2016年8月 聞いてあのね Vol.125

2016年8月 聞いてあのね Vol.125

「なぜ?」という問いを常に持ち続ける。相手のことを素直に知りたいという好奇心と柔軟性に富んだ心だからこそ、相手も心を許す。

スタッフ堀場
レポート
東京都 奥 知子さん

「地球はひとつの生命体」という世界観に共鳴し、プロ・アクティブでも何度か自主上映をした『ガイアシンフォニー地球交響曲』。
それをきっかけに、龍村監督を「ゆの里」にご紹介することができました。
6月に「ゆの里」で開催された1泊2日の「地球交響曲の集中講座」。
定員20名という少人数での開催でしたが、幸運にもその人気講座に参加されたお客さまからのレポートをご紹介します。

龍村 仁 監督/1940年生まれ。京都大学文学部卒業後、NHK入局、主にフイルムドキュメンタリーを担当する。1992年より、ライフワークともいえる映画『地球交響曲』を公開。

参加してよかった!
そう思える2日間でした。

最近よく訪れるようになった「ゆの里」で目にする「龍村仁監督による ガイアシンフォニー 地球交響曲 上映会&お話会開催」というポスター。

一度も同作品を見たことがなかった私は、交響曲という言葉だけで「音楽の映画?」と思い込んでいました。
単純ですね。

映画を観ている知人同士の「龍村監督がね」「ガイアシンフォニーがさ」という会話を聞くたびに「いったいどんな映画なの?」という思いが強くなり、とうとう6月25日、26日、龍村監督による『ゆの里 連続講座「お水の声が聞えますか」』に参加してきました。

一度も観たことがない映画なのに2日間の集中講座、しかも龍村監督を囲んでのお話会……。
少々肩身が狭かったものの、やっぱり参加してよかった!
そう思える2日間でした。

「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」とは、様々な分野で活躍する人たちが「地球の中の私、私の中の地球」というテーマで語るインタビューをおさめたドキュメンタリー映画。

1992年の「第一番」から2015年の「第八番」まで、自主上映を中心とした上映活動だけでこれまでに述べ240万人を総動員しているのだとか。

大々的な宣伝活動もないのにこれだけの人たちが見ているのですから、この映画のもつパワーがいかにすごいかがわかります。

合宿一日目は、龍村監督が「地球交響曲」を制作するきっかけとなったコマーシャルを上映。

このCM、ある企業が買い取った2時間ドラマ枠の中で流れるのですが、最後にその企業の名前が出てこないとCMだとは気づきません。博学者やジャーナリスト、舞踏家など、日本人だけでなく世界中の様々な分野で活躍する人たちを3分間という枠で追いかけたドキュメンタリータッチの仕上がりなのです。

「ドラマの邪魔をしない」。
そんなコンセプトで作られたCMのインパクトは強烈で、問い合わせが殺到。 龍村監督は「みんなこういうのを求めているのか」とこのとき思ったと言います。

総勢52人を取材したCMは、8年間放映され様々な賞も受賞。 合宿ではCMの貴重な撮影裏話を聞くことができましたが、このお話がとにかくおもしろい!

次から次へと出てくるエピソードがまるで昨日のことのように語られ、より印象深い上映会となりました。

登場人物の自然な振る舞いは、心を許している相手にしかできないこと。

撮影に関するお話は、翌日に上映されたガイアシンフォニーでも同じです。
今回は上映されたのは「第二番」。

登場者は、「森のイスキア」で知られる佐藤初女さん、素潜りの記録保持者、ジャック・マイヨール氏、天文学者のフランク・ドイル氏、そしてチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世。

中でも印象的だったのは、ジャック・マイヨールの話。

映画「グラン・ブルー」のモデルになったフランス人のダイバーですが、一見ものすごくわがままで挑発的な人なのだそう。

初対面のときに「俺はハリウッドのバカ俳優みたいに、監督が右向けといったら右向くとか、そういうこと絶対やらないぞ」とすごまれたとか。

でも映画では「この人がそんなことを言うの?」と思わせる穏やかな表情で、イルカやダイビングについて語っているのです。

インタビュアーを信頼しているからこそのやりとり。
そうさせてしまうのが、龍村監督の人柄、そして手腕なのでしょう。

監督は「なぜ?」という問いを常に持ち続けると言います。
「なぜ、こんなことを言うのか?」と問い、何かワケがあるはずだと考える。
相手のことを素直に知りたいという好奇心と柔軟性に富んだ心が相手にも伝わり、だからこそ心を許す。

登場人物のまるでカメラがまわっていないかのような自然な振る舞いは、心を許している相手にしかできないこと。
この自然さに、何よりも驚いたのは私だけでしょうか?

こんな映画を撮る監督は、これまでどんな人生を送ってきたのか知りたくなり、帰宅してから監督のことをwebで調べてみると、なかなか波乱万丈な人生を歩んでこられたよう。

様々な経験を積み重ねてのあのインタビュー、そしてガイアシンフォニーなんだなーと思いました。
残りもぜひ観てみたいと思います。

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