Episode4 :2回目の「かいぼり」も行われる冬、井の頭池はどんな表情を見せてくれるでしょうか。

Episode4 :2回目の「かいぼり」も行われる冬、井の頭池はどんな表情を見せてくれるでしょうか。

ほっと、ひと息♪井の頭散歩

新年を迎えて、日に日に寒さが深まる季節ですね。
外出がおっくうに感じられがちですが、特別な冬景色を探しに出かけてみませんか。

2回目の「かいぼり」も行われる冬、井の頭池はどんな表情を見せてくれるでしょうか。

江戸時代、神田上水(現・神田川)は江戸城の将軍や江戸っ子たちの水道で、その源泉の井の頭池の守神を祀る弁天堂は、近郊の名所として知られていました。

浮世絵師の歌川広重は、井の頭弁財天の社を2つの作品に描いています。
その1つが、左にご紹介する『井の頭の池 弁財天の社 雪の景』。
多摩川の月と小金井の桜と合わせた三部作『名所雪月花』の1枚です。

降りしきる雪のなか、太鼓橋を渡る旅人の着物が風にたなびいて、見るだけで、冬の風の冷たさがジンと伝わってきます。

現代の私たちがテレビ番組やfacebookの投稿を見て「行ってみたい!」と行動するように、この浮世絵を目にして、冬の井の頭を訪れた人も少なからずいたのではないかと想像します。

時代は下って昭和29年の1月末、都内で積雪約30cmの大雪が降り、その影響で気温がマイナス6.3度まで下がりました。その記録的な寒さに、公園の東端にあった元プールが氷結し、スケートをして遊ぶ人で賑わったと、近隣に長年住んでいる長老から聞いたことがあります。

そこまで記録的な寒さではありませんでしたが、2014年1月と2月、何度か雪が降って井の頭池一面が白く覆われました。

ちょうど1回目の「かいぼり」で水が抜かれていた時期で、その時にしか見られない珍しい光景となりました。

今年の冬は、弁天池からお茶ノ水池、ボート池まで水が抜かれます。

歴史に残る「かいぼり」と今年の気候がどんな光景を織りなすことでしょうか。

一期一会の冬景色が、楽しみですね。


歌川広重の『井の頭の池 弁財天の社 雪の景』 
(『井の頭公園*まるごとガイドブック』から/写真提供:神奈川県立歴史博物館)


2014年2月、七井橋から眺めた雪の井の頭池。「かいぼり」で水が抜かれた後の池底に、雪が降り積もりました。

クイズ:いのけん問題②


井の頭公園には、市民が寄贈した「思い出ベンチ」があちこちに設置されています。このベンチは、何でできているでしょうか。

①東京・武蔵野のケヤキ
②東京湾岸のマツ
③東京・多摩産のヒノキ

※答えは③

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