四季と寄り添う~利奈の漢方的生活
[Vol.5 水無月(minazuki)]
身体の水の余りによっておこる「水毒」。漢方薬を使うと早く改善します。
爽やかな初夏が過ぎ、梅雨が訪れると、外邪の一つ、「湿邪」との戦いが始まります。洗濯物が乾きにくくなるのと同様、皮膚や呼吸からの不感蒸泄(発汗以外の水分喪失)もうまくいかないため、体に余分な水分が溜まりやすくなり、身体の水の余りによっておこる「水毒」の症状が現れます。
水毒の症状は
「むくみ、めまい、頭重・頭痛、全身倦怠感」などです。メニエール氏病などのめまいは耳の蝸牛のリンパ水腫によって起こるものです。病気までいかなくても、この季節に頭が重くなったり、なんとなくフワフワ感じたりするのはこのせいです。
頭がすっきりしなくて眠くなるのも、水毒の可能性があります。また、脾の水の吸収も滞るため、胃腸の動きも低下し、食欲不振や下痢・便秘などの症状が起こる場合もあります。
体内の水を上手に排泄して、このうっとうしい湿邪の季節を少しでも爽やかに過ごしたいですね。
体内の水分を抜く方法は、利尿や発汗などです。
利尿作用のあるお茶類を上手に摂りいれると良いでしょう。
ただ、水の症状は起こると激しく、漢方薬を使った方が早く改善するので、今月は代表的な漢方薬と対応する症状を一覧でご紹介しておきます。
症状 | 特徴 | 代表的な処方 |
---|---|---|
めまい・むくみ 頭痛・水様下痢 |
口が渇く、尿が少ない | 五苓散 ごれいさん |
めまい・動悸 不安感 |
天気が悪化する時の不調 | 苓桂朮甘湯 りょうけいじゅつかんとう |
便秘 全身倦怠感 |
舌の苔が白い | 六君子湯 りっくんしとう |
フワフワめまい 冷え・むくみ だるい |
口渇なし | 真武湯 しんぶとう |
頭痛・肩こり 冷え・めまい |
血色が悪い | 当帰芍薬散 とうきしゃくやくさん |
【養生漢方レシピ】 空豆のジャコご飯
ハトムギ(よくいにん)には利尿作用だけでなく、免疫を高め、イボをとる働きもあります。
昔から、長く飲むと肌が色白で綺麗になると知られます。
この時期にはピッタリのお茶です。