医食同源から医食農同源
TAO塾では、健康の基本は食であり、その食を支えるのは農と考え、東洋医学で言う「医食同源」を一歩進めて、「医食農同源」と呼び、無農薬農業の実践、そしてそれを食材にしたマクロビオティックのお料理教室を運営し、様々な代替療法のワークショップを開催している。
身土不二、土産土法、地産地消によりフードマイレージを少なくし、オーガニックな食と農を実践かつ啓蒙し、健康にも環境にもよいロハスな暮らしを提案している。
農が過てば、食が歪み、食が乱れれば身体が病む。
人の健康は、食を媒介に土や種の状態、そして空気や水を含めた地球環境の問題と深くリンクしている。
医と農の関連も、人は腸の絨毛から、そして植物は根の毛根から栄養を吸収することや、腸内細菌、土壌細菌が医と農それぞれにとって重要な役割を担うなど、相互に共通点が多いことは非常に興味深い。
農が過てば、食が歪み、食が乱れれば身体が病む。
生命、血液、大地はそれぞれ日本語の源である大和言葉では「いのち」「ち」「つち」と呼ぶ。
この三つに共通の「ち」は、言霊的には「根源的エネルギー」を意味する。
これを凝縮させて子孫につなぐのが「乳(ちち)」であり、人は「知恵(ちえ)」や「力(ちから)」に変えていく。
命(いのち)を支えるものは血(ち)であり、その元である食物を作るのが土(つち)である。医の基本は食であり、食の礎が農である。医食同源をさらに深めて「医食農同源」の見地に立つと、「ひとつらなりのいのち」の実相が観えてくるのだ。
我々のいのちを取り巻く「医」「食」「農」を見渡せば、様々な問題が山積している。国民医療費は、国家予算の三分の一を超え留まるところを知らず、食品の偽装表示、残留農薬、化学添加物、遺伝子組換え、放射能の土壌汚染と内部被爆、食糧自給率の低迷、TPPによる輸入増大、巨大農業企業の種の支配などの暗い現実が広がっている。
今こそ、我々のいのちを育む「医」「食」「農」をバラバラでなく、三位一体で捉える視点が必要だ。