色の専門家・草木裕子の色どりメッセージ (2)
季節が変わり始めています。
秋の気配漂う今日この頃となりました。
秋と言うと「食欲の秋」ですね。
私の息子が小学生の頃、いつもより沢山食べるので、「食欲の秋やね」と言うと、「秋は、動物たちは冬眠の間も生きるために食べるんやで。何も食べたいからじゃなくて、いっぱいエネルギー蓄えるためやで」と言っていました。
なるほど、「動物は秋だから美味しいものをいっぱい食べるのではなく、生きるためだ」ということを考えるきっかけになりました。
これは色の意味からも納得できるのです。秋の色は、暖色系をイメージします。赤やオレンジ、赤紫などです。
果実が熟すと「あかくなる」と言いますね。
赤の基本的連想である血の色は、生きていることの証です。
だから、生命を表す意味になるのです。
赤から誰もがイメージするキーワードに「エネルギー」「パワー」「強さ」などがありますが、これは、生命力と繋がります。
そこから「行動」「積極的」という動きのある意味に繋がっていきます。
人にとっても食は、その根底にある動物たちと同じように生きるためであることの大切さですね。
だから、何を食べるかにも意識を向けたいと思います。
また秋は、これから寒くなるので、暖を取る色としても赤やオレンジを選びたくなる季節です。
それは炎の色からの連想ですが、これも食との関連で、火で調理すると食べ物が美味しそうに感じます。
材料を油で揚げたり、焼くことで、こんがりキツネ色と言いますが、そこには、火の色である赤やオレンジが入るからなのです。
今年の秋は、自然からの恵である実りを、冬を乗り越えられるような健康な身体を作るためにいただくという気持ちをほんの少し意識してみませんか?
きっといつもより「食欲の秋」の意味の深さを感じることができると思います。
そして、寒い冬も元気いっぱいで、活動できるでしょう。