連載5 想い、想われて。共に生きているという瞬間が心を満たしてくれます。

連載5 想い、想われて。共に生きているという瞬間が心を満たしてくれます。

人を想い、人に想われる

チューリップルームでは、体、頭、心をたくさん使って過ごしています。
体を作るために一時間くらいは平気で歩きます。どんなに歩いても、公園につくと、子どもたちはポップコーンがはじけたように走り出します。
通称「お山の公園」は入り口から急な坂道。「ついた~」と急ぐ子どもたちの中で、出遅れた年中さんのM君。一番になれなかったからか、坂道ダッシュがきつかったからか、急にしゃがみました。あれ?転んだわけではないよね・・・と様子を見ていると、後ろから来た2歳児のS君。「どうちたの?ころんじゃったの?」と心配そうに声をかけました。M君は黙ったままそれを聞いてうつむいています。そして、反応がなくてもそこにある空気はあったかいものでした。
仲が良いわけでもなく、週に3回、5時間一緒に遊んでご飯を食べているだけなのに。
4月から入ってきて、まだ一年も経たないのに、S君は独り立ち、2つ年上のM君に気遣うことができる。

嬉しい驚きでした。みんなでいるから、友だちに興味を持ち、出来事を見て心を動かし、声をかける。一番小さな0歳児さんでも、年長のお兄さんが転んだ時は、心配そうにのぞき込む姿が見られます。人は一人では生きていけないから、心配したり助け合って生きていくことが、DNAに組み込まれているのでしょうね。
だとしたら、やさしくしなさい、というよりも、子どもの中で育ちあう環境を用意することが必要なのかもしれません。
私は今、大人の友達、仲間、同志が沢山できるようになりました。年齢でも会う回数でもなく、こころ重ね合える人達。それは何よりも私の財産です。
人を想い、人に想われる。共に生きているという瞬間が心を満たしてくれます。
チューリップルームの子どもたちは、幼い時から大人の介入無しに自然にその世界を作っています。目には見えない根を下に伸ばしていく。人生万歳!

ミノムシを作って作品展に出しました♪
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