11月の空は高い。そう思いませんか。しかも澄んでいます。
私たちを取り巻く環境の中で(というほど大袈裟な言葉を使うまでもなく)、
一番の面積または容積を占めているものに、
神様はなんと美しい色を選んだことでしょう。
海も空も青。私たちはまさしく青に包まれて生きています。
さまざまな青のヴァリエーションの中でもひと際美しいのが、11月の空の色だと思います。
先ごろ、アメリカの天文学者たちが20光年離れた場所に、
地球によく似た惑星を発見したというニュースがありましたが、
その星を担当した神様はどのくらい配色に気を使っているのでしょう?
これほど絶妙な青の配合を施したでしょうか。
青のヴァリエーションと言えば、
私の座右の書にはそれこそさまざまな青が登場し、
中でも漆黒の闇に近い深い深い青には目を見張ります。
その本とはあの偉大なデザイナー、
チャールズ&レイ・イームズ夫妻が制作した
「POWER OF TEN」という映画のフリップブックです。
ミシガン湖畔にピクニックにやって来た男が気持ちよさそうに昼寝をしています。
彼の手の甲から10m離れ、10の2乗の100m離れ、
10の3乗の1000m離れ、と写真は猛烈なスピードで彼から遠ざかり、
7乗では北アメリカ大陸が見え、10乗すると、すでに太陽系規模になり、
22乗すると他の星雲から銀河系を眺めることになります。
一方、マイナス2乗、4乗と進んでいくと、私たちはミクロの世界に入り込むことになり、
10のマイナス10乗の世界では、すでに一度見てしまった景色がそこにあります。
宇宙の青い闇が、私たち体内の細胞の電子の中に、同じ景色が広がっているのです。
このフリップブックをパラパラとめくっていると、大概の事は受け入れられます。
私たち自身が宇宙の青だと確信するからです。
Miura Music Collection 11月のおすすめ
ナデージュ
『SAVEURS』
11月の高い空から澄んだ風がやってきて、新しい朝が始まる。そんな気分のNADEGE(ナデージュ)の
『SAVEURS』をお薦めします。
ヴォーカルの美しいウィスパーボイスを聞きながら、澄んだ風に身を任せてみてください。