Episode7 : いよいよ桜の季節。井の頭と桜の歴史を、ふわっと紐解いてみましょう。

Episode7 : いよいよ桜の季節。井の頭と桜の歴史を、ふわっと紐解いてみましょう。

ほっと、ひと息♪井の頭散歩

若々しい美しさとエネルギーが満ちる桜の季節ですね。
井の頭公園の見所は、池の周囲をはじめ園内に点在します。
気ままに散策してみていただきたいです!

いよいよ桜の季節。井の頭と桜の歴史を、ふわっと紐解いてみましょう。

井の頭池の南西の畔に、弁天堂があります。

公園を象徴する風景として、池を前景に朱塗りの御堂を望む写真が紹介されることが多いので、実際に訪れたことのない方でも、どこかで一度は見たことがあるのではないでしょうか。

現在の弁天堂は、大正13(1924)年に火災で焼失した後に、昭和2(1927)年に再建された御堂です。かつての御堂は、寛永13(1636)年に徳川家光が建てたと伝えられます。

今は周囲の公園と一体化し、その一部のように感じられる弁天堂ですが、大正6(1917)年の開園よりもずっと昔から存在する由緒ある場所なのです。大盛寺の記録『神田御上水源井之頭弁財天略縁起』には、寛永8年の旱魃の水加持祈祷でご利益があったため、家光が宮社を建て、境内に百本の桜を植えたと記されています。

左にご紹介する絵は、府中郷土の森博物館所蔵の『小金井府中六社井の頭弁天画帖』の三連作の一枚、『井の頭』です。
弁天堂の南側正面に位置する斜面に、花盛りの桜が点々と描かれています。

桜といえば、幕末から明治にかけて人工的に開発されて広まった染井吉野が現在は主流になっていますが、家光が植えたのは山桜の種類だったと推測されます。

その寿命は150〜200年なので、ここに描かれている桜は、家光の時代に植えられたものだったかもしれません。

毎年4月、家光の水加持祈祷以来続く伝統的な「大祭」が行われます。
何人もの僧侶が集まり、堂内の炉に火をくべ、香木などの供物を投げ入れながらお経を読む荘厳な護摩供養。

こちらも一度ぜひ訪れてみていただきたい見所です。


府中郷土の森博物館所蔵『小金井府中六社井の頭弁天画帖』の三連作の一枚、『井の頭』。作者不明。安政三丙辰年(1856)「三月十六日」の日付。


春の例大祭では、三鷹市内で祭囃子の保存活動をしている会がお囃子を披露。周囲がお祭りらしい華々しい雰囲気で盛り上がります。今年は4月9日・10日です。

クイズ:いのけん問題(7)


東京都立公園条例で決められている、してはならない行為とは、次のどれでしょうか。

①写真撮影をすること
②ウォーキングをすること
③許可なく物品販売をすること

※答えは③

井の頭散歩カテゴリの最新記事