〜NHKスペシャル「腸内フローラ解明！脅威の細菌パワーに学ぶ〜「人類は、一緒に生きていく細菌を選んで腸に棲んでもらっている。腸内細菌は相互扶助しあう偉大なパートナー」そう教えられ、なんだか自分のお腹が愛おしくなりました。

がん、糖尿病、肥満、アレルギーなど多くの現代病で、これまで考えらなかった〝腸内細菌〞との関係が見つかっているといいます。
その研究はすでに治療にも使われていて、今後の医療に大きな進歩を導く可能性がある…。
そんな驚きの番組が先日「ＮＨＫスペシャル」で放送されていました。
とても興味深い内容でしたので、番組から学んだことを少しご紹介させていただきます。

腸内フローラ解明！脅威の細菌パワー

人の皮膚や口の中、腸には細菌が棲み着いています。
とりわけ最も多い腸には100兆以上の細菌が棲み、それら細菌の生態系の全体を「腸内フローラ」と呼びます。

フローラとは「お花畑」の意味。個性豊かなお花たちが腸の中で咲き誇っているのです。
人の腸に棲む細菌はおよそ200種類。腸内フローラは人によって異なり、その人の腸内フローラは日々多少の変動はあっても大きくは変化せず、生涯そのタイプを保つのだそう。

今、最先端の遺伝子科学の解明の結果、新しい菌の発見も相次ぎ、全身の健康に影響を与えていることがわかってきたと言うのです。

肥満を防ぐ菌、ガンを引き起こす菌…　
腸内細菌の解明は医療を次のステージへ。

完全無菌状態でつくられた特別なマウスに、肥満の人の腸内細菌とやせた人の腸内細菌を移植して脂肪の量の変化を見ます。すると痩せた人の菌を移植したマウスは痩せたまま。

肥満の人の腸内細菌を持ったマウスは太っていきました。
この実験から、肥満の人は腸内に「バクテロイデス」という菌が少ないことがわかったのです。

これが余分な脂肪の取り込みを防ぎ、脂肪を燃やす働きをもたらせていました。

バクテロイドスを増やすには、腸内細菌のえさとなる食物繊維をたくさん食べること！
ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、納豆や大豆など豆類を意識して多く摂ることがオススメです。

ガン患者から便を集めて腸内細菌を調べるプロジェクトでは、ガンを引き起こす腸内細菌を遺伝子検査で見つけました。

「アリアケ菌」と名付けられたこの細菌が放出する物質によって周囲の細胞が老化し、ガンを作ることがわかってきました。

また肥満になると「アリアケ菌」が大幅に増えることが突き止められています。
それは肥満がガンに関係する大きな発見になりました。

腸内環境の変化でガンを予防できれば、素晴らしいですよね！

米国では、難病を持つ人に健康な人の腸内フローラを移植する最新治療も行われているとか。
腸内細菌は医療を次のステージに引き上げてくれる可能性を秘めているのですね。

性格やコミュニケーションも!?
腸内細菌は人の脳にも影響を。

さらに驚くのは、不安や恐怖、幸せや喜びなど、脳で生まれている感情、性格まで腸内環境が関係しているという話です。

臆病なマウスと活発なマウス。互いの腸内フローラを交換するという実験では、なんとその性格が逆転してしまいました。

腸内細菌は人の脳にも影響を与えるのでしょうか？

またコミュニケーションにも腸内細菌が作る物質が関係していることが判明しています。
うつ病の治療に腸内細菌を使う研究も始まっていて、腸内環境を変えるだけで心の病が改善される人がいます。