美味しいお屠蘇(とそ)はれっきとした漢方の胃腸薬。身体を温め、風邪の予防にもなります。

美味しいお屠蘇(とそ)はれっきとした漢方の胃腸薬。身体を温め、風邪の予防にもなります。

四季と寄り添う~利奈の漢方的生活

[Vol.12 睦月(mutsuki)]
美味しいお屠蘇(とそ)はれっきとした漢方の胃腸薬。身体を温め、風邪の予防にもなります。

あけましておめでとうございます。
新暦のお正月を迎えました。みなさん、お屠蘇(とそ)は召し上がりましたか?

もっとも最近は、若い世代の方はお屠蘇を飲んだことすらない、というので、ひっくり返るぐらいビックリします。
日本文化の灯火が消えてゆくようで寂しい思いをいたします。

なにを隠そう、この屠蘇はとっても美味しい食前酒なのですよ。
配合成分は、胃腸を元気に整え、邪気を祓うとされる生薬ばかり。
飲むと胃腸の調子がよいので、当店には、正月に一年分の屠蘇散を買いに来られ、年中飲んでおられる方もいらっしゃいます。

そもそも屠蘇は、中国三国時代の名医華佗(かだ)が薬草を調合して、酒に浸して飲んだのが始まりと言われています。
正式名は「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」といい、「胃腸を健やかにして、身体を温め、風邪の予防になる」れっきとした漢方の胃腸薬です。

また屠蘇とは「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇らせる」ところから名付けられたと言われています。
日本では宮中に伝わり、大晦日に井戸の上に吊るし、邪気祓いをして、翌朝清酒に漬けたものをいただいたのです。

お屠蘇は、元旦の朝、若水(元旦の早朝に汲んだ水)で身を浄め、初日や神棚、仏壇などを拝んだ後、家族全員が揃って新年のあいさつをし、雑煮の前にいただきます。

飲む順序は、一年の無病息災と延命長寿を願うところから若者の活発な生気にあやかる意味で、年少者より順次年長者へと盃をすすめるのがきまりです。

ですが、堅苦しく考えず、気軽にお屠蘇を作り楽しみ、伝統を次の世代に伝えていただきたいと願います。

■屠蘇散の薬効

①百朮(びゃくじゅつ)/消化器系に働き食欲不振・軟便を治す。利尿作用によりむくみを治す働き。

②桂皮(けいひ)/血行を促進して身体を温めて、手足の冷え・腹痛・下痢を治す働き。

③山椒(さんしょう)/お腹の冷えを改善することにより、腹痛・下痢・消化不良を治す働き。

④丁字(ちょうじ)/お腹を温めることで胃腸の働きを活発に、吐き気・お腹の冷えを治す働き。

⑤防風(ぼうふう)/発汗作用により、風邪による発熱・身体痛などを治す働き。

⑥桔梗(ききょう)/痰を切り咳を止める作用。

⑦陳皮(ちんぴ)/胃の働きを助けて食欲を増進させ、咳や痰を除く。

【養生漢方レシピ】 一年の無病息災と延命長寿を願って「お屠蘇(とそ)」

お酒1合(180ml)に、みりん( お好みの量。みりん100%で作る家もあるそうです)を加え、屠蘇散1袋を浸し、一晩放置して袋を取出します。

★良質のお酒とみりんを選ぶことをおススメします。

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