「目を覚ませ!」

「目を覚ませ!」

ほっとメッセージ

「目を覚ませ!」

暑中お見舞い申し上げます。

夏休みに、暑さを避けて森林や渓流の涼しさを味わえる田舎や、自然あふれる避暑地の旅に出掛けている方も多くいらっしゃると思います。

山歩きをして汗ばんだ体と乾いた喉を潤す天然の湧き水の冷たさは格別な味わいがありますね。そのまろやかさと何とも言えない美味しさに、まるで生き返ったような感覚を覚え、思わず顔を洗ったり、手足を水に浸け、心地良い冷気を感じながらしばし時を忘れる。
そんな至福のひと時を過ごしたことのある方もいらっしゃると思います。

森の神、水の神が怒号をあげているように思えてなりません。

実は、地球という生態系や、その極小モデルである人の身体という生態系にとって、大自然の持つ天然の水の働き、力、情報は、今とても重要な価値を持つものになっています。
今回は、私達が知ったような気になっている水の常識を覆す「お水の本当の真理や働き」を気づかせてくれる「ゆの里」の重岡昌吾社長から教えていただいたお話の一端を、私見を交えてお伝えしたいと思います。

ここ数十年、地球温暖化問題が叫ばれ、CO2削減の目標など企業も家庭も様々な節約や自助努力を余儀なくされています。もちろん、それは尊く重要なことだと思いますが、重岡社長曰く、「地球温暖化の一つの大きな要因は、人間が水の自然の循環摂理を無視して川を堰き止め、ダムを作り、意味のある川の蛇行をコンクリートで平坦、直進、無機質に固めて、工業、農業、生活などにも便利に放水、用水できるように造り変えてしまっていることです。

本来ならば、天然の川の水は蛇行しながら様々な岩や石、砂利などの凹凸に当たることによって無数の大小の渦ができ、また、山肌の傾斜によって落差や緩急が生まれます。そうした水の循環、渦、動静が外気を巻き込み、淀んだ空気や熱気を冷やして温暖化を阻止し、バランスをとっていました。そんな自然の摂理を、良かれと思って度外視した結果、起こっているのです」。

何とも身につまされるお話ですが、まさか自然の水の循環が天然のサーモスタット(温度調整)の働きをしてくれていたとは・・・。

私達現代人は自分達の便利さや目先の損得、効率などを最優先するばかりで、実は自分達の一番の味方で、その生活をバランスよく快適に護り、分かち合ってくれている自然の恵み、恩恵を忘れてしまっている・・・。
その因果の報いが自分達にふりかかって熱中症におびえているのだとしたら、大自然から見たら本末転倒、自業自得の悲劇か喜劇にしかならないですね。

その上、CO2削減対策として山肌を削って大規模な太陽光パネルの設置が全国で進められていますが、森林伐採された山の水の循環や貯水が大きく乱れ、予期せぬ山崩れや土砂災害があちこちで起こり、本当に悲劇的な出来事が起こっていることを考え合わせると、森の神、水の神が人間に「目を覚ませ!」と怒号をあげているように思えてなりません。

私達の無知や独善で、母なる大地を朽ちた姿で将来の子孫に残していくことは一番の悲劇。

先人達が自然の声、気配に耳を傾け、様々な天変地異や自然災害を乗り越えながら学び、気づき、身につけた「自然を護りながら生かす英知」が今や失われ、果たして人類は進化しているのだろうか?と疑わせざるを得ません。

最近とある映画を観て、私達の近くの杜や緑の多い公園、神社や寺院で起きていることを知り、愕然としました。

その映画は「杜人(もりびと)」という環境再生医の矢野智徳さんを追いかけるドキュメンタリーで、環境保全意識の高い方々が口コミで広めている映画ですが、ぜひ一度はご覧になっていただきたい映画です。

要約すると、ここ何年、何十年かで、街や村にある街路樹や、公園や自宅のまわりにある古い木々が原因不明の害虫に侵され、朽ちていつ倒れてもおかしくない状態になっている・・・。
矢野さんはその現場の空気の流れや気配、水の溜りや循環を長年の経験と直感、肌感を元に、それらの木を次々と他の場所に移植したり、枝を大胆に切って光や風を通し、水捌けの悪い所には小さな穴をいくつも掘って竹炭や落ち葉などを入れ、地表、地中の水の循環を蘇らせることで見事に大地を蘇生させ、自然も人も歓ぶ心地の良い場へと変容させていきます。

それはまるで、鍼灸・整体の優れた施術者が病んだ人の顔を撫で、肌を触り、息づかいを感じて、気・血・水の流れの乱れや滞りを見極め、ツボに針を打ち、手を当てて調整していくと、みるみるその人の血色が戻り、覇気が出て、本来のその人らしさを取り戻していくプロセスと本当によく似ています。

大地にも、気・血・水、即ち空気や栄養、水の循環がとても大切で、それらによって大地が呼吸し、微生物が活発になり、地に栄養物と水が循環し出すと、大地が本来の自然の持つ力を取り戻して元気になっていく。こう言った考えや実践が人や自然の生態系を良くして、お互いが共生し合う豊かな日本、地球になっていく一番の早道なんだとつくづく思います。

デザインや効率先行で次々とコンクリートの建物を建て、大切な森を伐採して駐車場や商業施設などを造り続け、大地の呼吸や水や光の循環を妨げ、知らず知らずのうちに本当に重要な身近な木々を朽ちらせていく現実。

先人達が直感的、経験的、慈愛的に未来の私達を想い描いて、大切に育んできてくださったこの母なる大地を、私達の無知や独善で将来の子孫に朽ちた姿で残していくことは、やはり一番の悲劇かと思います。人類が進化してるとはとても思えません。

事実を知り、いかにして自然の循環を蘇らせていくかを考え、実践していくことが大切。

森の神、水の神がこうした事象を通じて「目を覚ませ!」と訴えかけているとしたら、まずはこの事実を知り、身近なところからでも、いかにして自然の摂理に基づいた気・血・水の循環を蘇らせていくかを考え、実践していくことが大切なんだと思います。

例えば、自分という生態系においても、心身の気・血・水が澱まないように、できるだけ天然のミネラル、エネルギーバランスのいい水を摂り、新鮮で慈味深い、栄養のある食事を摂り、換気を良くして、時に散歩しながら朝夕の新鮮な空気を吸って深呼吸することで、自分の中の水と空気とエネルギー(栄養・光)の循環を再生、維持、向上させていくことは自覚的にできると思います。

これからは「水の循環」がキーワードです。

暑さで熱中症が心配ですが、自分の生態系を護るために、まずは自身の”環境再生医“となって、ぜひ、いい水の循環を意識してみてくださいね。

合掌

Guts

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