時代が変われば、コミュニケーションの中身自体もその時に見合った「言葉」を選ばないと。
こんにちは、お元気でいらっしゃいますか?
少し前の話になりますが、娘(高2)が、学期末の試験勉強をしていた時の話です。
目一杯暗記する科目の試験があった当日の朝、彼女を送り出した時の事です。
私は、何気なく「一生懸命やっているんだから、大丈夫だよ。頑張ってね。」と云った時に、
彼女は「お父さん、頑張ってねって云われると何か嫌なの。これ以上何を頑張れっていうの?“応援してるよ!”って云ってくれる方が嬉しいんだけど・・・」
と半ば、怒りとイラつきを抑えて云ってきました。
一瞬、私はもの凄く戸惑いました。
「えっ、私が云った事の何が悪いの?何と生意気なことを云うの?」
憤りと反発とやるせなさが同時にいっぱいよぎりました。
「お父さんの世代は、両親からも先生からも『頑張ってね』って云われてそれが当たり前に育ってきたのに、今はダメなの?」
ほんの1~2秒の間に、こんな事が頭に一瞬かけめぐりました。
ただ、深夜まで勉強し、朝食の時も問題集を片手につぶやくように様々なことを暗記している、娘の精一杯やっている姿が頭に浮かんだ瞬間、娘が云っていることがようやくつながりました。
「お父さんの云い方が悪かったね。ゴメンネ。応援してるからね!気をつけて行ってきてね。」
私も、その時はいっぱいいっぱいで見送ることになりましたが、娘は最後は照れ臭そうにニコッとうなずきながら、学校へ行ってくれました。
何気ない親子の会話かもしれませんが、私はとても勉強になりました。
時代が変われば、コミュニケーションの中身自体もその時に見合った「言葉」を選ばないと、とても大きなすれ違いや溝を生むのかもしれません。
子供が、ストレスやプレッシャーになる言葉を、親がそうとは知らずに云い続けると、知らない間にネガティブな感情を子供に溜め込ませることになり、それがウツを始めとする難しい精神障害へと発展していく・・・。
本当に難しい時代になったなぁとつくづく思います。
かと云って、こういったことを面倒臭がって“もう云わないでおこう”と決めてしまうと、今度はコミュニケーションレスになり、もっと大変なことになっていく・・・。
子供もいっぱいいっぱいなら、親もいっぱいいっぱい・・・。
模範解答が無い時代ゆえ、いっしょになって親も日々の中から気づき、成長していかなければいけないんですね。
本当に大変です。
私がやれることは、自然に成長していこうとすることを邪魔せずに気持ちよく実や花を咲かせてやること。
そう云えば、今話題の本「奇跡のリンゴ(幻冬舎)”の木村秋則さんの青森のリンゴ畑を訪問し、木村さんから直接色々なお話を聞かせていただいた時、敢えて1本のリンゴの木を無視し続けて、一言も言葉をかけずに育てた話をしてくれました。
その木は、同じ時期に植えた木と比べて成長度合いが三分の一~四分の一位の発育にしか見えませんでした。
木村さんは、無農薬、無肥料のリンゴをつくるという前人未到の偉業を実現されるためにありとあらゆることを実験されてこられました。
その一つに「言葉がけをしないリンゴの木」がありました。
「リンゴの木にも心があり、かまって欲しい、認めて欲しいという気持ちがあり、それを満たしてやらないとリンゴもいじけて枯れていく・・・。だから一本一本の木に各々の状況を把握してあげながら、その時にふさわしい言葉をかけてやるとよく育ってくれるんだなぁ~。」
「私がやれることは、リンゴが自然に成長していこうとすることを邪魔せずに、気持ちよく実や花を咲かせようとするための、温かくて柔らかい山の土と同じ自然の土を、リンゴの木につくってやることなんだなぁ。」
木村さんの一言一言には、リンゴに対する深い愛情と感謝の気持ち、そして畏敬の念とその成長を、全身全霊をかけて応援しようとする強い意志が感じられました。
応援し合いながら、お互いにいい花を。
私はその時、これは、子育てや会社ならスタッフ育てにも通じることが、いっぱいあると思いました。
分かっちゃいるけど、ついつい自分の忙しさと都合を優先して、言葉をかけなかったり、言葉をよく考えずに云い放ってみたり・・・
本当に日々反省することが多い毎日ですね。
木村さんもリンゴからたくさんのことを教えてもらいました。
私も子供から教えてもらうことがよくあります。
『我以外皆師』とはよく云ったものですね。
大変な時代だからこそ、勉強するチャンスが、いっぱいあるのかも?
いっしょに応援し合いながら、よりよく成長し合っていければ、実りある豊かな人生と、お互いにいい花を咲かせることができそうですね。
その願いが晴らせるように、共に願晴りましょう。
(このガンバルなら大丈夫かな?)
感謝
Guts