ジョン・オレノ・フラゴナール
「ぶらんこ」(1768年頃)
ウォレス・コレクション(ロンドン)所蔵

フランスのロココ絵画「ぶらんこ」は、ジャン・オレノ・フラゴナール作。彼は自由奔放な表現が特徴です。これは王立絵画彫刻アカデミーの会員ではなかったからで、このような官能的な絵を描くのも許されたと言われています。
ロココ時代(18世紀)は、フランス王ルイ14世の頃で、貴族趣味と言われる華やかな芸術が栄えた時代です。貴族男性のファッションは白が流行し、カツラをかぶり、化粧をしていました。その男性の白のファッションにマッチするように、女性のドレスではピンクを含むパステルカラーが好まれたのです。

イアサント・リゴー
「ルイ14世の肖像」(1701年)
ルーブル美術館所蔵
この頃までの絵画には、このようにピンクの衣服を身に纏うというのはあまりなく、ピンクというよりは、人の肌の色を表現する際に、白と赤を合わせて使うローズ色。血色の良い肌の色として使われていました。
この絵は、当時の貴族社会の恋愛事情(女性は結婚して、後継の出産後は自由な恋愛、浮気を楽しんだ、と言われています)を表していることから、批判が多かった作品ですが、その頃の様子がよく表れている風俗画です。
左の下に描かれている男爵が注文主。中央でブランコに乗っている女性が、その男爵の愛人。そして、右下の年配の男性が女性の夫で、ブランコを揺らしています。なんとも皮肉な役割です。また、左やブランコの下の天使も「見て見ぬふり」という感じ。
ドレスのピンクと庭園のグリーン。ちょっと秘密だけど、恋って楽しいね。
女性のドレスのピンクからは、家族愛などのレッドではなく「恋愛」という意味を感じ取れます。そして、レッドに白がプラスされた明るい色と考えると、「もっと今を理想的に、自由に」という意味も醸し出しているのでしょう。
また、このピンクが、補色である庭園のグリーンで囲まれているのは、どこかしら「ちょっと秘密だけど、恋って楽しいね」というメッセージではないでしょうか。
貴族の肖像画などとは違うおもしろさを感じる作品だと思います。







