連載10 「相手と自分を信じること。それが寄り添い、見守ることなのです。」

連載10 「相手と自分を信じること。それが寄り添い、見守ることなのです。」

“見守る”大切さ

コロナウイルスでいつもとは違う日々を過ごしている方も多いかと思います。
初めてのこと、わからないことに人は不安を持ちます。ただ自分ができることと、そうでないこともあるのだと自覚ができれば、不安が不満や不信にならないのではないでしょうか。
今あるもの感じ、自分にできることを考え行動していきましょう。
“子どもの気持ちに寄り添う”と言われることも多いこの頃ですが、寄り添いすぎて余計なことまで・・・と思える場面も見かけます。
例えば転んで痛がっている時、「痛かったね」と気持ちに寄り添い声をかけることはよいのですが、走ったから転んだんだね(原因を追究)、ここに石があったからだね(他に責任を探す)、今度はどうしたらいいのかな?(反省を促す)と、幼い子に大人が次々に言葉を投げかけるのは、頭で考えるという概念を植え付けてしまうのです。
感情とは感じる心。子どもが感じる前に大人が言葉をかけるのは、お手付きです!(笑)
今この子は何を感じているのだろう、目や表情、体全体で大人も感じて、じっと待つ。これが寄り添うと並行してある“見守る”大切さになります。それがないと感じる心が育ちません。感じ、考え、行動、の順がよいのです。

これは大人でも同じです。我が家の長女は中学の時に不登校でした。近しい友達は何も言いませんでしたが、関係性が薄い知り合いからは、何が原因なの?誰のせい?これからどうするの?と、不登校になったことに興味津々・・・好奇心ですかね?と思いました。
正直嬉しくはありませんでしたし、本人のことを考えてくれているとも思えませんでした。原因も傾向も結果もあるかもしれない。でもそれを感じ決めるのは本人で、周りがいうことではないのです。数年後に彼女は言いました。「ママが悲しまなかった、あなたは大丈夫って、だから自分もそう思えた」と。
心の扉を無理開けようとせず、相手と自分を信じること。それが寄り添い、見守ることなのです。

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