「命が調和している場を料理で作り出せればいい」。そうおっしゃる大坪さんは、”しあわせごはん研究所”。調理にはいつも”ビタミン愛”が加えられていました。
大分県在住の二児の父、大坪修さん。
共働きの奥さんを手助けするところから始まった大坪さんの家庭料理づくりですが、気がつくと大坪家を飛び出して、保育園の給食室での調理を任されることに…。
2012年9月、保育園経営をしている友人から、病休の調理師さんのピンチヒッターを頼まれた大坪さん。当初、2週間だけの短期のお手伝いのつもりがいつしか1年を越えることになりました。
そんな大坪さんにスタッフ堀場がお話を伺いました。
『月のしずく』はもうひとつの調味料。
『玄米元氣』は食材を美味しくするために。
成長期にある子供の身体を作るのは食事ですから、保育園の給食は子供の命そのものを預かるということ。
その料理に使う調味料は、いのちをつなぐもの、生きてるものを選びました。
自宅から焼塩『キパワーソルト』、丁寧に発酵させた醤油、味噌、みりん、そして『玄米元氣』。さらに料理の肝心要はお水なので『月のしずく』を持参しました。
自分の良心にそって行動し、園児の笑顔を見れてよかったです。
ご飯は毎回3升を炊きます。
園では子供達の食事時間がまちまちなので、冷めても美味しいごはんの炊き方を試しました。
まず洗米の時、洗う前の乾いたお米に、ほんの少しの『月のしずく』をからめます。
最初にお米に『月のしずく』を触れさせておいて、それから水道水で研ぐわけです。
これで糠臭くなることもなく、特にごはんが冷めた時に違いがよくわかります。
お米を研いだら、そこに『キパワーソルト』をひとつまみ。そして『玄米元氣』をシュッ。
ごはんの食べ残しがほぼないのが証ですね。
小さい子供ほど味覚にピュアなので、キレイに食べてくれます。
『月のしずく』は、「ゆの里」で体験した温泉やお水の話が深くて、実は最初、恐れ多くて料理には使えませんでした。
「ありがたくコップ1杯をいただく」という感じでした。
でもある時から、「ゆの里のお水がここに届いているということは、そのお水が来ているだけでこの場を整えてくれている」と感じるようになったんです。
それからは、料理という「場」を整えるため、そして『月のしずく』の持っているエネルギーをプラスするつもりで、仕上げにも少し加えています。
〝エネルギーを注ぐもうひとつの調味料〞みたいな感覚です。
『玄米元氣』は仕上げに使います。煮物とか、お浸しとか。
少量使うと素材の味がしっかりしてくるんですね。
塩味の代わりとか、薄味を意識してとかではなく、そこにある〝食材〞そのものを美味しく食べられるようにと願って使っています。
保育園の材料はけっして高価なものではありません。肉や魚は臭みもあるし、中には食感がよくないものも…。ですから丁寧に血抜きをするなど、下ごしらえがとても大切なんです。
まずは調理前の素材に『玄米元氣』をシュッシュッ。炒めものなら、炒めた後に余分な油は捨てて、仕上げにも『玄米元氣』をシュ〜です。これで、冷めても油っぽくありませんよ。
僕は素になってハートを出していいんだ。
子供に教えられ、僕自身が変りました。
園には発達障害と診断された子が何人かいます。
その子たちは、たまに教室を抜け出して、給食室へ来るんです。
ある時、彼らのハートに意識を向けたところ、ハートをひらいてくれたんです。
なんだ、言葉なくても心の会話ができてる。
この子達に、僕は素になってハートを出していいんだと教えられました。
それで、自分の心身を整え、居る場を調え、穏やかな気持ちで料理を作ればいい。すると、ほっとしあわせを感じられるごはんになる。みんなと和気あいあい、食卓を囲んでくれたらいいなと思って続けています。
お会いすると、そのやさしい穏やかな人柄に大人でもほっと癒される大坪さん。
園児が給食室に会いにくるのもよくわかります。
「嬉しい、楽しい、美味しい、しあわせを分かち合える食卓」がモットーだという大坪さんは、まさに〝しあわせごはん研究家〞でした。
調理にはいつも〝ビタミン愛〞が加えられているのですね。(スタッフ堀場)