「ピンチをチャンスに」

ほっとメッセージ

新型コロナの苦境も、人生の免疫力を上げる思いがけない良薬に?

こんにちは。
お元気でいらっしゃいますか?

早いものでもう10月。振り返れば、4月の緊急事態宣言から始まって、ここ半年は、今までの生活や生き方など常識や価値観を一変させられることが多々ありました。もちろん、辛く嫌なことも多かったと思いますが、それを耐えたり乗り越えたり、工夫したりすることで、より逞しくなったこともあるかもしれません。私事で恐縮ですが、その体験のいくつかをご紹介させていただきます。
少し前に、コロナ禍で一人で家に閉じこもりきりだった実家の母(83歳)を近くの料理屋に引っ張り出して食事をしました。半年ぶりの再会と無事を祝いながらのビールは格別なものがありましたが、その時母が「あ~、生きててよかった!こんな夜景を見ながらごはんが食べれるなんて最高やわ!ありがとう!」と満面の笑みを浮かべながら、堰を切ったように、この数ヶ月にあったいろいろなことを話してくれました。

新型コロナで毎週楽しみにしていた体操教室に行けなくなり、仲の良かった先生や友達とも会えなくなって辛かったことが一番のストレスであったこと。体を動かさないとダメだと思い、人の少ない早朝にラジオを聴きながら散歩して、体力を落とさないようにしていたこと。そして、運動したことで昼寝ができるようになり、心身のストレスが何とか解消できたことなど、母なりの新たな生活習慣ができ、心配していた私の心もパッと明るくなりました。
「新型コロナも大変やけど、鹿児島の田舎育ちで、小学校まで片道4~5キロの道を毎日通っていた母の“人生の免疫力”は、時代が変わっても強さが違うなぁー」と思いましたが、大変なことも竹の節のように強さになって、その人の人生の折れない節となっているとしたら、今なお続いている新型コロナの大変さも振り返ってみれば、人生の免疫力を上げる思いがけない良薬になるのかもしれませんね。
そして、そんな母に、私の娘が得意の料理を生かして、「おばあちゃん便」と称した作り置き料理を月1回ほど定期的に送ってくれています。これは、嫁さんの実家のお母さんにも送っているのですが、本当に喜ばれて、孫からの心のこもった「おばあちゃん便」は、コロナ禍で気力も体力も失いがちな母と義母の一番の気つけ薬で、元気と楽しみの源になっているようです。芸は身を助くではありませんが、娘にとっても、好きなことでおばあちゃん孝行できていることが喜びであり、作り甲斐を感じているのだと思います。
身内同士ではありますが、コロナ禍ゆえ、こういったアナログな心の交流が生まれてくるのはとても素敵なことだと思います。新型コロナが生んだ思いがけないギフトかな?とも思えます。

新型コロナが様々な物事の進化を早め、人生や仕事に幅や深さをもたらしてくれることになるとは。

さて、そんな娘のコロナ禍前は、自炊を始めてみたい人たちに自炊の素晴らしさ、簡単さ、面白さなどを教える「自炊レッスン」を実践形式で教えていました。顔を見合わせ、一人一人の習熟度を確認しながらやっていたレッスンなので、やり甲斐もあり、生徒さん同士も仲良くなっていくなど、ライブの良さがたくさんありました。ですが新型コロナでそれができなくなり、「料理はその場の臨場感から五感(ジューシーな音や香り、焼けていく色や形の変化など)に訴えるものを通して身につけていくもの。生徒さんの顔色やタイムリーな質問に答えることで、お互いの満足度を上げていく」ことが信条の彼女は、リモートで料理を教えることができるのか、悩みに悩んでいました。そんな時、彼女の背中を押してくれたのは、教え子の生徒さん達でした。「山口さん、外へ出られない今だからこそリモートでやって欲しいし、そういう人がいっぱいいると思いますよ」。その一言で彼女の迷いは吹っ切れました。そしてその日から我が家のキッチンは、自炊レッスンをリモートで教えるクッキングスタジオへと進化していきました。
いざ実際にやってみると、多くの生徒さんを同時に教えられるし、生徒さん宅のキッチン現場やそれぞれの出来栄え、進行状況なども分かるので、リモートならではの良さもあることに気づけました。さらに、その環境ができたおかげで、著名な料理家さんとのコラボのライブ配信ができたり、ユーチューブチャンネルも立ち上げることができました。
まさに新型コロナが様々な物事の進化を早め、人生や仕事に質や幅や深さをもたらしてくれることになるとは、本当に皮肉なものですね。
娘と同じような仕事の進化は、私の嫁さんにもあてはまります。彼女も20年に亘って、ライブで「フォトリーディング」という速読法を教えてきましたが、リアルに会ってその空間で生まれる会話のキャッチボールの中で彼女の良さが生かされていましたので、しばらくは気力が薄れてしまっていました。でもそんな中だったからこそ、もう一度自分が本当にやりたいことや伝えたいことを見つめ直したり、他のリモートセミナーに参加してみるなどをしているうちに、徐々にリモートでもできることがあるかも?というふうに気持ちが変わり、やりたいことが整理されていきました。
そうなったら持ち前のチャレンジ精神がどんどん発揮され、今ではいくつものリモート講座を満席にしています。
今まで遠くて参加できなかった地方や海外からの参加者もいたり、人数も多めに参加できるなど、たくさんの予期せぬメリットに恵まれました。

人生の免疫力を高め、次の時代を生きやすいように進化を促している・・・。

まさに「案ずるより産むが易し」「禍を転じて福と為す」「ピンチがチャンス」。
コロナ禍という一見闇に見えることでも、もがきつつも発想や常識を転換し、工夫したり、チャレンジしたり、順応していくことで、結果新たな光が差し込んでくる・・・。
それは、新型コロナで家族の時間が増えて、より仲良くなったり、危うかった絆などが再生されるなどの思いがけない嬉しい体験を含めて言えることだと思います。
ある意味、知らず知らずに不自然になっていたり、バランスを欠いていたりした私達の日々の暮らしや人生を、新型コロナが自然体に戻してくれて、敢えて過酷な状況をつくり出すことで、私達の生き方や在り方の新陳代謝を促し、人生の免疫力を高めて次の時代を生きやすいように進化させてくれている・・・そう考えれば、もう少し続きそうなコロナ禍も日本人特有の忍耐力、順応力、共生力で、ピンチをチャンスに変えていけそうな気がしますね。
しなやかで強く根を張った竹のように、新型コロナがいい人生の節や根をつくってくれていると信じて、あと少し頑張っていきましょう!

合掌

Guts

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