四季と寄り添う~利奈の漢方的生活
[Vol.16 五月(satsuki)]
5月の初夏の日差しに気おくれを感じる…そんな時はココロや体に耳を傾けてあげるサインかもしれません。
立夏を過ぎると野山は新緑に彩られ、太陽のエネルギーがどんどん増していきます。
五行学説で夏の五気は「暑」、五臓は「心」にあてはまり、心臓に症状の出やすい季節と言われます。
5月の気候は爽やかで、さほど「暑く」はないのですが、血脈を温め、血液の流れを良くするエネルギー(心気)は盛んになってきます。
エネルギッシュになるのはとても良いことなのですが、常に陰と陽の両方のバランスを考えるのが東洋医学です。
陽の心気が増えるのに対して、陰の心血が不足すると睡眠が浅くなり、夢を多く見るようになります。
もっとバランスの悪い方は動悸や不安・不眠などの症状を感じはじめます。
心血とは心臓を滋養する血液のことで、心臓が亢進しすぎないように制御しています。
心血の不足は胃腸が弱って心血を作る力が少ない時や、過度の心労により心血を消耗した時に起こりますが、徐々に不足していきますので自覚のない方も多いようです。
この季節、急に眠りが浅くなったとお感じの方は、心血を滋養する食べ物を積極的に摂ってみることをお勧めします。
桑の実、ハスの実、なまこ、牡蠣などが良いのですが、毎日摂るのが難しい素材が多いですね。
中華街などでは竜眼肉(りゅうがんにく)というドライフルーツやハスの実のお菓子が手に入りますので探してみてください。
どちらも安神養心(心を養って精神をおだやかにする)の代表的な食品です。
また、心血は一朝一夕で増えたり減ったりするものではありませんから、少し気長に続けるのがコツですよ。
5月の初夏の日差しに気おくれを感じる…
そんな時は自分のココロや体に耳を傾けてあげるサインかもしれませんね。
【養生漢方レシピ】 ドクダミ化粧水
「ドクダミ」は、白い花が咲く5月頃に薬効が最も高くなります。
陰干しにしてお茶に煎じて飲むと、体の毒を排出する作用があります。
また、生のドクダミの葉には殺菌作用があるため、化粧水を作ると、ニキビや肌荒れ予防に良いですよ。
材料:
●生のドクダミの葉 100枚くらい
●ホワイトリカー(35~42度のもの)180cc
作り方:
①ドクダミの生葉を良く洗って、水をふき取ります。
②フードプロセッサーで細かく粉砕します。
(ここで分量のホワイトリカーを加えてもOK)
③粉砕したドクダミの葉とホワイトリカーを混ぜ、茶こしで漉し、ビンに密封し、冷蔵庫で保管します。なるべく早く使い切りましょう。
※生葉はてんぷらやおひたしにしても頂けます。