新連載 第一話 バラを持つマリー・アントワネット

新連載 第一話 バラを持つマリー・アントワネット

バラを持つマリー・アントワネット(1783年)
ヴェルサイユ宮殿美術館所蔵

絵画が楽しくなる『色』のお話 バラを持つマリー・アントワネット

今回から「色彩と絵画」をテーマに連載を書くことになりました。
色彩の世界に入って変わったことは?と訊かれると、私がまずお話しするのが「色の意味がわかると、絵画の見方が変わった」ということ。私は絵画をはじめとする芸術の専門家ではありませんが、色彩の知識(主に色の意味)から絵画を「観る」「想像する」「考える」おもしろさを、絵画作品や画家を例に挙げてご紹介していきたいと思います。

あくまで私の考察で、真実かどうかはわかりません。だって「フェルメールさん、この時こんな気持ちだったの?」と、尋ねることはできませんから。

さて、第一回目は「ベルサイユのばら」で知られるマリー・アントワネットの肖像画です。
彼女は、14歳でオーストリアのハプスブルグ家から政略結婚のためにフランスのルイ16世のもとに嫁ぎました。この絵は1783年にフランスの女性画家ルブランによって描かれました。
マリー・アントワネットはブルーが好きだったということで、肖像画でもドレスはブルー。ここでまず触れておきたいのが、彼女の外見はパーソナルカラーで言うブルーベースで描かれています。(ここからも色々推測できますが・・・)
では、このブルーからマリー・アントワネットの人物像を読み解きます。

贅沢三昧とは対照的なブルー。本当は家族を大切にする豊かな母性愛の人。

彼女は、国民の貧困に目を向けず、贅沢三昧の生活をしていた王妃で、その様子から考えるとゴールドやレッドを想像しますが、対照的な色です。宮殿内のプチ・トリアンで、子どもたちと素朴に自然の中で暮らしていたことが、ブルーの意味に同調します
家族を大切にする豊かな母性愛。そして、本当の自分の気持ちは心の内に秘めていたのかも。
本心と実際の振る舞いの違いが色で現れているのかもしれません。

たった14歳で見知らぬ国に嫁ぎ、いつの間にか「自分の心は、自分でなんとかする」という真の強い女性になったように考えられます。

マリー・アントワネットさん、いかがですか?と訊いてみたいですね。

絵画が楽しくなる「色」のお話カテゴリの最新記事