魂のご馳走

魂のご馳走

旅で知る、時代を越えた勤労感謝、文化の伝承。

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?

11月といえば文化の日、勤労感謝の日、そして文化の日。
少し前に、その文化の日に生まれた80歳になる母親と私の娘と3人で、淡路島に出かけました。私としては、娘が嫁に行く前に、そして母親が元気なうちに、お互いのいいところを刺激、伝承し合えればと思って企画した思い出づくりの旅でもありました。

旅にはいろいろな発見がありますが、淡路島と四国を結ぶ瀬戸大橋は、淡路出身の政治家であられた故・原健三郎さんが政治生命を懸けて繋げられたそうです。
淡路島と四国の繁栄の繁栄のためには絶対この橋が必要なんだという強烈な使命感と苦労、たくさんの方々の協力の元に、今名所となっているあの橋が架かっています。

先人のビジョンや夢を私達が現実のものとして受け取り、その中で今豊かに暮らせていることを考えると、減私奉公で後世の人のために働いた稀代の政治家原健三郎先生に感謝するしかありません。

まさに時代を越えた勤労感謝、文化の伝承ですね。
そして同じような発見を同じく淡路が生んだ稀代の作詞家の方からも得ることができ、本当に感動しました。

その方の名は阿久悠さん。

「津軽海峡冬景色」(石川さゆり)などに代表される、情景が絵のように浮かび上がる名曲の数々は、淡路で生まれ育った記憶、思い出が様々な形となって、言霊として歌詞に顕れている・・・。

「どうにもとまらない」(山本リンダ)、「学園天国」(フィンガー5)、「林檎殺人事件」(郷ひろみ&樹木希林)、「また会う日まで」(尾崎紀世彦)、「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)、「さらば涙と言おう」(森田健作)、「UFO」「サウスポー」(ピンクレディー)、「五番街のマリー」(ペドロ&カプリシャス)、「時の過ぎゆくままに」(沢田研二)、「北の宿から」(都はるみ)、「ロマンス」(岩崎宏美)、「もしもピアノが弾けたなら」(西田敏行)、「時代おくれ」(河島英五)など、私達の世代は阿久悠さん作詞の歌なくして青春は語れませんし、どれだけその歌で励まされ、元気をもらい、家族や仲間と口ずさみ、たくさんの思い出や豊かな時を過ごせたか・・・本当に感謝してもしきれません。

島で育った純粋な心、美しい風景や人の情けなどを自分の軸にして、不器用だけれど純な人の心や悲哀を代弁してくれているかのように共感、鼓舞してくれる阿久さんの歌は、デジタルで変化のスピードが速すぎて、しかもネット社会で人との交流さえも電子化している孤立した今だからこそ求められているような気がします。

最近、阿久悠さんの曲を今の人気アーチストがカバーしてよく歌われているのもわかるような気がします。

阿久悠さんが活躍された70年代後半から90年代前半の歌には、その人の生き様や人柄が刻み込まれた温もりと優しさ、共感性があり、手作り感いっぱいのいい曲が多いからと、20代の私の娘も私達世代のポップスや歌謡曲が大好きです。

淡路島で阿久悠さんのことが思い出され、その一時代を築いた名曲の数々にこの淡路島の文化の風土・伝統などが影響を与えているとしたら、生まれ育った環境や文化は本当に大切なんだなぁとつくづく思いました。

旅とは、その土地の文化や生きてきた人々との出会いに共感、感動する”魂のご馳走”なのかもしれません。時折旅に出ることはとても大切ですね。

様々な文化に触れ、感動するほど、豊かな人生はありません。
やっぱり文化っていいものですね。

さて、そんなたくさんのことを思い、気づかされた淡路島には、地元の陶芸家が腕を競って焼く素敵な陶器を鑑賞しながら、ゆっくりとお茶が飲める個性あふれるカフェがいっぱいありました。

淡路島では古くから瓦を焼く産業が盛んで、どこの民家の屋根にも今では珍しい鬼瓦がかかっています。凄い文化が残っているなぁとつくづく感じさせられましたが、そういった歴史があって焼き物に適した土や素晴らしい技術が今なお残っている・・・。

だから県外や国外からもユニークな陶芸家が集まってきているのだと思います。

そんな陶器で、挽きたての美味しいコーヒーをゆっくり味わいながらそのお店の空間を楽しむ・・・。これほど豊かで、贅沢な時間はありません。

そういったお店を娘があらかじめ探してくれて、何件か巡ってみることにしました。

移動に疲れながらも、孫と一緒に素敵な器を見ながらコーヒーを飲んでいる母の姿はとても楽しそうで、微笑ましく、フツフツと幸せな気持ちになりました。

旅先のカフェで人の情と気遣いを感じ、
とても豊かな時間を過ごすことができました。

娘のお店のセレクトにはいつも驚かされますが、夕暮れ近くに、あり得ない場所に建てられたカフェを訪ねました。

ひと気ない小さな港の脇に建てられた一見倉庫のようなカフェ「しまこや珈琲」。

吹き抜けの素敵な空間に、それはそれは深くコクのあるコーヒーの香りが立ち込めていました。

関東から移住してこられた30代のご夫婦が一年前にオープンしたという知る人ぞ知る人気のカフェで、とても楽しみにして入ったお店でしたが、その日はあいにく早い閉店時間だったようで、残念ながらコーヒーを味わうことはできませんでした。

が、その代わりにと、オーナーさんが普段は人を上がらせないという2階の隠れ部屋に通してくれました。

その部屋は「手紙の間」といって、海を見ながらコーヒーを片手に、時を忘れて大切な人に手紙をしたためるという、何ともお洒落で素敵な空間でした。

私と母と娘の3人で、畳に置かれた座布団に座り、海を眺めながらしばし無言でその景色を堪能しましたが、ここでもゆったりとした時間の中で人の情と気遣いを感じ、とても豊かな時間を過ごすことができました。

コーヒーは飲めなかったけれど、それ以上の魂のご馳走を味わうことができました。

そして後でわかったことですが、そのオーナーさんは、なんと私の嫁さんの「フォトリーディング」の受講生でした。

その関連でプロ・アクティブのことも知っておられたとのこと。
本当にビックリです。

なんと神様は粋な計らいのご縁をしたためてくださっていたことか・・・。

これも、国生み伝説で知られる神の島、淡路の成せる不思議?

そんな素敵な旅の思い出を振り返りながら、手紙を書くかのように、このメッセージを書いています。
お土産に買って帰った「しまこや珈琲」オーナー特選のブレンドを、大好きなコーヒー文化として堪能しながら・・・。

様々な文化に触れ、感動するほど、豊かな人生はありません。
やっぱり文化っていいものですね。

合掌

Guts

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