発酵ナチュラリストTaccoの今日からはじめる発酵生活Vol.07
甘糀(濃縮甘酒)
新米の季節となりました。夏に太陽の恵みをたくさん浴びて実った稲穂は、主食だけではなく、糀にすると味噌や醤油、お酒などのいろいろな日本の発酵食品の土台となっています。
糀にはたくさんの酵素があり、でんぷんやタンパク質を分解して疲労回復にも効果のある必須アミノ酸を作り出してくれます。
お米と米糀を発酵させて作る甘酒は酵素やアミノ酸の宝庫ともいえるでしょう。
今回は飲む甘酒に使えるほか、料理やお菓子作りの砂糖代わりになる濃縮タイプの「甘糀」をご紹介します。
水分の多い甘酒を作ると、火入れして発酵止めをしても、甘みが続くのは10日ほどですが、濃縮タイプの甘糀は1ヶ月ほど続き、長く保存できて便利です。
2倍弱のお水と合わせて温めれば、飲む甘酒としても楽しめます。
作る時のポイントは、少ない水分と温度です。
糀の割合に対して90%のお水で仕込むのですが、最初の1~3時間は水分が足りないように思うかもしれません。最初の3時間は1時間毎に1~2回かき混ぜてください。
3時間ほどするとお米の糖化が始まります。
乾燥タイプの糀を使うときは、水を足すか、あらかじめボールに糀と同量の水を入れて1時間ほど戻すと生糀のようになります。
発酵には炊飯器の「保温」機能を使います。
発酵中は70度以上にならないように必ずフタを開けておきましょう。
6時間ほどすると濃縮タイプの甘糀の完成です。
ブレンダーして煮詰めてジャムに、滑らかにしてプリンに、白味噌と合わせて味噌床になど、様々なアレンジができますよ。
濃縮甘糀は長く保存できて便利。いろいろなアレンジも楽しめます♪”甘糀”
■材料
【塩糀】
●米糀(生) 500g
●水 約450g(糀の重量の90%)
※乾燥糀の場合は水を増やしてください。
■甘糀の作り方
①糀を手のひらですり合わせるようにしてほぐします。
②①に水を加えます。
③炊飯器に入れ、蓋は開けた状態で「保温」を押し、6~8時間保温します。最初の1~3時間は、1時間に1回かき混ぜます。
※フタを閉めると70度以上になり、麹菌が失活するので、必ず開けて
おきます。埃よけに布やザルを置いたりしましょう。
※炊飯にすると温度が上がりすぎるので、必ず「保温」で発酵させます。
※保存は冷蔵庫で1ヶ月。冷凍庫で6ヶ月を目安に使いましょう。
アレンジメニュー:甘糀味噌
甘糀200gと味噌250~300gを混ぜ合わせ、冷蔵庫で熟成させます。1週間ぐらいから熟成した甘糀味噌を楽しめます。
※保存は冷蔵庫で1ヶ月。
※柚子の皮を加え、煮詰めると柚子味噌ができます。