第四話 円でないかい♪
「円(えん)でないかい、円でないかい♪」
アマテラスオオミカミが天の岩戸にお隠れになり、世の中が真っ暗になってしまった大ピンチのときに、八百万の神々がやったことは、なんと宴でした。
歌って踊って笑って、アマテラスさんも気になるぅとお出ましになった魅惑の宴会ですが、そのとき神さまたちは円になっていたんじゃないでしょうか。円座で円会です。
踊っていたのは、円舞曲(ワルツ)ではなかったとは思いますが。ズンタッタ~♪
円が好きな人は多いと思います。
どこから見ても同じ形で、一周すると元に戻ってつながるので、完全完結を感じさせるからでしょうか。はい(YES)とか正解を表すときも、円(丸)を使いますよね。
曲線だけでできているのでなめらかで、角がないから角も立ちません。過度に角を立てないのが円い心、ということになるでしょうか。
まろやかな心は、まる(円)やがな。
日本人にとっては、お金(の単位)も円です。ほら、円が好きな人は多いでしょう?
金は天下のまわり者という言葉どおり、お金は世の中をぐるぐると円く回っています。自分のお金は自分のものと思いたいところですが、実際はぐるぐる回る途中に自分のところを通るだけ。だから通貨(通過)と言います。日本では、それがちゃんと円で表されている。見事なネーミングですね。
本来は円く回りながら生活をなめらかにしてくれる円のはずなのに、お金で角を立てたら本末転倒。殺伐としたら札×(バツ)ですよ。円やかに使うのが効果(硬貨)的です。
角がとれて円くなると、円熟味も増して、いつも円い心で満たしていくと、いろいろなことが円満になります。
円は輪でもあり、和にも通じます。円で和が生まれるのがこれまた、ええんやわ~。
縁の中で円を使って回して、円い心で円満の和を広げて楽しむと、えんでないかい?