「井の頭恩賜公園」

「井の頭恩賜公園」

ほっとメッセージ

「井の頭恩賜公園」

こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?

その聖なる水の力で、ずっと人気スポット、エネルギースポットに。

暖冬とはいうものの、冬の寒さが身に染みますね。
私は今年3月で63歳になりますが、人生に春夏秋冬があるなら、今は秋の紅葉、実りの秋の終盤。冬の身支度をしつつ、気力、体力を再度充実させながら、夫婦2人で人生の晩秋から初冬のいい思い出をつくっていきたいなぁと考えています。
そんな気持ちをいつも思い出させてくれるのは、自宅近くにある「井の頭恩賜公園」です。

娘が巣立ち、夫婦と2匹の愛犬のチワワが我が家の愛すべき家族ですが、井の頭公園で夫婦仲良く手をつないで散歩したり、時には散歩嫌いの2匹を連れ出して、公園の芝生で遊ばせるのが何よりのストレス発散であり、癒し、楽しみでもあります。
昨年の12月半ば、公園内にあるお気に入りの店でコーヒーをテイクアウトして、2人でベンチで何気ない会話をしていました。

「12月なのにダウンもいらないし、今頃紅葉している。温暖化で日本の四季が本当におかしくなってるね。昔は井の頭公園の池でも分厚い氷が張ってスケートをしていたくらいだから、冬のイメージもだいぶ変わってきているね」。
そんなバランスを欠いた四季の変化を感じられるのも、30年以上この公園の春夏秋冬を見てきたからだとつくづく思います。

数年前まで関東で住みたい街ナンバーワンを維持していた吉祥寺の人気の一つが井の頭公園であることは間違いありません。公園の中心である井の頭池は、その近くの御殿山遺跡から旧石器時代の石器や縄文時代の竪穴式住居が見つかるなど、太古から人々の生活に不可欠な水源になっていたようです。

後年江戸に幕府が開かれた際に、上水道の整備のために選んだ水源地が井の頭池で、上水路が神田川に流れ、江戸の人々の飲み水、生活用水としての水を運んでいました。

清い水が江戸中の井戸から汲めるその最初の源泉(頭)となっているから、「井の頭」とも呼ばれたようです。
そう考えると古代から江戸、現在に至るまで、井の頭はその聖なる水の力で、ずっと人気スポット、エネルギースポットであり続けているのかもしれません。

それを裏付けるかのように、平安中期には、源氏の祖でもある源経基(みなもとのつねもと)が最澄(さいちょう)作の弁財天(水の神)女像をお祀りするためにお堂を建て、それが今に続く井の頭弁財天となり、井の頭公園の護り神となり、吉祥を呼ぶパワースポットの一役を荷負っているのだと思います。

昔はその池を取り巻く森林地帯は幕府領で、明治に入ってからは天皇直轄地となっていましたが、明治後年に渋沢栄一翁の強力な構想、後押しにより、陛下から恩賜されて、日本で最初の恩賜公園、日本初の郊外公園として井の頭恩賜公園が誕生しました。

家の近くで、30年以上もエネルギースポットの恩恵を。だから私は吉祥寺が一番住みやすく、離れられない場所になっています。

渋沢翁は、近年になってようやく社会的にも浸透してきた障害者の方の育成や社会支援、非行少年の更生や社会復帰などに、明治半ばから昭和の初めまで絶大なる貢献、尽力をされていました。
その中で、井の頭学校という非行少年の更生施設の生徒達の更生後の働き場所として、森林の再生や公園づくりを手伝わせたいという想いの実現の場にも井の頭恩賜公園誕生は寄与していきました。

そして翁の田園都市構想の一環として、渋谷と吉祥寺を結ぶ「東急井の頭線」(現在の京王井の頭線)を、東急の創始者の五島慶太と協力し合って開通させました。
郊外と都市を結ぶ人気路線を創り出したのも翁の大尽力がなければ、今の吉祥寺の繁栄、人気はなかったものと思います。

百年を越える自然の森や緑や池などなど、井の頭公園は散歩したり、ベンチで池の静けさや樹々の彩り、鳥のさえずり、蝉や虫達の鳴き声などを見たり、聞いたり、感じたりするだけで、この公園に託され、培われ、育まれた歴史や文化や人の想いなどを感じます。

辛い時、しんどい時もその景色や懐に抱かれていると、すっと落ちついたり、ラクになったことも多々あります。
桜満開の春には、陽気と元気をいっぱいもらいます。
初夏や中秋の小イベントで出店がいっぱいの時には、ワクワクしながら立ち寄って、思いがけない感動や掘り出し物を見つけたりします。

家の近くで、30年以上もこんなエネルギースポットの恩恵を味わえているのは本当に有難く、だから私は吉祥寺が一番住みやすく、離れられない場所になっています。

きっと、その何かが人生の春夏秋冬を応援し、見守ってくれているのだと思います。

住めば都というように、皆さんお一人お一人にそんなエネルギースポットがあり、お気に入りの場所があり、だからこの街が好きなんだという何かがあるのだと思います。

きっと、その何かが自分を癒し、元気を与え、それぞれの人生の春夏秋冬を応援しながら、見守ってくれているのだと思います。

梅は咲いたか?桜はまだかいな?

寒い冬に充電したエネルギーを春に発散させ、また新たに四季を味わい、人生のいい春夏秋冬の思い出をつくっていきたいものですね。

合掌

Guts

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