四季と寄り添う~利奈の漢方的生活
[Vol.11 師走(shiwasu)]
今年は19年に一度のおめでたい「朔旦冬至」。カボチャとゆず湯は寒い冬を健康に過ごす智慧。
さあ、今年もついに忙しい師走になりました。
忘年会にクリスマス、大掃除やお正月の準備と行事も目白押しです。みなさんはどのように年末を過ごされますか?
昼が最も短くなる日を「冬至」と言います。衰えた太陽の力がこの日を境に再び回復するため、一陽来復日(いちようらいふくび)とも言われます。世界各国では冬至のお祭りがあります。
クリスマスも実は古代ローマ時代に農業の神を祭った冬至の習慣が起源となっているのですよ。
特に今年の冬至は一九年に一度のおめでたい「朔旦冬至(さくたんとうじ)」にあたります。
暦の計算起点は冬至を含む旧暦11月で、19年毎に旧暦の11月1日が冬至と重なるのです。
昼の一番短い日と新月が重なるため、太陽も月も同時に新たに生まれるおめでたい日と云われ、古来より遡旦冬至には祝賀の儀式が盛大に行われました。
暦は中国から伝わったと思われがちですが、縄文時代晩期の頃には、すでに日本で十九年周期の朔旦冬至が分かっていたという説もあるのです。
昔の人は大変よく自然を観察していたようですね。
さて、冬至の行事といえば、「カボチャ」と「ゆず湯」が有名です。どちらも江戸時代後期に出来た風習ですが、寒い冬を健康に過ごすための知恵でもあります。
ゆずは寿命が永く、病気になりにくい木として縁起も良く、お風呂に浮かべると身体が温まります。
また、カボチャは緑黄色の食物が手に入りにくくなる冬に、カロチンやビタミンなど栄養豊富な食材で風邪予防に有効です。
それだけでなく、ゆずは「融通」、かぼちゃは「ナン金」と金運アップの洒落もかけているらしいですよ。
町民文化が花咲いた江戸時代ならではのようですね。
【養生漢方レシピ】 “陽性”の強くなる「あずきかぼちゃ」
ノンシュガーなのに甘く、糖尿病などの改善にも役立つレシピです。(糖尿病の方は葱のひげ根を加えましょう)
また、腎経が弱い方(小水が近かったり腎炎になりやすい人)やむくみのある方は常に食べると良いですよ。
材料
●かぼちゃ:150g(2cm角に切る)
●小豆:1カップ
●塩:小さじ1
作り方:①小豆は洗って水切りし、鍋に3倍の水と一緒に入れ、蓋をしないで火にかけます。
(葱のひげ根を使う場合は細かく刻んでここで入れます)②沸騰したら水1カップを3~4回に分けて足しながら、小豆が柔らかくなるまで煮ます。③小豆が柔らかく煮えたら塩を加え、カボチャを入れて強火にし、煮立ったら弱火で静かに煮込みます。④カボチャが良く煮え、煮汁が少し残っているくらいで火を止めて、器に盛ります。