第1話 「寄り添う」

絵本のチカラは効果抜群、副作用なし…

はじめまして。
絵本のソムリエ岡田達信です。
絵本のチカラを借りて人をつなぐ「絵本セラピー®」というプログラムを広めています。

「絵本」というと、子どものためのものだと思うかもしれません。でも一度試して頂きたいのは、昔読んだ絵本をいま読んでみるということです。
何を感じるでしょうか。大人だからこそ読み取れる登場人物の気持ちだったり、自分の体験を重ねて何かを思い出したり、人生訓のようなものを感じたりと、子どもからは絶対に出てこない感想や感情がわいてくると思います。大人と子どもの絵本の読み方はかなり違います。私は大人の様々な反応を見てきましたので、大人ならではの絵本の世界をご案内したいと思います。
絵本は「絵を読む本」です。このコラムを読んで、気になった絵本はぜひ手に取って、じっくり 絵を見てくださいね。

4月の一冊 ねこの看護師ラディ
渕上サトリーノ 作 上杉忠弘 絵 <講談社>

ポーランドで実際にあった話を元にした「ねこの看護師ラディ」の物語。

ポーランドで実際にあった話を元にした「ねこの看護師ラディ」の物語。

物語

ラディが動物保護施設に連れてこられた時、誰もがもう助からないと思いました。ところが奇跡的に回復し、ラディは施設で暮らすようになります。ある時、大けがをした犬が運ばれてきます。
ベッドで苦しそうに横たわる犬に、ラディはそっと近づいてぴったり寄り添いました。
震えていた犬は落ち着いて眠り始めました。
それからラディは、どんな大きく怒っている動物にも平気で寄り添って、穏やかな気持ちにする、ねこの看護師になったのです。

ソムリエのひとこと

ラディは病気やけがを治せるわけではありません。 ただ寄り添っているだけです。
絵本も同じです。何かを解決してくれるわけではなく、何も言わずに寄り添っていてくれるだけ。
心が疲れた時に絵本を開いてみてください。
あなたの心の看護師になってくれるかもしれません。

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