発酵ナチュラリストTaccoの今日からはじめる発酵生活Vol.09
お米の発酵飲料「ミキ」
「ミキ」は沖縄・奄美大島に伝わるお米の発酵乳酸飲料です。
今でも伝統神事で作られ、参加者に振る舞われています。
お米をお粥にして、さつま芋や麦芽、砂糖を合わせて発酵させるのが一般的ですが、地域によっては粟や糀を入れたりします。
沖縄地方は気温が高いので伝統的に砂糖を多く使用しますが、今回は砂糖を入れない作り方をご紹介します。
砂糖は発酵の活性をうながすので、お好みで大さじ1~3を入れても美味しくできます。
材料を混ぜ合わせ、常温で1~2日ほどおき、時々かき混ぜます。
3日目以降は冷蔵庫で保存します。
3日目から食べられますが、冷蔵庫に入れてもゆっくりと発酵して、乳酸菌の酸味が出てきて、7日目ぐらいがとても美味しくなります。
日々乳酸菌が増えていくので、酸味の変化を楽しんでみてください。
果物と合わせてスムージーにしたり、オリーブオイルと塩を合わせて発酵ドレッシング、塩と野菜を合わせて即席漬け、スープや煮物にも使えます。
また、お肉を漬けておくと乳酸菌の力でやわらかくなりますし、魚の臭み取りなど、料理の下ごしらえとしても大活躍します。
今月はミキの基本の作り方と、ミキを使った油淋鶏、油淋ソースのレシピをご紹介します。油淋ソースにもミキが入り、乳酸菌のおかげで味がまろやかになります。
長期保存に自信がないときは、冷蔵庫の野菜室に入れてください。
低温でもゆっくりと熟成発酵は続けていきます。
日々の食事に少しずつ発酵食品を!
■基本のミキの作り方
【材料】
●白米…1合
●水…………800cc(4カップ)
●さつま芋……60g(皮をむいてすりおろす)
●(お好みで)砂糖大さじ1~3
①白米を洗い、お粥を作ります。(炊いたご飯を鍋でお粥状に煮ても良いです)
②①のお粥を30℃ぐらいまで冷まします。
③さつま芋をすりおろして、②に入れて混ぜます。(お好みで砂糖を加える場合はここで加えてください)
④清潔なビンに入れ、1~2日、常温に置きます。(1日に1~2回かき混ぜます)
⑤冷蔵庫に入れて、酸味がでるまで熟成させます。
※賞味期限は2週間ほどです。
■ミキを使った油淋鶏(ユーリンチー)の作り方
【材料】
●鶏もも肉…1枚(約360g)
●塩…大さじ1
●ミキ…100g
●片栗粉…適量
●油…適量
<油淋ソース>
●長ネギみじん切り…大さじ2
●しょうが・にんにくみじん切り…各小さじ1
●ミキ…大さじ2
●酢…大さじ2
●しょうゆ…大さじ2
●砂糖…大さじ1
●ごま油…大さじ1
①鶏の胸肉の厚みがあるところに切り込みを入れて、厚みを均一にします。塩を擦り込み、ミキにつけておきます。
②油淋ソースの材料を合わせます。
③鶏肉のミキを軽く取り、片栗粉を全体につけます。
④フライパンに油を入れ、揚げ焼きにします。
⑤食べやすく切って皿に盛り、熱いうちに②をかけます。