発酵ナチュラリストTaccoの今日からはじめる発酵生活Vol.08
フルーツ酢(柿酢・ブドウ酢)
晩秋を迎える頃、近所の方から庭に実った柿をたくさんいただくことがあります。
食べきれないことがあったのですが、柿酢作りを知ってからは仕込みの簡単さと美味しさに感動して、毎年待ち遠しい季節となりました。
発酵を使った保存方法を知ると、今まで困っていたものを活用できる喜びと、発酵完成後に別の形となって再び出会える楽しみもあります。
柿酢もブドウ酢も作り方の手順は同じ。
果実を軽く水洗いをして、柿はヘタを取り、ブドウは房から外します。
あとはビンの中で果実を皮ごと潰して発酵させると出来上がります。
果実は完熟したものが理想で、潰した時に果汁がたくさんあると発酵中のカビ防止になります。
1週間から10日ほどは毎日1~2回かき混ぜます。
乳酸発酵してやがて酵母発酵に移ります。
アルコールのような香りがしてきたら、空気中の酢酸菌(お酢の菌)を取り入れたいので、フタをガーゼや布などに変えます。酸っぱい香りがしてきたら、果実と液体に分け、液体をビンに詰めて半年~1年ほど熟成させると完成します。
私は11月に仕込み、翌年の夏、7月頃に柿酢を水で割ってサワードリンクとして楽しんでいます。
レモン水のような爽やかな飲み物になり、天然発酵のクエン酸で夏バテ防止に欠かせないものになっています。
フルーツから作ったお酢はサラダのドレッシングなどによく合います。
ブドウ酢はお肉の煮込み料理などで使うと相性がいいですよ。
長期保存に自信がないときは、冷蔵庫の野菜室に入れてください。
低温でもゆっくりと熟成発酵は続けていきます。
血液をきれいにしてくれる効能もあります♪”柿酢・ブドウ酢”
■材料
●完熟した柿…… 3~10個(適量) または ●ブドウ ……1~3房(適量)
■柿酢・ブドウ酢の作り方
①完熟した柿(またはブドウ)を軽く水洗いをして、ヘタをとります。(※皮はむきません)
②清潔な容器(カメや梅酒ガラス瓶のような広口)に入れ、すりこぎやマッシャーなどでつぶします。
③ビンのフタは軽めに閉めて、1~2週間ほど毎日1回かき混ぜます。
④アルコールのような香りがしてきたら、漉して液体だけビン(細口瓶)に入れます。
⑤ガーゼなど、布でフタをして、空気中の酢酸菌を取り入れます。虫が入らないように周りをヒモやゴム等で留めます。
⑥お酢の香りが強くなってきたら保存瓶のフタに変えて、3~6ヶ月ほど常温で熟成発酵させます。
※夏や長期熟成には冷蔵庫に入れるとよい状態が保てます。
※果肉がある時の発酵は、毎日1回かき混ぜるとカビ防止になります。
※完成したら65℃のお湯で20分ほど湯煎すると、殺菌されて保存性が高まります。