「野球小僧」

ほっとメッセージ ガッツさん 山口哲史 イマココ・ストア

「野球小僧」

こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?

世界のトップ選手の中でも、大谷翔平選手の輝きは別次元。

隔月刊 アクティブ通信 イマココ・ストア 2024年10月号 ガッツさん ほっとメッセージ 野球小僧

稲穂が美しい黄金に輝く実りの秋、収穫の秋。
10月にはスポーツの日、11月には文化の日もあり、身体も心も躍動し、読書も深まるいい時期ですね。

スポーツといえば、私も中学はサッカー、高校は野球、大学はアメリカンフットボールと、青春時代は球を追いかけるスポーツに夢中になっていました。

特に高校時代はアンダースローのピッチャーながら足も速かったので、1番を打っていました。
ヒットを打って、ドキドキしながら盗塁し、味方のヒットでホームベースまで必死に走り、何とか一点を掴みとって次の回、ピッチャーとして0点に抑えることの辛さ、しんどさは未だに体が覚えています。

その大変さをものともせず今や生きる伝説ともなっている大谷翔平選手は、大リーグという究極の舞台で誰も成し得なかったピッチャーとバッターの二刀流で圧倒的な結果を残し、驚異的な評価(10年1,015億円)を受けています。
ピッチャーで超一流の証しである10~15勝し、バッターとしては、ホームランを44本(2023年)打って日本人初のホームラン王になるなど、野球マンガでも描けないような獅子奮迅の大活躍には、毎年毎日、日本中、世界中が彼の一挙手一投足に刺激と感動をもらっています。

私は、大学はアメフトもやっていましたので、米軍基地の兵士のアメフトチームと練習試合をしたこともありますが、体格、体力、スピード、技術など、まるで大人と子供のような違いがあり、恐ろしくて試合にならなかったことを記憶しています。

その体験もあったので、大谷選手がその外国人選手達と互角どころかそれ以上のパワー、スピード、技術、センスで優っていることが本当に信じられなくて、同じ日本人として本当に胸をすく至高の存在だと、彼を見ていていつも思います。これはきっと私だけではなく、日本人であれば皆さん思っていることだと思います。

彼が打つホームランの打球音の凄さや飛距離や打球の速さなどは、私達日本人の心を痛快に、元気に明るくしてくれますし、彼がヒットを打った時の笑顔や、両手をパーにして踊るようなパフォーマンスには、思わず微笑がこぼれ、スッとする思いで心が踊ります。

世界には、サッカーのメッシやバスケのレブロンジェームス、野球のアーロン・ジャッジ選手などトップ中のトップの選手がいますが、そんな中でも大谷選手の輝きは、また別次元のような気がしてなりません。

今年のシーズンが始まった頃には、最高の相棒として信じて疑わなかった元通訳が大谷選手のお金を巨額に使い込み、全米を揺るがす一大詐欺事件の被害者になったにも関わらず、そのことはすべて司法に委ねて信じ、自分がやるべきことに集中しました。
どんなに一流のアスリートでも、精神的なストレスで成績を極端に落とし、シーズンを棒にふるようなことになりかねない事態にも関わらず、大谷選手はそれを乗り越え、圧倒的な結果を出し続けてきました。

恐れや不安に飲み込まれず、今ここに集中して、そこを楽しみ、全力で投げ、全力でバットを振る。その積み重ねが結果に。

自業自得と自信を失ったり、他人を責めたりしがちなものを、今やるべきことに集中し、そこに忘我することですべてを忘れ、解放し、許していく・・・。
達観した禅の行者のような精神集中と修養ができていないとなかなかそこまでの結果は残せないのではと思います。
打ち取られた前の打席やホームランを打たれた前の回の打者の恐れや不安に飲み込まれず、今ここに集中して、恐れや不安を脇に置いてそこを楽しみ、全力で投げ、全力でバットを振る。
その一つ一つの積み重ねが、常人にはできない結果を生み出しているのだと思います。

聞くところによると、彼は無類の読書家で、中でも日ハム時代の恩師の栗山元監督の影響は絶大です。そんな師から、心を修養するために一流の経営者が座右の書とする本を紹介されると、彼はその天性の吸収力と実践力、繰り返して自分のものにしていく継続力で、本の教えを自分の生き方、在り方にしっかりと刻み込んできました。

例えば、昭和の思想家、実践家として政財界、経営者、スポーツ選手に絶大な支持を得て、心身統一法を教えていた中村天風著の「運命を拓く」という本からは、どんな場面に直面しても、心が慌てたり恐れたり、あがったりしない、平常心で対処する、心をいつも積極状態にして、力と勇気と信念を持って生命力を漲らせ、活々と生きることを身につけています。

また、鍵山秀三郎著の「凡事徹底」では、自分で良かれと思って決めたことや、人に喜ばれることは日々妥協を許さず徹底してやり遂げることを修養。笑顔でサインを書く、球場のゴミを拾う、毎年全国の子供達に夢を与えるギフト(グローブなど)を送る、きつく厳しいトレーニング・自己管理・目標設定を徹底するなどが、この修養の実践の証明かと思われてなりません。

全身全霊で“道”に打ち込み、輝く姿に“真・善・美”を感じて、私達の憧れや誇りに。

そして、何よりも一番影響を受けている父親に小学生の時に教えられた3つの教えを未だに修養、実践しているところが、究極の野球小僧として愛され、親しまれている大谷選手の最大の魅力かと思います。

その1つ目は、「大きな声を出して、元気よくプレイする」ことです。
それは、ゲーム中に仲間を励ましたり鼓舞したりして、いつもコミュニケーションを大切にしてハツラツとプレイすることでした。
前回のWBCの米国戦の決勝前。ロッカールームのチームメイトへの鼓舞がその実践を物語っていますね。

2つ目は「キャッチボールを一生懸命に練習する」。
これは、ただ漫然とキャッチボールをするのではなく、意識したところに、思いを込めて投げられているかの意識の修養の実践になっています。

3つ目は「一生懸命に走る」。
これも、途中で諦めるのではなく、何があるかわからないので力を抜かずに最後まで全力を走るということです。この実践はピッチャーでありながらも全力で塁間を走ったりスライディングする大谷選手の清々しくハツラツとした高校野球児のような魅力を存分に引き出しています。

全身全霊で野球という“道”に打ち込み、楽しみ、結果を出し、最も大切な心技体を向上させ、一生懸命にアスリートとして輝いて生きている姿に、私達は彼に“真・善・美”なるものを感じて、憧れになったり、誇りになったり、勇気や自信をもらったりしているのだと思います。

私達も自分の道の“○○小僧”や“○○少女”になり、まわりを明るく愉快にできる生き方、在り方を、この収穫の秋に身につけていきたいものですね。

合掌

Guts

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