最終回「風 笑う」

最終回「風 笑う」

「風 笑う」

ずいぶん冷えこむ日が多くなってきました。植物たちも森の動物のように冬眠に入ったみたいに静かに暮らしています。

凍て空を見上げると、思った以上に青空で、薄っすらと砂を撒いたような雲が流れていました。頬に当たる風が急に冷たく感じて、遠い昔にも、母に手を引っ張られながら空ばっかり見てたことを思い出すのです。
そう、空ばっかり見ていました。

だって、子どもの時は、空に浮かぶ雲が不思議で仕方なかったもの。
いろんな形に変化するし、時には猛スピードで過ぎ去っていくし、その上に飛行機雲なんて現れた日には、もう楽しくて、すっかり消えてしまうまで、ずっと見届けたい気持ちでいっぱいでした。

近くの公園に遊びに行った時も、大きく漕いだブランコの先に見える高い空がとっても好きでした。

少し大人になって、初めて行った海外旅行で、ホテルの窓から見える空が見たことのないくらい鮮やかな青だったのに感動して、みんながお買い物に出かけていた間ずっと何時間も寝っ転がって、窓から見える空を見ていたこともありました。

風がいろいろな空を見せてくれるのです。
時々、鳥たちも登場します。
葉っぱも落ちたりもします。
どこからか風に乗って子供たちの笑い声も聞こえます。

冬は好きですか?
山笑う季節の前に風笑う日があっても良いと思いませんか。
すべての人に幸せが訪れますように。
辛い時、寂しい時も、ココロ研ぎ澄まして空を見上げれば、風が何かを運んできてくれるかもしれません。

長らくのご愛読 ありがとうございました。

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