Chapter10 発酵する生き方-その2

Chapter10 発酵する生き方-その2

違いが個性

発酵料理教室を始めたのは、知り合いに「山奥にある自然食の宿にいたんだったら、発酵料理とかやってたでしょ?」と言われ、当時流行っていた甘酒や塩麹の作り方を教えてほしいと頼まれたのがきっかけでした。発酵料理関係の本を読んでみると、甘酒や塩麹に使う麹の量が本によってまちまちです。なぜその割合なのか、目的によって変えるものなのか、あまり書いてありません。またレシピには「麹」としか書いていないのですが、同じ「麹」でも、造る蔵や会社によって全然違う味だということにも気づきました。 だから、みんな同じレシピ本を見て「甘酒」や「塩麹」を作っているつもりでも、全然違う味のものを作っているんですね。
麹菌を提供する種麹屋さんは、酒蔵系と味噌蔵系で麹菌を変えて提供していたり、それぞれの蔵にいる菌の種類や数、もしくは添加する菌によって出来上がった麹の味わいが違ってきます。それがお酒や味噌などの味の大半を決める要だから、基本的に発酵蔵は自分の蔵で麹から作ります。それがその蔵の味であり、他とは違う個性になります。そして、食べたもので身体は作られ、心身は連動しているので心にも影響して、人の違いや個性にもつながっていくんだと思います。

なので、ボクの発酵料理教室では、いろいろな麹を食べ比べることで自分の好みを知ったり、甘酒や塩麹など目的に応じて麹の種類や割合を使い分けるというようなことを提案しています。たとえば、 甘酒が嫌いだと思っていたけど 、お寺などで配られる酒粕をお湯に溶いて砂糖を加えた甘酒ではなく、お米と麹だけで作る甘酒を飲んだら、こんなにおいしいものだと知らなかったとか、それでもあまり好きな味ではないという人でも、麹を変えるとおいしいと言われたりします。 ぜひいろいろな麹で味くらべをして、自分の好きな味に出逢ってもらいたいと思います。
今回は麹とは関係ありませんが、最近ハマっている「発酵塩レモン」の作り方をご紹介します。野菜の塩もみに使ったり、ポテトサラダに入れたり、炒め物に入れたり、アイスなどに少しかけたりなど、あらゆるものに使える万能調味料です。

発酵塩レモン

材料

●レモン1個(国産の防腐処理していないもの)
●瓶(煮沸消毒して乾かしておく)
●粗塩

作り方

①レモン1個を薄く切って、種を取り除く。
②皮ごとみじん切りにする。(その方が使いやすい)

発酵塩レモン

③まな板の上のレモン汁ごと瓶に移す。
④粗塩をレモンの重量の15%入れ、蓋をしてよく振る。(蓋が金属の場合は蓋と瓶の間にラップをかぶせる)

発酵塩レモン

⑤毎日、朝と晩によく振って10日~2週間くらい常温に置くと発酵してくるので、白濁してきたら味がまろやかになり完成。
⑥冷蔵庫に入れて保存。3ヶ月くらいをめどに使い切る。

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