第5話 竹布にとって大きな大きな発見。

第5話 竹布にとって大きな大きな発見。

河の流れように

記念すべきTAKEFU第1号商品のボディタオル(ノーマル)を発売したのが2001年の秋。
それから今日の2016年に至る15年のもの作りの歴史。
さあ記憶を紐解きながら遡上の旅を始めてまいりましょう!

開発者 相田雅彦のTAKEFU(竹布)製品開発の軌跡【第5話】

竹布にとって大きな大きな発見。

■竹のストール& 毛布

2005年の1月、私たちは2つの商品を上梓しました。

1つは、フリンジの付いたストールです。この時の商品カタログの文章を書き写してみますと、「夏は冷房対策に。冬は寒さに負けないために。一年を通じて使えるストールです」と表現してあります。

フリンジはあれど、色は生成、定価は5,000円、全くファッションのアイテムとして提案していないことがよく解ります。

次いで、ほぼ同時に発売したのが毛布です。大人用とベビー用の2サイズがありました。この製品は竹布にとって大きな大きな発見にとつながりました。

2004年の秋に試作品が上がり、私はすぐに試用をしました。
当時は毎日が終電での帰宅でしたので、食事と入浴を済ませて、布団にもぐり込むのがだいたい夜中の1時か2時頃でした。

私はどちらかというと睡眠時間が長い方で、最低でも6時間は眠っていました。
ところが、竹布の毛布に包まり眠り始めてから不思議な事が起こりました。

それは、1時に寝ても2時に寝ても朝5時になるとまるで8時間眠ったかのようにスッキリと目が覚めるのです。
私はそれが一週間続いた頃、体調が大変良くなっている事に気が付きました。
わずか3~4時間の睡眠しか取れていないので、常識的な判断では慢性の睡眠不足という事になるはずなのですが、本人は実に軽やかです。

つまり短時間で熟睡が出来て疲れが取れているという事ですね。

何故なのだろう、何が従来と違うのだろうか?と私は考えました。

竹布の毛布を掛けて眠ると従来のものと比較して格段に違うと感じたのは熟睡度でした。

そこでハッと気が付いたのが静電気?というヒラメキでした。

そこで日本紡績検査協会に静電気の検査を依頼することになりました。
その結果は、ポリエステル(フリースなど)やウールが3500V、シルク1700V、綿1000Vのところ、TAKEFUは82V、さらに検査1分後にもう一度測るとわずか3Vという数値が出ました。

つまり、TAKEFUにはほとんど帯電しないという事が解りました。
それに対し、合成繊維のフリース(ポリエステル)などには、恐るべき静電気が摩擦の度に帯電していくことが判っています。

私は静電気の身体への弊害を調べてみました。
その結果に私は狼狽しました。

何故なら最も静電気が帯電しやすい素材の一つであるフリースがベビー用品に多用されている現実に気が付いたからです。
赤ん坊の体と心の成長に大きな影響を及ぼす可能性があると感じたからです。

私は工場にベビー毛布を優先的に作るように指示を出しました。
起毛している為に繊維が抜けやすかったりと、問題もあった製品でしたが、その肌に触れた時の心地良さは比類なく、私は毎朝5時に目覚め、着ているパジャマを全て脱ぎ全身素肌で包まりたい衝動を抑える事が出来ないほどでした。

その製品も、生産の余りの難しさに工場が遂には悲鳴を上げ、止む無く生産終了した伝説の商品となりました。

河の流れのようにカテゴリの最新記事