ミネラルウォーターの多様化、どこか違和感を感じるのは私だけ?
こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?
先日、娘が幼い頃から飲んでいる『月のしずく』のことや、お水を販売している私の仕事に少し関心を持ってくれたのか、インターネットで自分で調べ、「世界のミネラルウォーターの成り立ちと現在の動向」というレポートを取り寄せていました。
そして、何気なくそのレポートを読ませてもらったのですが、ちょっと目からウロコのことが書いてあり「そうだったんだぁー」と思ったことがありました。
日本でミネラルウォーターが広まるずっと以前の40年以上も前に、ナチュラルミネラルウォーターはヨーロッパを中心に広まっていきました。
フランスやイタリアのアルプス連峰を土台にした土壌は石灰岩質で、カルシウムの多い硬水が一般的です。
どうしても海洋近くの水に含まれるナトリウムやマグネシウムが不足してしまうため、海洋のミネラルをしっかりと摂って身体のミネラルバランスを整え、健康や美容の維持・向上に努める必要がありました。
そういった自然に湧き上がる必要性があって、ヨーロッパの意識の高い女性や健康志向の方々に愛飲されていったことが世界に飛び火し、様々なプロセスを経て、日本でもミネラルウォーターは今や当たり前となりました。
そして様々な形に進化し、多様化しています。
たとえば、体内の活性酸素を中和するという「水素水」、体が酸化しがちなのをアルカリで還元して中和するという「アルカリイオン水」「還元水」、糖が気になる人向けの「バナジウム水」、髪や美容のために考え出された「シリカ水」など・・・。
でも、本当にそれが進化と言えるのかな?と時々思うことが時々あります。
ヨーロッパから始まった「ナチュラルミネラルウォーター」は、何も足したり引いたりせず、天然のミネラルバランスをそのまま生かすことで、身体に備わった自然治癒や生体恒常性(ホメオスタシス)の力を高め、生命が自然に躍動し、その結果60兆の細胞が本来の力を発揮し出し、新陳代謝を高め、身体のエネルギーや働きを正常に保ち、バランスをとっていく・・・そのナチュラルな健康観、美容観のもとに開発されました。
あまり水のよくないヨーロッパでは環境的にも身体的にも自然なことだったんだと思います。
それが日本では今や、合成サプリメントかのような人工的なミネラルウォーターを多く見かけることに、どこか違和感を感じるのは私だけでしょうか?
どれがいいのか?自分に合うのか?大丈夫なのか?
お水の業界に長年浸っている私でも本当のことはなかなか分かりません。
最近では「水素水は矛盾も多く、効かない」とか「水素水とアルカリイオン水は、言い方を変えただけで同じものだ」など様々な意見もあり、これでは混乱し、ネットやマスコミの情報に振り回されて、選べなくなってしまうのも無理もありません。
自然から摂取・抽出された天然ミネラル、微量元素、ビタミンなどを
その人の身心に生かしていく四千年の智慧
少し話は変わりますが、中国四千年の歴史を持った漢方は、植物や動物、鉱物などの薬効、妙を数限りない人による経験的な臨床をベースに生み出された東洋医学・代替医療の結晶でもあります。
近年は西洋医学のドクター達がその効果、深さ、安全性、伝統知に魅了され、特に海外ではかなり真剣に研究、応用されています。
その漢方の薬の考え方の中に、①上薬(じょうやく)②中薬(ちゅうやく)③下薬(げやく)という考え方があります。
まず上薬とは、無毒で生命を養うもの。
副作用がなく長期間服用できるもの、身体の免疫力を高めて不老長寿に役立つもの。
そして中薬とは、毒性は少なく、効果もある程度期待できるもの。
方法を間違ったり、長期間大量に服用すれば副作用も考えられ、3ヶ月に1ヶ月は休む方が良いとされているもの。
さらに下薬とは、正しく使えば治す力は強いものですが、副作用に注意しなければいけないもの。
救急の場合のみに使用することが多いもの。
こういった3つの役割と特徴を持つ薬剤を、その人の現在の状況や過去、現在、未来を考慮し、経過を見ながら処方していきます。
その人が待ったなしの場合は下薬。
そして身体が回復してきたら中薬。
元気を取り戻したら、バランスを崩さないようにするためにタイミングを見ながら上薬へと切り替えていく。
漢方医は部位や症状だけにとらわれず、全ての関連性やその人の性格、体質、過去からの傾向などを踏まえ、真の健康や若々しさ、長寿、幸せなどを願いつつ、自然から摂取・抽出された天然ミネラル、微量元素、ビタミンなどをその人の心身に生かしていく。
ん~、何とも深い。
自然の一部である人間と自然の産物である漢方薬との絶妙の同調、増幅、相乗効果などの作用、効き目があるから、四千年もの長きに渡って、漢方薬が今もなおその輝きを放っているんでしょうね。
極端は、やりすぎると逆の極端へ傾き、
また違った障害やトラブルを産む可能性も。
さて、もう一度ミネラルウォーターの話に戻りましょう。
豊かになり過ぎた分、様々な生活習慣病など心身にたくさんのストレスを抱えている昨今、それを補わんがために、中薬または下薬的な考え方のミネラルウォーターが多くなっているような気がします。
しかも人工的・合成的にミネラルや元素を加えたり、電気分解するなどして・・・。
もちろんそれぞれの目的と役割に応じた価値や良さは様々にあります。
しかし、陰極まれば陽に・・・。
その逆もあります。
極端は、やりすぎると逆の極端へ傾き、また違った症状、障害、トラブルを産む可能性もあります。
本来、水とはナチュラルなもので、各地の秘湯、名水はその地特有の天然ミネラルや元素の含有がいいから、先人達が飲み、浸りながら、健康・美容にいいと伝承されてきたものだと思います。
私達が『月のしずく』という本当に凄いナチュラルミネラルウォーターに魅せられ、これまで口コミ、紹介を主体に広めてこられたのも、そのお水に上薬的な価値があり、飲まれた方々が「やっと出会えた本物のお水」と言ってくださり、長期間愛飲される方々がほとんどだからこそ。
世の中には本当に様々なお水がありますが、自分自身が自分の漢方医として、上薬・中薬・下薬的な考え方をもとに、その時の状況、体調、体質、今までの傾向をよく考えながら、ベストなお水を選べるといいですね。
夏本番。
熱中症も気になります。
たかがお水、されど60兆個の細胞の70%を占めるお水に、本当にいいミネラルや情報を与えてあげたいものですね。
“水から生まれ、水に還る”
人の身体も自然の一部です。
Guts