Episode8 : 5月が開園記念の井の頭自然文化園。歴史の足跡を味わっていただきたい場所です。

Episode8 : 5月が開園記念の井の頭自然文化園。歴史の足跡を味わっていただきたい場所です。

ほっと、ひと息♪井の頭散歩

通称「井の頭動物園」で親しまれている井の頭自然文化園。
日本一の長寿ゾウのはな子さんがいることで有名です。
毎年、開園記念日の5月17日は入場無料で、前後にはイベントも盛りだくさん。
この機会にぜひ訪れてみてください。

5月が開園記念の井の頭自然文化園。歴史の足跡を味わっていただきたい場所です。

井の頭自然文化園が開園したのは1942(昭和17)年。
前年の12月、日本がアメリカに宣戦布告したというタイミングでした。

計画では動物園らしい花形の猛獣の展示をはじめ、植物園や郷土博物館もある「大野外博物館」の構想でしたが、そんな時代背景から大幅に縮小変更されました。

ゾウ、ライオン、トラは不在で、「毛皮動物」としてヒツジ、キツネ、ウサギ、タヌキ、「食用動物」としてブタ、ニワトリ、「乳用動物」としてウシ、ヤギetc….といった実質的側面に重きが置かれた切り口で動物が展示されていたそうです。

名称として、レジャーの要素を感じさせる「動物園」ではなく、「自然生態の観察と科学的精神の育成」の趣旨を押し出した「自然文化園」が選ばれたのも、時代を反映してのことでした。

とはいえ戦争が日増しに激しくなる中での明るい話題となり、開園翌週の日曜日には約2万人が訪れ、広々とした「孔雀園」(現・大放飼場)に放し飼いにされたクジャクが大好評だったそうです。

戦後しばらくは動物の補充はありませんでしたが、1954(昭和29)年、待望されたゾウのはな子が上野動物園から移転してきて大歓迎されました。

彫刻家の北村西望が長崎市の依頼を受けて「平和祈念像」を制作するアトリエを園内に構えたのは、その前年でした。

戦後復興期そして高度経済成長期を通して、サル山、乗り物コーナー、彫刻園、熱帯鳥温室などの施設が次々と加わり、多くの人々に親しまれてきた自然文化園には、今も昭和の懐かしい雰囲気が漂っています。

個性あふれるスタッフの方々が企画しているガイドツアーや体験プログラム、資料館での展示もとっても魅力的ですよ。


開園当時、大人気だったという孔雀園。現在は「大放飼場」と呼ばれ、木立の中に農家風の動物舎が建つ広々とした空間に、ヤクシカとタンチョウが放牧されています。


はな子は生年月日が不明なので1月1日を誕生日とされていて、2016年元旦で69歳。国内のアジアゾウ最長寿記録を更新中です。定期的にはな子を訪れるファンが少なくありません。

クイズ:いのけん問題(8)


かつて自然文化園で放し飼いされていたクジャクが起こした事件とは何でしょう?

①人家の庭にすみついた
②JR中央線を止めた
③商店街で売り物を食べた

※答えは②

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