色の専門家・草木裕子の色どりメッセージ (5)
2017年がスタートしました。
今年も素晴らしい一年になることをお祈りいたします。
新しい年を迎える時、初詣に神社へ足を運ぶ人が多いですね。
神社の鳥居と言えば木色や黒もありますが、赤が印象的です。
少し黄みがかった朱色は、暖色系の代表で、とても躍動感のある色です。
多くの人が集まり、新しい年の始まりで気持ちが高まってくるのが伝わります。
では、そもそも鳥居はなぜ赤に塗られているのでしょうか?
古来より、赤は魔力や災厄から守ると考えられてきました。
そして、朱赤の原料である丹砂(朱砂)は、木の防腐のために使われてきました。
これにも守る意味がありますね。
色の意味を解説する時に、赤は、「自ら戦って大切な人やものを守る」と伝えています。
能動的な色の赤には、外に向ける力を使うと言う意味があるからです。
だから、新年に見る鳥居の赤から、今年の盛況を願い、力を発揮できる気持ちになるのかもしれません。
赤で始まりのイメージを持つのは、私たち日本人は生まれたての子どもを「赤ちゃん」と呼び、生命の誕生を表すから。
お母さんのお腹の中から出て来て、明るい世界に飛び込むのです。
そして、無邪気で活発な子どもを黄色で表し、周りの人への思いやりや人との関わりの学びを表すグリーンを通って成長をしていきます。
やがて落ち着きを表すブルーの頃には大人になり、様々な色を経験してきた結果、自分の世界観を持つバイオレットの成熟期になります。
その後、還暦を迎える時(赤いちゃんちゃんこを着ると良いと言われていますが)、また赤に戻って再スタートです。
色相環を追っていくとそれがわかります。
自然界の色と同じように、人生も色相環のように変化していくことが自然なのでしょう。
みなさんにとって、今年は人生の何色の頃でしょうね。
ちなみに数秘と言う考えから2017年は、「1」の年。
今年は誰にとっても始まりを意識すると、大切なことに出会えるかもしれませんね。