ジャパンウェイ

ジャパンウェイ

あの大逆転の歓喜の裏には、全く知られていなかった事実が…。

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?

昨年の秋辺りから未だに、深い感動と共感を覚えるキーワード。それは「ラグビー日本代表の大奮闘」と「下町ロケット」。

共に、成し遂げようもない夢を現実のものにして、私達日本人の魂に勇気と元気と自信をもたらしてくれたからだと思います。

今やラグビーは一番注目のスポーツとして観戦者も女子を中心に急上昇。子供がやりたいスポーツも、野球やサッカーを追い抜く勢いで日本中がラグビー熱に沸いています。

その中心的人物といえば、五郎丸歩(ごろうまるあゆむ)選手。あのルーチンの五郎丸ポーズは日本中で話題になり、一躍時の人となりました。

そんな五郎丸選手が昨秋ワールドカップから帰って以来、メディアに引く手あまたで取り上げられている最中にも寸暇を惜しんで会っていたのが、私も親しくさせていただいているスポーツライターで作家の小松成美(こまつなるみ)さんでした。

小松さんといえば、15年近く前から超一流のアスリートをライターとして追っかけ、その生き様を本にして、世間やアスリート達の圧倒的な支持を得てきた知る人ぞ知る存在。

野球の野茂英雄、イチロー、サッカーのヒデなど、日本のスポーツ界に世界の扉を開き、日本のアスリートが世界で活躍できるチャンスを切り開いてきた、まさにスポーツ界の至宝と言っても過言ではありません。

パイオニアのアスリート達が小松さんにだけは本音を語り、その彼らの栄光と挫折の裏側にある心のひだに寄り添い、絶妙な文章力で表現され続けて来られた稀有なる作家です。

そんな小松さんの本を五郎丸選手は小さい頃から読み、様々なアスリートの影響を受け、自分が本当に伝えたいことは、ぜひ小松さんに書いてもらいたい・・・そんな想いから小松さんに無理を承知でお願いし、熱冷めやらぬ間に一日でも早く真実を伝えたいと言って、昨年12月、年末ギリギリに出版された本が「五郎丸日記(実業之日本社)」となりました。

100回やって1回勝てるかどうかのあの南アフリカを世紀の大逆転の末に撃破した歓喜の裏では、全く知られていなかった事実があり、その事実を打ち砕くために彼らは生命懸けで国の威信をかけて戦っていた・・・。

私は、戦前からラグビー関係者やファンの一部では知られていたそのやるせない真実を、小松さんやラグビー協会につながりの強い友人から勝利の凱旋の熱狂の最中に聞かされましたが、心の底から彼らは本当に日本のまぎれもない勇士だと鳥肌が立ちました。

さてその事実とは・・・。

一点の曇りもない日本人のプライドを懸けた戦いとして、
彼らはあの南アフリカ戦のフィールドに立ちました。

ラグビーの世界にも強豪国優位の様々なハードルがあり、また国の威信や商業ベースの上でも、どの国もワールドカップを開催するという権利を国家をあげて取りに行く。
そこには様々な思惑や政治上の駆け引きなどが渦巻いています。

そんな中で、その正当性と意味合い、世界のラグビー界の発展やしっかりとした商業ベースでの成功などを粘り強く説き、訴え続けた結果、ようやく悲願のワールドカップ日本開催が決まりました。
政界、財界、協力、現場などがまさに一体となって勝ち得た栄誉でした。

それが・・・。
昨年日本中を震撼させた国立競技場の建設問題や五輪のエンブレム問題などにより、一度決まっていた開催の権利が白紙になる一歩手前まで行くことになりました。

そこでその代わりに手を上げて、自国優位に開催権を勝ち取ろうとしていたのが、あの南アフリカでした。

ラグビー強豪国のメンツにかけても、日本に奪い取られたワールドカップの開催権を取り戻したい・・・フィールドの外で、国の威信をかけた戦いに南アフリカも必死でした。

そんな状況がワールドカップの直前に渦巻いていたのはもちろん選手達も知っていました。
下馬評通りに大差で初戦の南アフリカ戦に敗れると、全てが水泡と帰す。

今回のワールドカップで、何としても南アフリカを打ち破る奇跡を起こし、ベスト8に入る結果を残さないと風前の灯となったワールドカップ日本開催の芽がつまれるどころか、日本のラグビー界、スポーツ界の火を消すことになる。

未来の子供達にラグビーの素晴らしさを伝えられなくなる。そんなことは生命を懸けてもあってはならない・・・。

選手達の想いはその一点のみで、全員がそこに命を懸け、国の威信と誇りと大切なものを守り、義を果たし、お世話になってきた方々に感動と笑顔を残す・・・。
そんな一点の曇りもない日本人のプライドを懸けた戦いとして、彼らはあの南アフリカ戦のフィールドに立ちました。

そんな理不尽で絶望的な状況にあることを全員が一言も漏らさずに、ただ目の前の勝利だけを信じて戦っていました。
そして手に汗握る興奮のるつぼの中で、マイケル主将がエディヘッドコーチの指示をくつがえして最後の大逆転のトライを狙う決断をしました。

彼らはその瞬間、師であるエディコーチを乗り越え、自分達の意志で奇跡の勝利だけを信じ切って最後のプレイに臨みました。そして彼らは世界中にその奇跡の勝利を実証しました。

この事実が全てのオセロの目をひっくり返し、最終的には徳俵(とくだわら)に足の指一本からの大逆転劇で2019年のワールドカップ自国開催の権利を南アフリカから引き戻すことができました。

こうした事実を知ると、彼らがいかにすごくてカッコ良かったか、さらに感じられ、本当に鳥肌が立ちます。
しかもそのことを彼らは黙して語らず、帰ってからもほとんど誰もが話していない。
何と潔く、忍耐強く、凛々しいことでしょうか。

一人一人のジャパンウェイの積み重ねがきっと夢の実現につながる…。

下町ロケットでは、とんでもない技術を持った下町の会社の社長が大資本の大手企業にゆさぶられ、不義理にされ、落とし入れるように仕組まれながらも、正義と夢と誇りを賭けて社員と共に奇跡を証明してみせる・・・。

「ワンフォアオール」(一人が全員のために)、「オールフォアワン」(全員が一人のために)のラグビー精神を、ビジネスというフィールドで発揮し、夢と希望を実現する。まさにこれがジャパンウェイ。本当にスカッとして、カッコイイですね。

でも実は、私達一人一人もきっと下町ロケットばりのユニークな才能、個性、技術などを持っており、それを、各々の世界でラグビージャパンの戦士のように一隅を照らして生きている。

その一人一人のジャパンウェイの積み重ねがきっと夢の実現につながる・・・。

そんな一人一人の力で2019、2020年のラグビーワールドカップやオリンピックを成功させたいものですね。

彼らに負けないように”ファイト”ですね(^_^)

Guts

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