こよみ屋の時間って何だろう?その5
Time is money.からTime is art.へ
暦(こよみ)の語源は「日読み(かよみ)」と言われています。
カレンダーの役目である「日を知ること」そのままの意味ですね。
一方、英語のカレンダーは、「叫ぶ、宣言する」という意味のラテン語のcalendaeに由来します。古代ローマでは司祭が「新月が見えた!」と叫び、人々に一か月の始まりを宣言していました。
その他に、カレンダーの語源にはcalendarium「帳簿」という意味があります。
古代ローマでは、利益の計算、利息の支払いが朔日ごとに行われていたため、「朔日」「帳簿」の両方の意味から「カレンダー」になったとも考えられます。
現在も毎月の給料や税金等の支払いはカレンダーによって管理されているように、お金とカレンダーは深く関わっていることが分かります。
「タイム・イズ・マネー 時は金なり」という言葉は、もともと「お金と同じくらい時間を大切にしなさい」という意味で使われていました。
ところが21世紀の現在では、お金や物質の豊かさを世界中みんなで追い求め、何もかもお金で換算する世の中になってしまったのではないか…と思えてしまいます。
「13の月の暦」の提唱者ホゼ博士は、「タイム・イズ・アート 時は芸術なり」と言い換え、自然と調和したカレンダーを使うことの意義を世界中に説いてまわりました。
西暦のカレンダーには自然のリズムが反映されていないため、人間中心の考えで物事が進み、効率を重視するあまり、タイム・イズ・マネーという忙しい時間に私たちを向かわせるようです。
2016年のお正月、新しい時を迎えたこのタイミングで、今一度、暦や時間について考えてみてはいかがでしょう。
日本の暦は文字通り「今日という日を読んでいた」と考えると、私たちは「自分の毎日の時間を、自分で読み解いていく」そんなこともできるのではないでしょうか。
今年一年、暦に意識を向けて、ぜひ自分の時間をアートにしてください。