航司西嶋

#3 生まれ、そして還っていく

#3 生まれ、そして還っていく 長崎県の五島列島に、奈留島という小さな島があります。 海辺には、世界遺産の江上天主堂が静かに佇む、穏やかな入江が続く海の幸豊かな島です。 この地を初めて訪れたのは2022年6月。その前の年に虹の橋を渡ったある家族の遺骨を携えてのことでした。 家族とは、体重32キロのラブラドール・レトリバー。名前をリッツといいます。 彼の2歳〜13歳までの月日を共に過ごしてきた時間は […]

#2 目を閉じることで見えてくる世界

#2 目を閉じることで見えてくる世界 「風の色」という言葉の意味を、今でも深く考えることがあります。 このフレーズは、龍村仁監督の著書「地球(ガイア)のささやき」(角川文庫)の中に記された、ある章のタイトルに使われています。 そこには、人生の最終盤を迎えようとしている母親と共に歩く、春を迎えた新宿御苑での一場面が描かれています。 病のため視力と記憶を失いつつあった母親の手を引きながら、ふと立ち止ま […]

#1 内なるもの、外なるもの

#1 内なるもの、外なるもの ちょうど一年前の2024年2月3日、節分を迎えたこの日に映画「Pale Blue Dot 君が微笑めば、」を初公開させていただきました。今このコラムを目にされている皆さまの中にも、東京青山の会場まで足を運んでいただいた方が多くいらっしゃるかと想像します。 あらためて、世に送り出させていただいたこと、深く感謝申し上げます。 さらに遡ること2年、2022年2月3日。この映 […]