メンタル&フィジカルトレーナー 木津龍馬さん

メンタル&フィジカルトレーナー 木津龍馬さん

個別のカウンセリング、勉強下界、講演会を通して、心や体の病を本質から正しい方向に導く活動をされている木津さん。
木津さんが日常生活で大切にされていることとは?

  1. トレーナーとして、食癒療法を始めて選手が異例の復帰。 【肉食から玄米へ180度意識転換】
  2. 肉は嗜好品。バランスが大切。【動く前だからこそ野菜食べる】
  3. 普段の食事でどんどん変わってくる。【一番いいのは「ずっと続けること」です】
  4. 治療家とは名乗らない 【真心が先にあることが大切】
  5. 義務感で行動しないこと【心からそう思ったときにするのがいい】
  6. 根本は両親から受け継いだ正義感 【誰かの為っていうと動けるんです】
  7. 病気は治せないけど一緒なら頑張れる 【自分で努力しなきゃ無理】
  8. 知識として知るのではなく、体感することが大事。 【そこに計算ないです】
  9. 最初は嫌でも人の顔が見えると元気になれる【多分、誰よりも癒されてますね(笑)】
  10. ちょっとしたコミュニケーションを大事にする【本当はそういうのが一番大事】
  11. どちらが良心的か、損得を外して選択する【いかに良心に基づけるか】

トレーナーとして、食癒療法を始めて選手が異例の復帰。
~肉食から玄米へ180度意識転換~

山口:本日のインタビューですが、実は弊社のお客様への手紙やホームページの中で「ラディアンスピープル」という、人中心のコーナーを作っていまして、本質から輝いている人を有名無名問わず紹介しているんです。その中で、人がラディアンスに輝くために木津さんがどんなことを大切にされているか、うちの商品がどんなふうに役立っているか、共有できるものがあればと思いますので、宜しくお願いします。

木津:宜しくお願いします。

山口:木津さんは多くのスポーツ選手のトレーナーもされていらっしゃいますよね。

木津:ええ、スポーツ選手は一般人とおかしくなる場所が違うんですよ。酵素不足。だから体を凄く酷使しているのに、食べ物がめちゃくちゃなので追いつかない。

山口:ストレスが多くて。

木津:全然追いつかないです。格闘家もそうですよ。もう全くできてないです。

山口:肉食のかたまりとか。

木津:最初はみんなそうでしたね。ただ、最近は玄米食に変えてる選手は増えました。
明日(2月22日)ちょうどね、試合が。松井大二郎選手という元高田道場の人がいて。ちょうど明日、後楽園ホールでセコンドつくんです。DEEPという大会でトーナメントがあって。そこで勝ったら五月に決勝に行けて、さらにそこで勝ったら大舞台に行ける。

(注:松井大二郎選手は、見事勝ちました)

山口:可能性はありそうですか。

木津:普段強くてもそのときの状態ですよね。
彼は昔「プライド」とかもずっと出ていてけっこういい線までいったんですけど、いつの間にか負け続けて。それで来たんですね、どうやったら勝てるかって。それで一緒に湖に浸かりに行ったり。

山口:すごいですね。

木津:けっこうね、格闘家の子たち、おもしろいですよ。

山口:高山さんが(プロレスラー高山善廣選手)、倒れてからですか?

木津:

高山さんはね、当時、新日本プロレスにあがっていて、1.04っていう東京ドームの試合がありまして。2004年です。それでその試合を見たときに、すごくおかしいと思ったんですよ、高山さんが。

それで、「ちょっと(頭のあたりのオーラが)おかしいから、食べ物とかをちゃんとしといたほうがいい」と伝えてもらうよう言っておいたんですね。
だけどその2004年の夏についに倒れてしまった。連戦の疲れで。
それでその時ね、山口さん、シャンブルウエストにいらっしゃったじゃありませんか。
あれ僕ね、毎年夏に清里に行ってて。

山口:ええ、行かれてますね。

木津:

僕も呼ばれてて、その日ですよ。大阪から電話がきて「高山さんが倒れたって」一報をもらいました。
なんとか間に合って。後遺症もあったんですけど、退院してすぐヒムカに来て。
それが2004年の8月でしたね。

それで、医者からは「ダメです」と言われたんですけど、高山さんは「またプロレス復帰したい」と。
「じゃあやりましょう」ってそこから食癒療法が始まりました。
リハビリをやりながら月に2、3回治療もやって、それで2006年ですか、復帰。

山口:すごいですね。

木津:異例です。

山口:異例中の異例ですね。

木津:それからですからね、もう長い。

山口:じゃあかなり180度意識転換ですね。肉食から玄米。こんなもんでっていう話ですよね。それでも賭けられましたよね。

木津:

もう一番は復帰に向けての執念ですよね。医者には止められてましたから。
見た限りは厳しかったんですけど、もしかしたら食べ物を変えたらできなくはないかもしれないというところから、一緒に治しましょうよ、と言ってやりはじめたら本人がだんだん本気になってきたんです。

最初はちょこちょこ肉も食べてました。それで半年か一年で肉をやめて。
エネルギー変えてメニュー出して。トレーニング方法も出して。
それで去年一年間はリハビリだったので、シングルはまだ怖いからタッグにしてくれとお願いして。今年からシングル選手復帰ですね。
だから今のところ再発はないですね。
ただ油断はできないです。一回やっちゃうと。

実は最初は全く右脚が上がらなかったんです。でもファンは彼が入場の時、三本のロープを持って足をあげて入っていく姿に喜ぶんですね。でもそれができない。
だったらそれをまずやらなきゃねっていう話でした。

肉は嗜好品。バランスが大切。
~動く前だからこそ野菜食べる~

山口:それ、食を変えたらスポーツ選手はどういう才能、センスが向上するんですか。
真逆なのか質が変わるか。お客さんにもそういう人はいると思うので。食べてそれくらい変わるみたいです。

木津:結局ですね、小学校給食から始まって僕らってある意味洗脳されているじゃありませんか。

山口:まあ、そうですね。

木津:で、例えば牛乳もそうですし、油分もそうですし、要するにたんぱく質だから筋肉になるという直結した考えですよね。でもよくみんなに言うのは、遺伝子とかあるから、構造的に違うから一概には言えないんですけど、馬とかは草食なわけじゃないですか。
でもあんなに筋肉質ですごい体力を持っている。

一方、ライオンとか虎も肉食ではあるけれど、決して外側の肉は食べてないですよね。草食動物が食べた草がたくさん入っている内臓部分、酵素が入っているところを食べているだけで、概念が違うんですね。

だからそのことをよく話しますけど、結局アスリートというのは、一般人と比べて相当酵素を使います。一番使うのは組成するエネルギーにです。
肉食は筋肉にはなるかもしれないけれど、肉を分解するのにも使うのが酵素じゃないですか。そうなると、再生組成するのにまわらないんですね、筋肉組成とかに。
それで結果的に体力が落ちていく。

山口:確かに。

木津:ある程度の年齢までは肉食べていいと思うんですよ。ただ、20才くらいまでかなあ。

山口:酵素ができたりとかね。

木津:

でも20才くらいからどんどん減ってくるので、もう20才くらいからいらないかなあ…という考え方です。
だからその玄米菜食とかマクロとかでもなんでも、子どもに無理やり肉をまったくゼロにするお母さんとかもいるんですが、それは悪くないんですけど、それを押し付けちゃうとその反動でおかしくなっちゃうから。
要するにバランスですよね。そこまで持っていくバランス。
アスリートに関してはケガの治りが早くなりますよね。

山口:組成されるから。

木津:まず、消化にエネルギーをとられない。
それと、血液がドロドロにならない。だからある意味血管丈夫になりますよね。
血流がよくなって抹消まで血液が届くようになるから、感覚が敏感になりますよね。
極端な話、触わるまでのちょっとした感覚で、触れられるまでに気づくようになるとかね。

山口:それ、格闘家なんか大切ですよね。

木津:ですね。
もう草刈民代さんなんか、僕に会ってすぐやめましたね、肉は。

山口:でもそういうバレリーナの方って、栄養ある野菜を摂っているように見えますが。

木津:一般のアスリートとか陸上選手とかは別として、格闘技大会やバレエは「興業」だから夜なんです。
プロレスでも早くて15時くらいから、遅くて18時くらいから始まる。
バレエとかも、平日だって18時くらいから始まって終わるの21時じゃないですか。
中心で言うと、生活をそこに合わせるわけです。
それで21時くらいに終わってみんなで打ち上げやってご飯食べて、終わって寝るのが2時3時になって、起きるのが昼近くになって、っていうサイクル。
だから寝る前に一番食べるんですよ。それがいけない。

それで、寝る前に一番量を少なくするように言うと「動く前に食べたくない」って答えるんですね。
そこで、「動く前だからこそ野菜食べろ」って。要するに生野菜で。
夜は火の通ったもの。
体を冷やさないように、体に負担がかからないもの。消化にいいもの。
すぐに起きたら朝ご飯食べるわけだから、夜はほとんどいらないくらいの状態で、一番夜は質素にしなさいと。
その代わり、昼とか朝に豪華にしなさい。
そういう話をして、午前中に飲む酵素ジュースの作り方を教えたり。

それからですね。体質がすごく変わってきたのは。
でないと、40才過ぎて踊れないです。他の皆さんはクラシック引退してますよ。
みんな何で引退するかというと、動けなくなるんです。もたないんですね。

山口:じゃあそうすると、『病気にならない生き方』とか新谷先生とか、酵素だ生が大事だと。そういうのが世の中に広まっているのはいいことだと。

木津:いいと思いますよ。あの先生も肉はあまり食べるなと言いますよね。いいと思います。いらないもん、肉(笑)

山口:まあ、嗜好品ですよね、肉は。

木津:いらないですよね。肉は。それが嗜好品で楽しむためならいいんじゃないかとは思いますけど、それをベースにして生活してる人がいるじゃないですか。

山口:まあ、若い間はいいじゃないかと思いますけど。酵素もありますし。
でもサラリーマンでもストレス出ると油っぽいものとか肉食にいきがちですよね。

木津:ただ、肉を作っている方たち、すなわち兼業農家だったり牛乳を作る方たちのことも考えるんですよね。肉がダメというのは大いに当たり前でまっとうなんですが、そっちの方たちの生活を考えると、いきなり肉なしと言われてもなあと。

ただ本当はね、もっともっと深いところで言うと、僕は魚もいらないと思うんです。水銀の問題もあるし。
ただ、青魚とかはいいですよね。治癒に最適です、体を治すのには。やっぱりあの、血液がさらさらになるというDHAとか。あれはまんざらでもないです。フライパンにラードを入れると白く固まるけど、魚の油はさらさらだから、体に入ると思うと魚の油のほうがいいです。
あとは油、亜麻仁油みたいな、オメガ3が入っているような、ああいうのを常食していると相当変わると思うんですよ。どちらかというと僕らの考え方は引き算だと思うんです。日本人の考え方ってもともと引き算ですよね。

山口:そうですね。元々、草食でしたからね。

治療家とは名乗らない
~真心が先にあることが大切~

木津:そういえば結構仲良くさせていただいているお医者さんで、横浜にクリニックがあるんですよ。ガンの専門医なんですけど、この先生は異端児で、当然手術もされるんです。
血管の中に細い管を入れていって。普通、抗がん剤はその周辺の正常な細胞も壊しちゃうじゃないですか。その先生はピンポイントで入れていく。

山口:すごいですね。

木津:そこだけピッと。だから日帰りなんですよ、手術が。

山口:結果出てますか。

木津:多いですね。僕も結構紹介していますが、先生も僕を紹介してくださったり。

山口:いいですね。こういうのがいいですね。助け合いで。

木津:はじめて僕に会いに来たとき、みんな不安そうですからね(笑)
ただ、まわりに真面目な子たちが集まってきてくれてますから助かります。

みんな癒有氣会に来ている子たちは真面目。自分の父ちゃん母ちゃんをよろしくと言える子たちです。一生懸命なんです。気持ちがもうすごい一生懸命。人のためにというのが凄くあるので。
医者、鍼灸、整体師とか、人のために役に立ちたいから免許を取ってる子たちってやっぱりえらい。前提が人のためになりたいからっていうのがあるから。
僕は思ったことなかったですから、人のためとか。
なんとなくこんなことになっちゃって。だから彼らから勉強されられます。
こうじゃなきゃいけないんだなって。

僕は絶対に治療家だって名乗らない。だけど周りが勝手に言い始めたから、まあいいやって。
だからテレビなんかもへんなテレビあるじゃないですか。スピリチュアル系とか。
一時すごいあったんですよ、出演してくださいって。でも全部断った。
アスリートに対するトレーナーとしては出てますが、2、3回。
でもスピリチュアル系というのはね・・・(笑)

木津:もう、ビジネスですもん。真心がなくなっちゃってるんですよね。
真心が先で結果的に数字になるのはいいんですけど、数字を求めて人を集めるのは違うじゃないですか。すると数が力になっちゃって、数が多いほうが正しいってことになると危険ですよね。

裏を返すと、100人中の99人が嘘を言っていて、1人だけが本当のことを言っても99の嘘が本当になる世の中じゃないですか。
で、「一人の意見を大切にしましょう」という世の中は大事なんですけど、あまりにも荒唐無稽なことを言っている人を大切にしだすとバランスが悪いですよね。

義務感で行動しないこと
~心からそう思ったときにするのがいい~

木津:そういえば結構仲良くさせていただいているお医者さんで、横浜にクリニックがあるんですよ。ガンの専門医なんですけど、この先生は異端児で、当然手術もされるんです。
血管の中に細い管を入れていって。普通、抗がん剤はその周辺の正常な細胞も壊しちゃうじゃないですか。その先生はピンポイントで入れていく。

山口:すごいですね。

木津:そこだけピッと。だから日帰りなんですよ、手術が。

山口:結果出てますか。

木津:多いですね。僕も結構紹介していますが、先生も僕を紹介してくださったり。

山口:いいですね。こういうのがいいですね。助け合いで。

木津:はじめて僕に会いに来たとき、みんな不安そうですからね(笑)
ただ、まわりに真面目な子たちが集まってきてくれてますから助かります。

みんな癒有氣会に来ている子たちは真面目。自分の父ちゃん母ちゃんをよろしくと言える子たちです。一生懸命なんです。気持ちがもうすごい一生懸命。人のためにというのが凄くあるので。
医者、鍼灸、整体師とか、人のために役に立ちたいから免許を取ってる子たちってやっぱりえらい。前提が人のためになりたいからっていうのがあるから。
僕は思ったことなかったですから、人のためとか。
なんとなくこんなことになっちゃって。だから彼らから勉強されられます。
こうじゃなきゃいけないんだなって。

僕は絶対に治療家だって名乗らない。だけど周りが勝手に言い始めたから、まあいいやって。
だからテレビなんかもへんなテレビあるじゃないですか。スピリチュアル系とか。
一時すごいあったんですよ、出演してくださいって。でも全部断った。
アスリートに対するトレーナーとしては出てますが、2、3回。
でもスピリチュアル系というのはね・・・(笑)

木津:もう、ビジネスですもん。真心がなくなっちゃってるんですよね。
真心が先で結果的に数字になるのはいいんですけど、数字を求めて人を集めるのは違うじゃないですか。すると数が力になっちゃって、数が多いほうが正しいってことになると危険ですよね。

裏を返すと、100人中の99人が嘘を言っていて、1人だけが本当のことを言っても99の嘘が本当になる世の中じゃないですか。
で、「一人の意見を大切にしましょう」という世の中は大事なんですけど、あまりにも荒唐無稽なことを言っている人を大切にしだすとバランスが悪いですよね。


木津:僕、2000年くらいに突然ヒムカで治療してるときに倒れたんです。湖とかに入ったりするのでからだ冷え切っちゃって、ガンの方が連日続いていて、ものすごい体重が落ちてきて、絶食の日も重なってかなり調子悪かったんですよ。
それで立てなくなっちゃって、ぎっくり腰みたいになって。でも腰じゃないんですよね。おなかの周りの筋肉が固まっちゃって動けないんです。
ちょうど草刈民代さんが来てるときで「ごめん、できない」って。
プロレスラーの子たちがいるときで、ドアを外して担架にして家まで運んでくれたんですよ。二週間動けなかったです、まったく。
それで、「大丈夫ですか?」って来てくれると痛いんです。
子ども達というか純粋な「どうしたのー?」って来る子たちは痛くない。
「木津さん大丈夫ですかー!」って来ると痛い。だから「来るな」って(笑)

山口:すごいですね、それね。

山口:純粋なようで難しいんですね。

木津:だから、難しいんですよ。かわいそうにって思うことがいけないわけでもないし、それが絶対だめっていう話じゃなくて、だけど現実的に痛いんです。
楽になるときは他愛もないときです。

「何、お前どうしたの?」ってというときは痛くないです。
でも心配かけたくない奴が来たときは痛いです。そして、すごい優しい人とかが来る、哀れみを持って人のことを考えている人が来ると痛いです。 
だから、頭をよしよしっていうのは、僕だめなんですよ。
よしよしってされるとこそばゆくって。面倒くさくて。
でもよしよしってされるのが大丈夫な人は痛くないかも。
お見舞いっていうのは元気に行くのがいいと思います。

山口:意外とパラドックスですよね

木津:だけど元気って隠しててもやっぱりバレてる。
意識的にはなくても潜在的にバレてる。

山口:逆に元気取ったり気遣わせたりしていることも多いかもですね。

木津:でもそこまで考えちゃうと行けないですから、義務感で行かないことかな。

山口:普段通りで。

木津:ただいいことを言ったからパチパチじゃなくて、心から思ったときにするのがいいわけで。行きたくてお見舞いにいくのはいいと思います。「世話になってるしな」「いろいろ付き合いもあるしな」っていう理由のときは、心配だからじゃないんですよ。そういうのが自分では大事にできればいいですね。 

根本は両親から受け継いだ正義感
~誰かの為っていうと動けるんです~

木津:お母ちゃんからこの前聞いたんですけど、僕、生まれたとき心臓止まってたんですって。それで普通は何分以内じゃないと脳に障害が残る時間あるじゃないですか。それをはるかに超えて呼吸できなかったらしいです。
それでもうあきらめたときに呼吸したらしいですよ。
けっこうね、生まれたときからそういう人生なんですよ(笑)
この間聞いたんですよ。今ごろ言うなって(笑)

うちの父ちゃんは漁師なんです。元々、黒潮の宮崎の島の漁師でね。
延岡市から船で一時間くらい行ったところで。親父とお袋の田舎の島で、親父は坊主の孫なんですよ。わりに信心深い島で、犬神家の一族みたいな。幽霊ごととか多くてね。
火の玉見たりとか。当たり前によくそういう話出てましたね。

それで戦争、第二次世界大戦のとき、日本軍の武器の倉庫と間違えられて、島が総攻撃受けてるんです。だから親父が小学生のときに友達みんな亡くなってるんですよ、戦争体験で。それで僕の叔父なんかはフィリピンで戦死しているし、シベリアに抑留されたりとか、小さいころから戦争の話ばかり聞かされていたんです。

そのとき父ちゃんとか従姉妹のおじちゃんとか男の子たちに「男は強くなければいけない」「弱いものを守らないといけない」とか、テープレコーダーみたいに言い聞かされていました。

山口:それが根っこにあるんですね。木津さんの正義感とか。

木津:でも、相当、途中までいろいろありましたけど(笑) 国家権力に対抗してましたし(笑)

山口:すごいですね。その破天荒さも(笑)

木津:もうメチャクチャですよ。だって、おかしいですよ、その島の人たち。
うちの父ちゃんとかもそうですけど、ヤ○ザとか怖がらない。戦争行って人がいっぱい亡くなっているのを見てるじゃないですか。
海のシケとかで危険な目にいっぱい遭ってるし、だから怖くないんですよ(笑)

小さいころも僕らをよく浜で台風のときに連れていって、「父ちゃん今からこの海の中泳ぐから」って。
遊泳禁止のところで泳いで30分くらいして戻ってくるんです。
もう、すげえって。ヒーローですよ。これが大人だって思ってました(笑)

それで母ちゃんは書道の達人なんですが、父ちゃん母ちゃんも貧乏で中学しか卒業してなくて、努力してきた人なんですよ。普通、親父にたてついたりとかあるじゃないですか。考えられないです、怖くて。殺されますから(笑)

もう70才過ぎてますけど、今でも腕っぷし強いです。
優しい顔してるんですよ。でも怒ると鬼です。
それで母ちゃんはいつもケタケタしてる。あっけらかんと。

山口:で、書道の達人で。

木津:ええ。今も宮崎でね、●●新聞とかの投書の欄に今でも掲載されたり、○○の理事やってたりね。活発なんです。

僕のことなんか信じないですよ。こうだああだ言っても自分たちの確固たるものがある。でもそのくせ、痛いところがあると言ってくる。肩が上がらないとか首が痛いとか治してって。でも普段聞いてくれないですよ(笑)

普通、息子が本出したら買うじゃないですか。親戚で配るくらいの勢いじゃないですか。本三冊出してるんですよ。CDも出てDVDも出てるんですよ。普通、買うじゃないですか。買いますよね?
でも、一回も買ったことない(笑)
テレビなんかに出演したりしたら普通、録画するじゃないですか。興味ないんですよ。
それで「まだ?」って言うんです。
「何が?」ていうと、「本、出したんでしょ、送られてこないんだけど」って(笑)

ホームページ見ちゃあ「あれ言葉悪い」とかダメ出し。あれ書いちゃダメとか。
もう、頭上がらないです(笑)

山口:根っこがそこからきてるんだなあ。両親の活動的なところと正義感と、そういうところからきているんだなあ。

木津:今は違うけど、昔は水道も通っていなかったから井戸水で。僕はその島に住んでいたわけじゃないけど、夏休みとか遊びに行くじゃないですか。
すると水汲みに行けって、何往復もですよ。
それで山の上にお墓があって、そこでお墓参りをして、海のイケスでエサをやって。
で、悪さするとそのイケスに落とされるんです、船の上から。
するとわーって魚が食いにくるんですよ。気持ち悪い。そんな思い出いっぱいあります。厳しかった。勉強に厳しかったわけではなく、礼儀とかに厳しかったですね。

中学とか高校に入ってくると、親との接点減るじゃないですか。
警察とかのお世話になると、当然叱られるんですが、どこかで俺がこれをやる理由、やらなきゃいけなかった理由があるんだろうと見てくれていた。
その悪くする理由があるだろうと見てくれていた。
叱られてはいたけれど、どこかで見てくれていたんだなあというのがありました。

山口:そういうのが今も木津さんの中にあるんでしょうね。
そういうところから助けたり、気づくんでしょうね。
困ってるとか、つらいとかを助けてあげたいと。

木津:

たぶんですけど、自分のことになるとまるっきり力でないです。まったくといっていいくらい。
でも誰かの為っていうと動けるんです、嫌々ですけど。
ただ、それが正しいとか、間違ってるとか考えるとできなくなる。

だからスピリチュアル系とかで「それは真意です」とか言ったりするよりは、そんなのよりも農家のおばちゃんが土と触れてるとか、日常の中で何かやってるのが好きですね。

山口:それが真理ですよね。

病気は治せないけど一緒なら頑張れる
~自分で努力しなきゃ無理~

木津:これみよがしにきれいごとばかり言ってるとだめです。その空気でだめ。

僕は恵まれてます。講話会でも何でもですけど、一応立場的に前で教えてる的な空気になってますが、実際はみんながけっこう許してくれてるんです。
しょうがないなこいつは、と。許してくれてるんだって。
だって皆がいなかったらムリですよね、変な話。

病気とかと向き合うのって嫌ですよ。
もう明言してますから、僕には治せないって。

でも一緒にできるかもしれないからがんばろうねって言っています。
あまりシクシク泣かれて「もう死ぬんでしょうか」って言われると「そんな話してると死ぬよ」って。

「医者、何て言ったの?」
「余命一年とかなんとか」
「そんな話をしてたら一ヶ月で死ぬよ」って。無理だよって。
どうせやるんだから、ちょっとでも生きたかったらやってみようよって。
ここが痛い、あれが痛いといわれたら「動かさないからだよ」って。

だって、治してもらおうと思って来てるじゃないですか。
自分でも努力して俺もやるけど、自分でしなきゃ無理。

山口:すごいカルチャーショックでしょうね。

木津:だからそれでもう、「木津はダメ」っていう人は来ないでしょうね。
だってみんなに好かれようと思ってないし、無理だし。

だからその中でタイミングが合えばできることはできるだろうし、努力はするんですけどね、優しくなろうって。

山口:そこを含めて優しいですよ。

木津:いるじゃないですか、本当に優しい人っていうか。

僕はね、ヒムカの代表の服部さんや、そしてもう亡くなられましたけど、一緒にやっていた三本さん、この人たちがいなければ、ただのヘンな人です。でも、彼らのサポートがあって、普通でいられたんですね。日常生活が営めた。かみさんもいたし。

僕は不器用だったから、何か上手じゃなかったですね。
わざと嫌われるようなことをしてみたり、優しいのとか怖かったんですね。ほめられるのとか。
反逆志向というか、音楽で言うとロックの…。
破滅型が大好きで、小学生のくせにそんなのばっかり読んでたんです。危険ですよね。

でも、その都度その都度で助けてくれる人がいるんですよね。
結局、拾われたんですよね、いつも。
後ろ足で砂かけてどこか行ったらまた拾われてっていうのを繰り返していた。
今もそうなんだけど。
だから、要するにやってもらったことを今してるんです。

これまた全然話が変わりますけどね。ある体の一部が不自由なおじさんがいて。
生活保護受けようか悩んでるんだけど、2回目会ったときに、仕事何しようと。
ずっと日雇いの土方なんですけど、体が不自由だから使ってもらえないですね。
だから腐ってるんですよ。

それで、また働けたら、働けたらって言うから、「働けるようになったら本当に働くか?」って聞いたんです。
そしたら「働きます」って言うから、仕事先を紹介したんですよ。
それでそこは、木津さんの紹介だからって雇ってくれたんです。そしたら2時間で逃げ出して。甘えてんじゃないって。

それで一月末くらいかなぁ、今度は夜中の二時から朝まで一緒に働きましたよ、六時間。保土ヶ谷バイパス(笑)
逃げないように一緒に働いて見張ってた。

で、逃げないように見張ってるんだけど、僕自身がどんどん疲れてきちゃって。
全身筋肉痛で(笑)

もう無骨な親父たちがいるわけですよ、ビールかーっと飲んで。
スピリチュアルがどうとか関係ないです、ガガガガーって。(道路を掘るマネ)
この親父たちがいなけりゃ成り立たないなあって。
何が心のゆとりだ、世界平和だって(笑)

この現場の親父達のほうがすごいじゃないかって思って。
ガガガーって(また道路を掘るマネ)やって、もうカッコいいよね。

もう、”うつ”だなんだ言ってる人間に、みんなここでやらせようかなって(笑)
もうほこりだらけになって真っ黒になって排気ガス吸ってやってるわけですよ。
それで一日一万円です。僕も一緒にもらって、一万円。ありがとうございますって(笑)

それで終わって二人でクルマで帰るとき、マクドナルド寄って朝マックして。
僕は食べられないからコーヒーだけ飲んで。
で、働いたあとってうまいでしょっていうと、泣くんですよ。
働けたって自信になるんですよ。ずっとつらくて逃げてたから。

でも泣かれても信用しないです。まだ一日目だから。
そしたら二日目行ったら来ないんです、筋肉痛だからって。
それで、また無理やり迎えに行って。
やだやだって言うから、無理やり引っ張り出して。

じゃあ三日続けろ、三日続けろって言って三日続けた。
これで行けるようになったら美談なんですけどね。
二日目も付き合ったんですが、三日目は自分で行けって言って行けた。

だけど四日目こなかったって。これが第一弾です。
でも、これがきっかけじゃないですか。
どう変わるかわからないですけど、それは治療でも何でもないですよね。

でも僕ね、そっちのほうが重要なの。
だってどんなにカッコいいこと言っても、実際工事現場の仕事とかやったら「チャクラがうんぬん」とか言ってる暇ないですから(笑)

山口:これがいいんですよね。これが木津さんの凄さなんだなぁ(笑)

木津:もうね、腹に力入れて一応疲れないようにやるんですよ。(呼吸法)
でもハァ~とか呼吸やってたら怒られますからね。何、目をつぶってんだ、お前って(笑)

郷に入れば郷に従えって。それを楽しんでる自分もいるし、実際楽しい。
そういう意味じゃ、たかがそういう現場ですけども、たぶんね、一人じゃ行けないです。そのおじさんが行ったから僕も行ったんです。それで行くと楽しいんですよね。

山口:格闘家の試合のときはどんなことをされるんですか?

木津:僕のやり方は何時間か前に早めに入ります。
それで東京ドームホテルとか、いい感じの場所でお茶するんです。
そして、試合が終わったら何食うかの話を延々するんです。
選手はだいたい試合前一時間前にがちがちになってるんで、そうならせないというよりは違うこと考えさせるんです。
だって今から何もしようがないじゃないですか、疲れさせるだけだし。
それで試合になるんですけど、1ラウンド目が終わってコーナーに戻ってくるときにはもう完全に目が飛んでます。
そのとき話しかけると、調子悪いときはもう「うんうんうん」ですよ。
調子がいいときは声が聞こえてるんですよ。
まずその声が聞こえているというのが最初です、冷静でいられるか。

今回僕がみている松井選手は普段95kgなんです。
でも契約が83.9gkなんですね。だから10kg以上減量するんだけど、僕のみてる選手は一ヶ月くらい前から完全菜食に切り替えます。そうすると徐々に落ちていくんですよ。
それで計量のときに、ピタっとリミットになってるから苦しまない。ボクサーも一緒です。それでみんなこれを教えると、なんで最初からこれしなかったんだって言うんですよ(笑)普通、トレーナー的な人はそこまで教えられないし、栄養学で言っちゃうから。
だからおもしろいですね。持久力もつくし、やっぱり格闘技ってわかりやすいですよ。計量があるから。

山口:ビジネスマンも本当はそういうのが大切ですよね。

木津:体が軽いのか重いのかっていうのは、体重が軽い重いじゃなくて、食べてるものの質と量だと思うんですね。気分変わりますから、いいもの食べると。
美味しいものでも体に悪いものは、そのときはちょっと気分がよくなっても後で胃とかにきたりしますからね。

知識として知るのではなく、体感することが大事。
~そこに計算ないです~

木津:そういえば今、毎週火曜と金曜にヒムカに行ってるんですけど、事務所の人の晩飯は僕が作ってるんです。完全無農薬で、オーガニックの野菜料理。

そばとかうどんとか、この間はロールキャベツ。
ロールキャベツなんだけど、中は里芋とじゃがいもです。うまいですよ!
いろんな味があるんです。味噌味とか、唐辛子味とか。

野菜ばっかりだから、俺らの仲間うちは一ヶ月の野菜の消費量すごいんじゃないですかね。やっぱり野菜はいいですよ。

木津:性格的にまずい子もいるときは緩めるというか、何でも緩めても戻れたらいいんですよ、もとに戻れたら。

そういえば最近の子って、ドア閉めないじゃないですか、開けっ放し。
全部が自動ドアだからでしょう。ホテルとかもオートロックじゃないですか。

だから自分で鍵閉めないし、戸締りしない。
便所のフタも開けたら閉めない。
最近は水洗で下水道事情とか良くなってるから開けっ放しでも匂わないけど、昔のボットン便所とかは閉めてましたよね。ちり紙があって、必ず閉めて。
お風呂とか薪を入れるところも閉めてましたよね。本来は開けたら閉めるんです。

山口:閉める文化が眠ってますよね。

木津:そういうの、今、忘れられてますね。

山口:そういうのに礼儀とか、出ないですね。

木津:何もね、堅苦しい礼儀作法のこと言ってるわけじゃないんです。
ただ、開けたら閉めるとか、便所の電気消すとか。

山口:今は緩んだら緩みっぱなし。

木津:そう、やりっぱなし。

たとえば、電気をこまめに消すとか、水をちょぼちょぼ出すとか、ありますよね。

エアコンにしても外気が寒くても、23度とか24度に設定しているとすぐに暖かくなるんです。でも寒い日って30度とか28度とかに設定したがるじゃないですか。
いきなりそうすると電気量すぐに上がるんですよ。
一番暖かくなるのが23、24度なんです。一気にやると暖かいのが上に上がって寒いのが下に下がって、たいして暖かい気がしないんです。でも23度とかにすると、暖まるのはゆっくりでも体感として暖かい。電気代も2倍違うんですよ。
そういうの教える人がいない。

野菜を先に食べると同じ量でも太らないんですよとか。
炭水化物とかたんぱく質を先に食べると血糖値が上がるから、同じ量を食べても太りやすいんですよとか、そういう当たり前のことを教える人がいない。
それだけだと思うんですよね。

便利になると何でもそれに頼っていっちゃうじゃないですか。
電子レンジも冷蔵庫もサプリも同じでね、そういうのを面倒くさがらないようにしていくと、からだって変わっていきますよね。

だから古いことっていうか、目新しいこと言ってないんです。
昔の人とかに教えられたことですから。
本当はおじちゃんとかおばちゃんとか本当にしていて教えてくれたらいいんだけど、意識がないというか、埋まっちゃってるというか。

最近の子たちはそういう会話をしてもらえてないだけですからね。
だって目新しいこと、雑学的なことでも情報量すごいから、迷いまくってる。
インターネット開けばすごいですからね。

山口:選べないですからね。

木津:何が本当かわからないですからね。

山口:そういうの取りすぎなんでしょうね。情報の取りすぎ。

木津:そういうことなんでしょうね。知識を何かで得るということは大事なことなんだけど、体験を得ることは智恵になるんですよね。算数はわからなくても、そういうことを知る重宝さ、生きた体験というのが。

架空のものが多すぎるんですよ。だから体感がないからみんな頭ではわかってるけど体が動かないんですね。

講話会で話してることなんて、工事現場に行ったら少しも役に立たないですものね(笑)とび職のおじさんとかすごいじゃないですか。体使って危ないところでブランブランやって。
ああいう技っていうのは、ある意味度胸がないとできないでしょうし、男気が試される場所じゃないですか。命かけてますよね。
どうであれ、命かけている人はかっこいいです。

山口:そういうのが輝いているんですよね。

木津:そこに計算ないですもん。

最初は嫌でも人の顔が見えると元気になれる
~多分、誰よりも癒されてますね(笑)~

木津:『デスノート』って漫画を知ってます? 
エルっていう探偵いるじゃないですか。
彼なんて現代の象徴ですよね、IQ高くて。でも極端な猫背で、極端に甘いもの食べ過ぎて自閉症なんですよね。でも推理の力だけはあって、それだけを重宝されているような。時代を象徴してますよ。
バランスじゃなくて突出してるものがあって、それだけが重宝されている。

現代って得意不得意があって、不得意なことはね、ある意味おちゃらけで馬鹿にしあえるのが一番いいと思うんですよ。
ネガティブに突き落とすんじゃなくて、「バカじゃないの?」っていうのが当たり前に話せる環境というのが必要だと思うんですよ。
でもバカにされたとか、あんな言い方されたとかになると、もう冗談も通じないから、どんどん壊れていっちゃう。
ギャグというかユーモアというのは、人を突き落とすんじゃなくて、場を和ませる、そういうので必要だと思うんです。

実際、講話会のときなんかも、真剣な顔されているときに何言っても入っていかないです。バーンって笑ったあとのほうが吸収してる。

山口:閉じるんですかね。笑うと開く。

木津:笑うのはいい。

でもね、勉強イコール真面目にとか、集中するときは真面目でいいんですけど、もっと柔らかくやっていかないとモノは入っていかないですよね。
それもクセなんでしょうね。ストイックさ追求する奴と、そうでない奴と。
おちゃらけも違うんだろうけど、楽しいの半分、おちゃらけも半分とか、そういうのがつくようになると、本当はいじめとかもなくなってくるというか。
みんな自信がないんですね。幻なんですけど、自信って。
あの人みたいになりたいって、でもあの人って意外と自信なかったりするんですよね。
妄想なんですよ。みんな一緒なんですよ。
みんな本当は一緒なんだなってわかればいいんです。

僕、よく人に言われるですが「木津さんってへこむことあるんですか」って。
僕、毎日へこんでますよ(笑)
そう言うんだけど、信じない人は信じないですね。
でも近くで見てる人は知ってるから。
へこむのは当たり前だし、呼吸が浅くなるし悲しくもなるし腹も立つ。
そういう中で何ができるかを迷いながらも追求してくいわけじゃないですか。
だから百点はないと思いますね。

だから僕、ほんと恵まれていると思います。
自分は二割三割しかできないのに、みんながよってたかって百にしてくれる。
講話会のときだって、しゃべってる内容忘れるんですよ。
何しゃべっていいかわからないとき、「今、その話してましたけど」と教えてくれる。
「ああ、そうだそうだ」って(笑)

だから、普通何か教える人って、間違えちゃいけないって教えるじゃないですか。
でもいいんですよ、間違えてもね。まわりで修正してくれるから。
真面目にやってて間違えてもフォローしてくれる。会社もそうじゃないですか。
どんなにライブでも東京ドームにタレントが来たって言っても、お客さんがチケット買わなきゃ成り立たないですからね。
そこを勘違いしないようにしないと、自分でも危ういなって思いますね。
だからある意味自信というか、自分だから出来たんだってことになると、驕りとか自惚れになっちゃうし。

10年くらい渋谷で月1回講話会をやってるんですが、そこに毎回百人が来るわけですよ。自分で言うのもあれですが、俺だったら来ないです、面倒くさくて(笑)
しかも2500円払うんですよ。 映画観てスタバでコーヒー飲めますよ(笑)
仕事終わって平日の夜に、混んで空気の悪いところに来るわけじゃないですか。
毎回、参っちゃうなぁ、どうしようって思います。
いつもね、あそこの場に行くのがいやなんです。
申し訳なくてね、告知しておきながら。

その前後にもいろんなことがあるから、でも、みんなの前で嫌な顔できないしなぁって。毎回嫌だから休んじゃおうかと思ってます。おなか痛いとか、言い訳ばかり考えてますからね。いつも。

山口:木津さんでもそうですか。

木津:いっつもです(笑)

でもね、行くと元気になるんですよね。みんな見ると、来てくれたってまた元気になって。実はたぶんね、誰よりも癒されてますね(笑)
もう本当にね、申し訳ないです。

だからあまり真面目に書かれると引いちゃう、ノートとかに書かなくていいからって(笑) 最初は三十人くらいのところでやっていたんですよね。
顔が見えないところでやるのは嫌だったので。

今は人数が多くなっちゃったから、前はもう一人ひとりともっとしゃべっていたのに。
それを思うとコミュニケーション不足になってるなぁって…。

ちょっとしたコミュニケーションを大事にする
~本当はそういうのが一番大事~

木津:あっ、ETCってあるじゃないですか?僕は嫌いなんです。
あの料金所の中って寒いの知ってますか?
冬とか本当に超寒いんですよ。それで中におじちゃんとかがいるじゃないですか。
で、僕の楽しみは、とにかく移動するので、温かいお茶とか缶コーヒーとか買って、そのチケット渡してお疲れさまですって言って、「寒いね、おじちゃん」ってその温かいの渡すのとかが好きだったんですよ。そこでちょっとしゃべったり。
あそこは孤独だしけっこう厳しいですよね。
それで声かけるとニコニコするんですね、みんな。みんなですよ、どの料金所でも。
だから「こんばんは!」とか「おはようございます!」って声かけていくんです。
僕と一緒に高速道路移動していた奴はみんなそうしています。

それも僕ね、ある少年に教わったんです。悪い子がいてね、まだ今のような活動とかする前のことです。本当に悪い子で、でも高速道路に行くとそうやっておじちゃんに声かけるんですね。それで、「なんで声かけるんだ?」って聞いたら、昔よくぶっちぎって料金所無視して強行突破してたから、それが申し訳ないんでやってるって。(笑)
今はそれETCでできないじゃないですか。だから今でもときどき、それがやりたいがためにやるんですよ。地方に行くとETCがないところもあるからいつもやります。
もう、後続車が全然こないときとかがあるじゃないですか。しゃべってますもん(笑)

「どこから?」 
「東京から。遠いですねぇ、ここ一日何台くらい通りますか?」
「そうだね。10台くらいかね」 
「じゃあ、俺のあと誰も来ないですか」
「来ないねえ」
「そんなときどうしてるんですか?」
「立ってるよ」
「ヒマじゃないですか?」
「ヒマだねえ」
「だったら、僕としゃべりましょうか」って。(笑)
それで怒られたりしてね、監視カメラとかあるからそれで怒られちゃったりもするんですけど、おもしろいです。

こういうのが逆に他愛ないですけど、希薄になってるんですよね。
東京から宮崎のエビノ高原とかまで行くと、だいたい3万円くらいなんですよね。
ずっと東名走って1500kmくらいなんですよ。それで、おじさんがね、料金所で「うわぁ」って言うんですよ。それがおもしろい。

そんなちょっとしたコミュニケーションとか、”ありがとう”とか”ごめんね”とか”すみません”とか、そういうのがないですよね、最近。
本当にだから当たり前のことが当たり前じゃなくなってる怖さと、得にならなきゃそういうのやらないというか。本当はそういうのが一番大事なのに。

山口:ちょっとしたそういうことが、人を元気にしたりとかするんですよね。

木津:ほんと、そういうことの積み重ねだと思います。わりにそういうのってほっとするじゃないですか。ロスとかニューヨークとか、公園ができると犯罪が減るんですよ。デトロイトとか工場地帯で今失業率上がってるから犯罪また増えているんですけど、公園作ると犯罪減るんですよ。街がきれいになると、掃除すると犯罪減るんですよね。日本の中でもムダ金使ってるじゃないですか。だからもっとコミュニケーションがとれるもの作ればいいと思います。

最近の子って、お金がないとどうやって遊んでいいかわからないんですよ。
お金とゲームとケータイとかないと。家族とご飯食べててもケータイしていて。

山口:温もりも何もないですね。触れ合いとか。

木津:ないですよねえ。やっぱりそういうのって「家」でしょうね。

山口:家だ学校だ、近所だ、昔からあったところでしょうね。

木津:教育というか、道徳心ですね。モラル。
いいんですよ、悪くても。多少やんちゃしても。
ちゃんと分けられればね。でも分からないですもんね。

頭いいと言われている人ほど悪いことするじゃないですか、今の世の中。
時代の寵児だ、何とかだってあがめられてても、最後に捕まったりしているじゃないですか。あれ頭良くないですよねぇ、悪いですよね(笑)
不思議だなあと思います。
だからいわゆる世の中で言う頭の良さは、数字を追う頭の良さを言っているんでしょうね。

山口:そうですね。

木津: トラックの運ちゃんなんかもね、夜中とか高速で移動すると端っこで寝てたりするじゃないですか。彼らがいなければ流通が成り立たないじゃないですか。

山口:そういう人たちがいるから成り立っていますよ。

木津:バイク便のお兄ちゃんとかね。

山口: 全部止まっちゃいますよね。

木津:なんでそういうところを削って削ってケチケチして壊していくことじゃなくて、もっとこう、社会的地位じゃなくて、何かやってあげればいいんじゃないかと思います。職人さんたちの世界もそうですけど。

山口:そうですね。

木津:安かろう良かろうで終わってる。本当に価値あるものはどんどん失くされてて、どうでもいいものは付加価値が付けられてどんどん上げられていくっていうところが気に入らないです。精神世界の人たちって、そういうのが得意じゃないですか。見えないものに付加価値つけて、とんでもない値段につける。それがビジネス的になっているのが嫌で。タダでいいのにって思うし(笑)
太陽がね、お金くれって言わないです。風もくれって言わないしさ。神ってそういうものだと思うんですよね、太陽とか自然とか。

山口:そういう何でもありの時代になって選べなくなって袋小路に入って本当のことを言ってくれる人がいないから、不自由ですね。

木津:言うと叩かれるしね。僕も相当不自由になってきましたよ、すごく(笑)
何だ?表現の自由って。何でダメなんだこれが?って。
だって本作るときも、原本なんてものすごく削られましたからね。「スピリチュアルグリーン」(木津さんの著書)なんて、本当はあの3倍あります。でも削られて削られて(笑)
でも、なんで肉が悪いかとか書くと、業者いじめになっちゃうからって言われるとそうだよなぁって思うわけです。これで生活している人どうしようみたいな。

原稿はだいたいクルマの中でパソコン使って休憩中に書くので、じっくり座ってやったことないです。移動の合間です。
笑っちゃうのが、こんな小さなパソコンなんですよ。三冊ともそれです。だから、ぶっ壊れたらアウトです。
「この文章足りないです」って言われたらこっちので(携帯)書きます(笑)
それで「できた!」と思ったら、誰かから電話かかってくるんですよ。
「手首切りました」「うわあ」って。で、間違えて消しちゃって(笑)
けっこう毎日ギャグです。

この前も、精神科医の先生が来られて、真面目で患者さんのこと考えてるんだけど、一日五人見たらおかしくなるって言うんですよね。
それで自分がもたないからって薬飲んでるんですよ。患者さんに出してるような。
だから、冷静なんだけど目が飛んじゃってるんですよね。
とにかく一ヶ月休むように言って、この間一ヶ月伊豆のほうとか温泉行ってもらいました。
真面目っていうのは、柔らかい真面目と硬い真面目があって、硬いのはどうしたって抜けないです。柔らかさっていうのはどうしても必要なんですね。

山口:さっきのもね。緩むのもね。バランスなんですよね。

木津:緩みすぎるのもダメだけど(笑)

どちらが良心的か、損得を外して選択する
~いかに良心に基づけるか~

山口:最後ですが、その人らしく生きるということに関して何か意識したほうがいいことはありますか。

木津:僕はね、良心に基づいた行動をするということだと思うんですよ。
どんなにきれいなことを言っても、もしかしたら間違えてるかもしれない。

だから良心に基づくということでいいと思うんですよね。
迷ったら損か得かで考えてたとしたら、損得外して、どっちが良心的かと、それを選んだら間違いないです。遠回りかもしれないけど間違いないです。

計算してるとね、本当に面倒くさいです。次から次へと面倒くさいです(笑)
計算して問題を解くじゃないですか。するとまた次の問題が来るので解かないといけなくなります。
だけど良心って損得じゃないので、ほぼ直感であり、そのときの自分にあるモラルじゃないですか。

だからもしそのモラルが間違えていても違う問題が出てくるだけで、良心に基づいていると応援者が増える。
応援してくれるとたぶんさっきの話に戻るけれど、助けてもらえる。

もしかしたら結果的に自分も助けているかもしれないけれど、たぶん順序的に逆になっていると思います。
だって単純にプレゼントって考えると、世の中のいろんなものがギフトとしてあるじゃないですか。

一人の先生がいて、この人が毎日違う人に会って、毎日10人に会うとするじゃないですか。で、十個のギフトをもらってこの人はここからしかもらえないとしたら一個ずつじゃないですか。この人は大変だろうが何だろうが十個もらっているわけですよ。こんなにだからありがたいことはないですよね。

一ヶ月に一回の人もいるし、一年に一回の人もいるんですね。もしかしたらもうその人、生きてるうちに会えないかもしれない人もいるじゃないですか。そのときに損得だけ考えて、この人は何かに使えそうだからとか使えなさそうだからと考えていたら、この人どうなるかわからないのに、それ考えるとさみしくなっちゃう。

先日も草刈民代さんの白鳥引退舞台に5000人入ったですよ。
その中には、もしかして彼女の白鳥の湖が初めてで、生涯で一回のバレエをここで見る人がいるかもしれない。もちろん場慣れしてて評論家みたいな人もいるかもしれないけれど、「そうやって生涯一度で来ているかもしれない人のためにもやろうね」って言いました。

山口:素敵な話しだ。

木津:埋もれちゃう人っているじゃないですか。
本当はみんな絶対必要なんだけど、世の中で目立つ人、目立たない人、出てきますよね。

でも目立ってるからって偉いわけじゃないし、目立たないからってダメなわけではない。本当に見えないそういう力というか、後ろにたくさんいるということを意識しないと出会う意味がないです。もったいないと思いますよ。

山口:本当ですね。本当に。

木津:いかに良心に基づけるかということだと思いますね。

山口:今日は本当にありがとうございました。

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