河の流れように
記念すべきTAKEFU第1号商品のボディタオル(ノーマル)を発売したのが2001年の秋。
それから今日の2017年に至る16年のもの作りの歴史。
さあ記憶を紐解きながら遡上の旅を始めてまいりましょう!
開発者 相田雅彦のTAKEFU(竹布)製品開発の軌跡【第10話】
今一つの売れ行き。なぜ?
■3 代目タオル
2007年は、「竹布」のブランドマークが新しくなった年でもありました。
TAKEFU(竹布)のデビューです。
そして、今でもスパッツやショーツ、ブラジャーなど「TAKEFU」にとって重要なアイテムのベースとなる”ベア天竺”という生地が完成したのもこの年でした。
グラフィックデザイナーとパターンナーを兼ねる社員がお客様とのご縁により入社してくれたお陰で、製品に奥行きがでてきました。
そして2008年には、初めてのメンズインナーである「ボクサーパンツ」を発売しました。
2008年3月のチラシに「春にご注意! 男の冷え性」と題して珍しくコラムを書いたので転載します。
『最近、男の冷え性が増えているという新聞記事や調査データを見ました。
その原因は、不規則な生活や偏食、過労などによるストレスが重なって起こるケースが多いとされています。
これは、中高年ばかりでなく若い男性にも言えることだそうです。特に春は、転勤や異動などで職場や生活環境がガラリと変わる人も少なくないので要注意でしょう。
冷え性は、頭痛や肩こり、腰痛のほかに、過敏症腸症候群や胃腸炎などになりやすいばかりではなく、アレルギー性鼻炎や膀胱炎、全身のリウマチなどは身体の冷えと関係が深いというのです。その冷え性対策は、
まずストレスをためないこと。
次に、腹巻などでおなかを冷やさないこと。下着による締め付けも冷えを誘発するといわれているので、特に脚の付根を圧迫しないものが良いそうです。
TAKEFUボクサーパンツは、下腹を温めて脚の付根を圧迫しない理想的な下着なのかもしれません。
さらに、手足の冷えは、ソックスやウォーマーで対策。そして規則正しい食事、定期的なストレッチや運動で普段から血行を良くしておくことが大事です。
ラクダのももひきや腹巻。
伝統的な男の装いは身体を冷やさないことに気を使っていたんですね。だから、元気で子沢山?
そんな気がする今日この頃です。温故知新をもっと突き詰めて、商品開発も新しいものだけを追うのではなく、伝統の智恵に習うことも肝に命じて進めます。』
そして2008年の夏は、タオル類がモデルチェンジとなりま
した。TAKEFU100%に拘ることで3回目の改良です。
初回は薄く使い勝手が良く好評だったのですが、洗濯など、濡れた際の耐久性に問題があり、2回目の改良は、糸を太くし、双糸(2本の撚り合わせ)にしたりと、耐久性はアップしたものの、特に濡れた時に大変重くなるという欠点が露呈しました。
乾いている時はふっくらして高級感がある、とてもいいタオでした。
私にとってはどの子も可愛いのです。
3代目は、現在の4代目の仕様とほぼ同じ、完成の域に近づいてまいりました。
このタオル類と同時に、タオルケットが仕様変更となりました。
パイルのタオル類の欠点は、爪や下着の金具類に引っ掛かって糸が伸びるということですが、それを解決する方法として、マイヤー織りのタオルケットを自信を持って発売しました。
レーヨン(TAKEFU)92%、ポリエステル8%という仕様で、ポリエステル糸がTAKEFUのパイル糸をからめて、糸抜けを防止するという画期的な製法でした。
私たちとしては「さあ~、ど~だ~!」という自信作でしたが、結果は、今一つの売れ行きで、当時は「なぜ?」と頭をかしげたものでした。
この頃はTAKEFUの大好きな応援隊の皆様に支えられていた時期でしたので、わずか8%でもポリエステルが入ることに違和感を覚えたというコメントをたくさん頂きました。
それが売れなかった一番の原因だと思います。
欠点をなくすことにより利点も薄まり、個性がなくなり、よそよそしくなってしまったのでした。
一般の商品と同じく、クレームの出ないモノ作りをすることの失敗例です。
「想い」が形になることにより作られるのがTAKEFU製品。
クレームを恐れた無難なモノ作りは、ともすると、ユーザーに寄り添っていない冷たい製品になるのだということを痛いほど学ばせてくれた大切な商品でした。