色の専門家・草木裕子の色どりメッセージ (6)
節分分を迎える頃、暦の上では春を告げる時季になりますが、大寒の最後にあたり、まだまだ寒い日が続きますね。
その寒さを表す色としては、水をイメージするブルーが代表的ですが、陽の光が当たらない陰の黒もその意味を持っています。
西洋では、黒は闇を表すので、どちらかと言うとネガティブな意味になります。
しかし、東洋思想の陰陽五行では、方角では北を示し、色は黒を象徴としています。
このことから、西洋とは違って、東洋では黒は様々な場面で親しまれてきた色と言えます。西洋ではあまり食さない、黒色を取り入れていることも黒ごまや黒豆、海藻類からわかります。
そして、私たち日本人にとっては、ファッションの上でもよく使う色で、定番色として店頭にも沢山並んでいるのを目にしますね。
よく黒を着る人の心理状態は?と質問を受けますので、それについてお話ししたいと思います。
黒は、光がないことから全てを隠す意味がありますから、自分の内面を見せることを躊躇していたり、ものごとを自己解決しようとする気持ちも意味します。
もちろん、それは良い悪いを判断することではありません。
それだけ意思の強さにもつながります。
また、自分を隠すことで、安心感も与えます。ストレートに自分を表現しないその奥ゆかしさは、日本人らしさでもありますね。
黒を好むクライアントさんを見ていると、自信を持っていたい方が多いと感じます。
黒にもう一色プラスされる場合は、その色の意味を強調したり、それが真意を表していることもよく見受けられます。
私もよく黒と他の色を組み合わせますが、その色はやはり一番今の気持ちであるように思います。
みなさんも黒で身を包む時のもう一色に意識を向けてみてくださいね。