自分自身の足で歩く
『子どもに大きな景色を見せる』ことを大切にしているチューリップルームでは、時折、山や海や川に出かけています。先日は電車を乗り継ぎ、一時間半ロマンスカーや貨物列車も見送りながら目的の駅に到着。そこから山登りが始まりました。電車の中では静。山登りは動。子どもにとっては静かにしている方が大変かもしれません。こんなきつい坂登れるのかしら?と思う大人も多い中、子ども達は登ります!疲れたとか、まだなの?とも言わずに。先頭に立つ年長男児は、目的地が近づいたことを知らせると「まだはやい~」「もっとあるきたい!」と本気で言っています。これは山の中、土の上を歩いていることが嬉しくて楽しくてしかたのないことの表れです。自分の力を身体ごと信じているのです。 頂上につくと、わ~~~!と見晴らしのよいところに走っていきます。海を見下ろすことのできるその場所は、上からは太陽が照り、海をキラキラと光らせています。それを見つめて無言でたたずむ子ども達。きれい、すごい、という言葉が聞こえてきましたが、言葉にできないほど心が動いているようでした。
子どもに大きな景色を見せるのは、自分の小ささを知るためです。山の上、海の前、星空の下・・・。大自然の中で人は生きていることを感じる。小さな私が大きな無限の可能性をもっていること。そして人生は山登りのようなもの。天候に左右され、一歩の積み重ねが頂上に着くこと。疲れたときに、手をつなぎ励まし合う友達はいると勇気づけられますが、歩いていくのは自分自身の足です。
3月は年度末で区切りのある時期ですね。また新しいステージが始まる方も多いことでしょう。子ども達は振り返らずいつも前を向いて生きています。大人たちも不安よりは希望をイメージしてきっとうまくいく。それができないときは、自然の中に身を置いてみること、何も考えない時間をもつことをお勧めします。きっと心が落ち着き安らぎますよ。
みんなで山登りしたよ! 頂上から海が見えました。