「癒し人」
こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?
人に寄り添い、心身の痛みや滞りを癒す仕事をライフワークに。
陽春から光輝、熱気に満ちた夏の狭間の梅雨の時節。自然の営みが日本の発酵文化の伝統を築いてきました。いい水の循環とネットワークが生じれば、様々な微生物が活性して光を放ち、発酵(光)へと向かいます。じめじめと憂うつで、鈍痛も出やすい梅雨の時期ですが、陰極まれば陽に転ず。人間も自然の一部だとしたら、良き方向へとバランスを取ろうとする自然の流れなんだと思いますし、これは時空を超えて人生や在り方にも繋がるのだと思います。
そんなことを教えてくれた一人の人間が、この春、長年勤めてきてくれた私達の会社をセミリタイアし、新たなステージに踏み出しました。
人が本来持っている自然治癒力や回復力、自分らしく生きる生き方に目覚めることをサポートし、手を当てて、大丈夫だからと言ってそっと背中を押し、その人に寄り添い、心身の痛みや滞りを癒していく。
自律神経の不調を専門に體(からだ)を整えていく仕事をライフワークにしようと一念発起したそのスタッフは鈴木秀則。社内では「くまさん」の愛称で信頼され、親しまれてきた人間です。
気は優しくて、包容力、洞察力を持ち、慈愛に満ちた人柄で私達の会社を底支えしてくれてきた本当に頼りになる存在でした。延べ23年のプロ・アクティブ勤務ですが、会社が一時存続の危機に直面した20年前、再起に多大な貢献をしてくれたプロ・アクティブ再生の恩人でもあります。
困った人や辛い人を少しでも癒したい、元気にしたいという彼の本能、天分が働いたのだと思います。彼にとっては人の心身も会社という法人の心身も同じ。自らの持っている全能力や知恵を生かして、その会社らしく輝いてほしいという天賦の癒し人、寄り添い人の能力にスイッチが入って、法人という人格に寄り添い、目覚めさせる力によって会社の中の血液(お金、商品)が正常に循環し、体力(自己資本力や社会的信用力など)や体質(社内の信頼関係や個々の個性や能力が発揮される風土、文化など)が、健幸体に戻り、さらに働きやすい環境づくり(給与や勤務や組織体系など)の基盤を次々に整えていってくれて、今の健やかで幸せなプロ・アクティブを創ってきてくれました。
以来ずっと会社の中を見守り、法人という體(からだ)の神経(社内コミュニケーション)や体温(人のやる気や働き甲斐)の自己調節、正常化する力を長きに渡り整えてきてくれた、会社の自律神経そのもののような存在でした。
人も会社も同じ。会社が生き続けられる栄養となるお金や、それを産む源泉の人材のことを現場に入ってやらないと。
人に歴史あり。そんなくまさんが辿ってきた人生には、彼の苦難の連続の中で育み、培われ、目覚めていった様々な感性や能力、本質が垣間見られます。
幼少期から身体が弱く病気がちであった彼は、小学校でいじめにあい、不登校になることも。
強い人間になりたいと柔道を習い始めましたが、心も身体も弱かったのでなかなか強くはなれません。それでも一念発起して柔道の名門校に入学し、柔道部に入部。世界や日本のトップの選手がいる中での必死の練習の日々の末、肩、腰、膝がボロボロになり、好きな柔道を10年でやめざるを得なくなりました。
もう少し身体が強かったら・・・。心身ともに丈夫で元気でいられたら・・・。後に整體師(せいたいし)を志す種はここで芽生えたのだと思います。
その後、柔道以外は何もできない自分に直面して自信喪失になり、激しい不安感や動悸に襲われ、引き込もりに。ダメな自分、何もできない自分、何もしたくない自分に囚われ、自己否定を続ける日々・・・。半年近く辛く苦しい状態が続いた中、仏教の高校で学んでいた禅を思い出し、深い腹式呼吸と、意識を丹田に集中することで徐々に落ち着きと自信を取り戻していきました。
「柔道のおかげで病弱だった身体が健康になり、人並以上の体力、体格を得られたのだから、その経験と体力を生かして何か仕事をしたい」
そんな思いに至り、ようやく外出できるようになった彼はスポーツクラブの会社に入社。人体生理学、解剖学、栄養学など、健康に関することを徹底的に勉強し、ジムに通うお客様のヘルスケアトレーナーとして少しても喜ばれたい、役に立ちたいという使命が育まれ、大きな自信に繋がっていったのだと思います。
その後は、勤めていた会社が倒れるという不運を経験しながら、人の健康も法人(会社)の健康も同じだとしたら、会社が生き続けられる栄養となるお金やそれらが産み出される源泉の人材のことを現場に入ってやらないと健康体の法人はできないのではないかと、持ち前の独学で今度は経理・人事、労務などを猛勉強し、経営の現場で戦力となって、さらなる力をつけてきました。そして縁あって最後の転職先として選んだのが私達の会社でした。
本来の天分、天職を全うするために定年を前に癒し人の道を歩む決意。
ここでもまた存続の危機に直面しますが、そんなことではめげない彼の人生の免疫力がすでに培われていたのだと思います。プロ・アクティブで大切にしていた価値観「自然とつながり、自然に生きる」という考え方も彼の人生観や生き方にもマッチしていたと思いますし、自由学校のような会社ゆえ、くまさんも伸び伸びと、メンバーがより働きやすく、やり甲斐を持てる会社の文化・風土・制度づくりに貢献できたのだと思います。
同僚や家族が心を患った時には、業務を超えてその心を癒すことを使命と感じとり、メンタルケアカウンセラーの資格を取得。小脳失調で身体が動かせなくなった父親のためには独学でマッサージを学び、必死で手当てをしていました。
こうした身近な人の心や身体の痛みを少しでも和らげて、安心させて、ラクにしてあげられた経験と喜びは、柔道でボロボロになり、ケガに泣き、後にうつ病を患い苦しんだ自分自身の体験と重なり、彼の本質であり天分でもある弱い人の心と體に寄り添い、そっと手を当てて、氣を合わせ、その人の本来あるべき自己治癒力や回復力、本質力の開花を祈る・・・。その本来の天分、天職を全うするために定年の一歩手前で独立して、癒し人の道を歩む決意をしたくまさん。くまさんらしいチャレンジです。
しばらくは勤務しつつ、プロ・アクティブのショールームで、スタッフやお客様に「吉祥寺整體処」をオープンしています。
TAKEFUのミッションでもある「人が最も痛み苦しむその時に、傷にそっと寄り添い、ただ快癒を祈る一枚のガーゼ」、ゆの里のお湯に浸かっている時に感じる心地良い安心感や脱力感。
それらを理想として、心と髄を解放してラクになってもらおうとする、くまさんの志と挑戦、勇気にエールを贈っていただければ幸いです。
合掌
Guts
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