クリスマスがやって来る

長い間、百貨店のバイヤーとして働いていたので、
（もう、10年も前の話ですが、やっぱり）この季節になると、
クリスマスソングが気になります。

もちろん、いまはもう12月なので、
クリスマスど真ん中！みたいな曲こそふさわしいのですが、
商業施設では11月の中旬からクリスマス・モードに入りますので、
そのくらいの時期からクリスマス・ソングが流れ始めます。

当時、私の周りで働いていた人々は、
あまりにも長い間クリスマス・ソングを聞かされて、辟易してしまいがちだったのですが、
私ときたら、いつまでも、お正月が来てもまだクリスマス・ソングよ流れていてくれ、
みたいな気分で聞いていました。
ですから、もちろんクリスマス直球勝負みたいな楽曲も大好きです。
ただ、いつまでもその気分に浸っていたいので、
クリスマスという言葉が出てこない歌や曲も好きで、
（変化球も合わせて）そんな感じのものを集めてオリジナルのＣＤにしては遊んでいました。

まさか、その後、スピーカーを製造し、販売する会社を興すなどとは
微塵も考えていませんでしたが、
「演奏家のいない演奏会」などを開催したり、
大きなトレーディングフェアの会場全体の音響プロデュースを任されたりしていると、
その頃のＣＤをいろいろとアレンジしていたことを思い出します。

店頭に立って、たとえばスーツやコートを販売しようと意気込んでいると
ビートルズのクリスマスソングが流れ出します。

♪さあ、クリスマスだ、そうと望むなら戦争は終わるよ♪

ジョン・レノンのあの声が響き、
ポール・マッカートニーのストレートな朗らかさ溢れるワンダフル・クリスマスを聞いていると、
前のめりになって、今日は１００万円売るぞ、と意気込んでいた自分を見つめなおし、
「ただただお客さまに喜んでいただこう、だってクリスマスなんだから」
といった気分になるのです。

ビートルズって流石ですよね。