雑誌やYouTubeで本や著者の紹介を連載しているサトケンが、あなたの中にすでにあるものを思い出し、生きる歓びを見出す本とのご縁を繋ぎます。
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ソウル・オブ・マネー
リン・トゥイスト(著)/牧野内 大史(訳・監修)
<ヒカルランド>
本当の豊かさは心に宿る
最近「豊かさ」や「幸福」にまつわる話や書籍が続々と増えています。
すでに豊かで幸福であれば必要を感じないはずのことが、渇望するように求められているのはどうしてか、「資産家」といわれる方々すら心が病んでいるのはなぜなのか、財産とは、富とは?消費されることなく、枯渇することなく、永遠に役立ち続けるお金の使い方と、人生に革命的な変化をもたらす可能性を示唆する本を今回はご紹介します。
著者のリンさんは、お金との調和した関係を築くための教育支援などを行っている世界的な活動家であり、資金調達の専門家でコンサルタントであり、実際に個人や社会に大きな変革を起こし続けていて、決して夢物語を語っているのではないことがポイントです。
ボクらには、強烈に埋め込まれた幻想があり、「欠乏の神話」とリンさんは呼んでいます。
神話①「充分には無い」
神話②「多ければ多い方がいい」
神話③「それは、そうと決まっている」
充分にはないと誰が決めたのか?このような考え方は当然なのか?知らず知らずにハマっている世界に対する「欠乏」という幻想を手放すと、お金に関する不安やストレスが軽減され、そこで滞っていたエネルギーのすべてを、今自分の目の前にあるものに注ぐことができて、自分自身や社会にとって本当に重要なことに焦点を当てられるようになり、個人や社会に変革が起こる。そして、「充足の法則」を発見し、創造して生きると、個人の才能や他人に対する共感が発揮され、社会的な変革への積極的な役割を果たすことができ、自己実現や他人に対する奉仕に貢献し、真の幸福感を発見できる。ということが、多くの事例や視点を交えて書いてあり、きっとみなさんも確信できて行動したくなると思います。
「豊かさへと向かう道は、あなたが持っているお金の量とは何の関係もありません。あなたがお金とどんな関係を結んでいるのかが、すべてなのです」~リン・トゥイスト~
欠乏は、自然にも、もともとの人間の性質にも存在しない。~ベルナルド・リエター(ベルギー中央銀行元高官・ユーロ通貨立案者の1人)~
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「モモ」
ミヒャエル・エンデ(著)/大島 かおり(訳)
— 岩波書店 —
お金とあわせて「欠乏の神話」に陥っている「時間」の物語。
大人になって、または『ソウル・オブ・マネー』を読んでから改めてもう一度読んでみると、モモの「あり方」や、ベッポ爺さんやジジの言葉が刺さる人も多いのでは。
「スローライフのために「しないこと」」
辻 信一(著)
— ポプラ社 —
ボクらは「すること」にも追い回されている。
「スローライフ」とは、ゆっくり生きることではなく、ヒトの物差しで「欠乏の神話」から抜け出すこと。身の回りで実践する具体的なアイディアに溢れた一冊。