました。

それは何も食文化だけではありません。

インドを起源とする仏教や、中国を源流とする儒教や道教を、生き方、行動の指針として、日本流に適合融合させながら、古来から続く神道を心の拠り所として、日本人特有の礼節や謙譲、思いやり、そして全ての万物に神仏が宿るという敬意と感謝の心を、思想的にも日常の行いの上でも、私達のDNAの奥深くに刻み続けてきました。

大切なことは自分の内側、心の奥底に宝物のように眠っている・・・。

こういった食文化や日本的なワビサビやおもてなしの心、そしてそれらを育んでいった神社や寺院の建築物の知恵や奥深さなどは、欧米のみならず、中国をも含めた東南アジアの国々からも実は憧れられている・・・。

これは、日本に居ては決して分からないことかもしれませんが、海外で数年暮らした日本人や、日本に強い関心を持つ海外の方々からいつも漏れ聞く言葉でもあります。

大切なことは外にあるのではなく、いつも自分の内側、心の奥底に宝物のように眠っている・・・。

でもそれが当たり前だと思い、背伸びして自分ではない何者かになろうとしていく過程で、自分ではなくなっていく・・・。
らしさを失っていく・・・。

きっと今の日本がその岐路にさしかかっているのかもしれません。

11月は文化の日もあり、勤労感謝の日もありますが、私達の祖先が何を大切にし、どういう歴史をたどり、何を守り、何を私達に残そうとしてくれていたのかをもう一度心を沈め、そのDNAに刻み込まれた日本人としての誇りと自信を思い出す月に出来ればいいなぁと思います。

龍馬の言葉ではありませんが、「今一度日本を洗たく致したく候」は、時代を越えて、今の私達の生き方、在り方を問われているのかもしれませんね。

日本の文化を育んできて下さった先人達に大感謝!

合掌

Guts

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