「勤労(働きと存在)感謝」

「勤労(働きと存在)感謝」

ほっとメッセージ

神様からのギフト。母への最幸の勤労感謝の日になったと思います。

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?

食欲の秋、文化の秋。11月は文化の日や勤労感謝の日など行楽日和の月ですね。私事で恐縮ですが、兵庫の伊丹で一人住まいをしている私の母は、文化の日の11月3日生まれで、今年82歳になります。
鹿児島生まれで、小学校低学年の時に実母を亡くし、厳しい叔母に育てられ、人に甘えることができず人一倍心配性な人間として育ちました。
それゆえ、自由奔放でジッとしておれず、面白いことに突っ走る私を育てるのは、ものすごい修行?だったと思います。
そんな母に対して、子供の私は「大丈夫やから。心配せんでいいから。何とかなるから」。そんな言葉が口グセになっていきました。
29歳で独立し、会社が30周年を迎えた58歳の息子に対し、未だに「あんた会社、大丈夫なん?人様にご迷惑だけはかけたらアカンで」といつも言います。
母親にとっては、生んだ子供はいくつになっても小さな子供のままで、自分の分身のような存在なのかもしれません。母自身が実母の愛情をたっぷり受けとることなく育った分、子供への愛情は人一倍強く、それが心配性の気質を強めていったのだと思います。

そんな母でしたので、前回のほっとメッセージでご報告をさせていただいた30周年の記念パーティーにはどうしても上京して出席してもらい、私達の会社の軌跡と、素晴らしい方々に囲まれ支えられて仕事をさせていただいているところを、自分の目で見て安心して欲しかったのですが、体調と気恥ずかしさも手伝って、残念ながら参加できませんでした。
そこで、後日実家に帰って、パーティーの模様をまとめたビデオを一緒に観ることにしました。たくさんの素晴らしい方々からの有難いメッセージや祝辞を見て聞くうちに、母親の顔は何とも言えない笑顔に満ち溢れていきました。もうその笑顔を横で見ているだけで、私は本当に胸が熱くなりました。
心の中で「これでいいんや。お母さんが僕を生んでくれたおかげや・・・。ホンマにありがとう」。心の中でそんな言葉を母に投げかけていました。
ビデオをすべて観終わると、母はニコニコしながら私の顔を見て、「アンタよう頑張ってきたね。いい社員さんやいい方々に恵まれて・・・。お母さん、何か今すごい幸せやわ。もうこれで充分や。ありがとう」と言ってくれました。そんな幸せなコメントに、私も涙腺が切れそうになりました。
「お母さんが陰ながら支え、応援してきてくれたから、いい人達に支えられて30年もやってこれました。本当にありがとう。5年前に亡くなったお父さんの写真も胸ポケットに入れてパーティーに出ていたから、お父さんも一緒やったで。お父さんにもありがとうやわ」。そんな気恥ずかしい言葉のやりとりでしたが、母親も本当に嬉しそうで、この2人だけの幸せなひと時は生涯の思い出となる、神様からのギフトになりました。ある意味では、私から母への最幸の勤労(私を生み、育ててくれた働きと存在)感謝の日になったと思います。

元気で気丈な母に、未だに甘えているのは実は私達息子の方なのかもしれません。

元気で気丈な母に、未だに甘えているのは実は私達息子の方なのかもしれません。

次の日は、帰り際に玄関で「お母さん、昨日はありがとう。体に気をつけてね」と言って、母親の二の腕を掴んで体を支えようとしたところ、その腕がとても細くなっていて、「あっ、こんなに歳をとって、弱々しくなっているんだ」とショックを覚え、こちらが逆に心配になってきました。
そう言えば、私達兄弟2人が東京で暮らし、何不自由なく家族と過ごせているのも、母が一人で何とか気丈に元気に暮しているおかげ。近くに住む従兄弟夫婦やその子供達も気にかけてくれたり、体操教室の仲間とも語らったりして、何とか元気は保っていますが、やはり一人は淋しいはず・・・。でも口にはしません。そんな気丈な母に、未だに甘えているのは実は私達息子の方なのかもしれません。だから、できるだけ兄弟で交互に帰省して、淋しさとウサを晴らしてもらおうと話し合っています。

孫と水入らずで話すのが何よりの気付け薬。いいおばあちゃん孝行に。

ですが、母が一番元気をもらえる存在は、一人孫である私の娘の祐加(ゆか)かもしれません。
先日も、仕事で関西に行くという娘に「おばあちゃん、だんだん弱ってきている感じがするから、肩でも揉んであげてきて」とお願いして実家に寄ってもらいました。
「おばあちゃん、元気?」と娘が言うと、母は「早くお迎えにきて欲しいねんけど、まだ電車賃が足りんみたいで往きそびれてるねん」と大阪風のボケを入れながら、楽しい孫娘との会話が始まりました。
「おばあちゃん、私が料理を作るから、今日は一緒に食べよ」と言って、祐加特製の肉豆腐を一緒に食べることになりました。そして副菜のジャバラきゅうりを作っている時に、母が「祐加ちゃん、上手やなぁ。おばあちゃんも昔作ってみたけど、うまくできなかったんよ~。ちょっと切り方を教えてくれへん?」と娘に教えてもらったみたいでした。これもいいボケ防止に繋がりますね。「おばあちゃん、私、小さい時から美味しいものを食べさせてもらったり、自分で作ったり、教わったりしているうちに、ちょっとした料理で人が幸せになったり、仲良くなったり、自己承認できることがわかってきて、それが今仕事になっているの。独身の若い人や定年後のシニアの方、いろいろな理由で一人暮らしをしている人向けに『自炊レッスン』という実践型の食のワークショップを開いて、経済的にも健康的にもよくて、自分にも人にも楽しみを与えられるような自炊のコツを広めているんだよ」。
そう娘が話すと、母は「すごいなぁ、祐加ちゃん。おばあちゃんも一人やからたくさん作れないし、余らせるのも辛いから、祐加ちゃんがやろうとすることはとてもいいと思うわ。好きなことをして、人様の役に立って、喜ばれたら最高やし、いい仕事やね。おばあちゃんも嬉しいわ」と返してくれたそうです。
母にとっては、肉豆腐を食べながら孫と水入らずで話していることが何よりの気付け薬。いいおばあちゃん孝行になったと思います。食べるという文化は奥も深いし、人間の基本の営み。その食の文化で人を、おばあちゃんを、元気に幸せにできるようになっている娘の成長にも、驚かされました。
娘の勤労(働きや存在)にも感謝、感激するこの11月。いろいろな文化、価値観、そして様々な存在と働きという勤労に感謝できる月にしたいものですね。
おかげさま&ありがとうの日本文化に乾杯!

合掌

Guts

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